鹿島アントラーズ原理主義

愛する鹿島アントラーズについて、屈折した意見を述べていく場です。

源と植田、世界レベルの潜在力

2013年02月22日 | Weblog
今季のJリーグを彩るブレイク必至の若手
世界レベルの潜在能力を発揮できるか

安藤隆人
2013年2月22日 11:40


着実に成長を遂げている“小さな重戦車”

 いよいよ2月23日のゼロックススーパーカップを経て、3月2日にJ1リーグが、3月3日にJ2リーグが開幕する。待ちに待った新シーズン。今年のJリーグは誰が躍動し、どのチームが奮闘、苦闘をするのか。開幕を待ちきれない今、今季ブレイクが期待されるヤングプレーヤーにスポットを当てていきたい。

 高卒ルーキーでは清水エスパルスのMF石毛秀樹、鹿島アントラーズのDF植田直通、セレッソ大阪のFW南野拓実に注目だ。3人とも2011年のメキシコU?17ワールドカップ(W杯)ベスト8メンバーで、世界が注目を集める若手でもある。

 石毛は168センチと小柄ながら、体幹がしっかりしており、ドリブルの切れ味も鋭い。強烈なミドルシュートを放てるパワーアタッカーでもあり、筆者はかつて“小さな重戦車”と呼んでいた。

 U?17W杯では質の高いポゼッションに加わりながらも、機を見て前線に飛び出してはチャンスに絡んだ。すばしっこく、かつ強靭(きょうじん)なボディーバランスは、並み居る強豪国のDFを苦しませ、4試合出場で3ゴールを挙げ、ベスト8進出に大きく貢献した。この活躍が認められ、2011年のアジア年間最優秀ユース選手賞を受賞し、大きな話題となった。

 さらに昨年も勢いは止まらず、2012年3月30日には早くもプロ契約。4月のヤマザキナビスコカップ第2節の新潟戦でクラブ史上最年少出場記録を塗り替えると、6月のコンサドーレ札幌戦では初ゴールを記録した。さらにリーグ戦にも12試合に出場し、ナビスコカップニューヒーロー賞を史上最年少の18歳1カ月で受賞。大ブレイクの昨季を終え、今季から背番号8を背負うなど、決してニューカマーではない、主軸の1人としての新シーズンを迎える。

 石毛のプレーで忘れられないシーンがある。それは11年5月22日の高円宮杯プレミアリーグ第2節の尚志高戦。1?0のリードで迎えた39分に、そのシーンが訪れた。右サイドタッチラインギリギリの位置でDFと激しい球際の攻防を展開すると、強い下半身と、ブレない体幹をフルに生かして、DFを背負った状態でボールをキープ。次の瞬間、体をねじ込むように強引に反転させ、前を向いてワンステップから豪快に右足を振り抜いた。ちょうどこの時、筆者はピッチサイドにいて、石毛のすぐ斜め後ろの位置にいた。彼の右足から放たれた強烈なシュートは、唸(うな)りを上げてゴール左上隅に一直線に突き刺さった。あまりにもきれいな弾道だったため、その光景は今でもはっきりと目に焼き付いている。

 Jの舞台でも再び目の前で度肝を抜いたプレーを見せてほしい。着実に成長を遂げている“小さな重戦車”。これから先、より馬力と性能は増し、破壊力が磨かれていくことを期待している。

まだ粗削りも身体能力と闘争心あふれるCB


圧倒的なフィジカルと空中戦の強さが魅力の植田(左)。若手育成に定評がある鹿島でどれだけ成長できるか【写真は共同】

 植田に関しては、個人的に将来の日本代表のセンターバック(CB)を務めてもらいたいと思っている。それくらいのポテンシャルを秘めていることは間違いないからだ。彼の最大の魅力は186センチ、77キロという恵まれた体格を生かした圧倒的なフィジカルと空中戦の強さだが、それ以上に彼の“闘争本能”に期待をしてやまない。

 どちらかというと、スマートな選手が増えてきた中で、植田の存在は異色中の異色。屈強なフィジカルから醸し出される「相手をつぶす」という本能。かつてテコンドーで世界大会にも出場した彼は、「僕はそんなにうまくはないけど、誰にも負けたくない。とにかく負けるのが嫌なんです。CBの魅力は相手をつぶせること。攻撃してくる選手を止めたり、空中戦で競り勝った時の快感がやめられません」と、体にみなぎる闘争本能を包み隠さずに表現する。

 CBとしてはまだまだ粗削りだ。それもそのはずで、植田が本格的にサッカーを始めたのは中学で、CBは大津高に入ってから。これから学ぶべきものがたくさんあるが、彼には誰にも負けない身体能力と闘争心がある。それに荒削りと言うことは、逆に言えば伸びシロがたくさんあるということ。若手育成に定評のある鹿島において、植田がどこまで磨かれるか。岩政大樹というお手本がいる中で、着実な成長を遂げてほしい。当然、1年目から出場し、経験を積ませるということも育成手段としては十分にありだ。

鹿島の将来を担う次期DFリーダー候補


CBとして決して大柄ではない昌子(白)だが、空中戦の強さやキック力には大きな魅力がある【Getty Images】

 鹿島には植田と同じCBに、これも個人的に期待をするDF昌子源がいる。鹿島と言えば、昨年の新人王に輝いたMF柴崎岳ばかりに目が行くが、同期の昌子も大きなポテンシャルを持っている。182センチとCBとしては大柄ではないが、屈強なフィジカルとバネを生かし、空中戦で強さを発揮する。さらにキック力も魅力で、最後尾からのロングフィードはチャンスを生み出す。

 今でもはっきりと印象に残っているのが、彼が高校3年生の時の沖縄インターハイの米子北対流通経済大柏の一戦で見せた、弾丸FKだ。中央やや左寄りの約30メートルの距離から右足インステップで強打したボールは、ゴールに一直線。ピッチサイドのテントにいた筆者の目の前を超高速で駆け抜けていくと、ゴール手前で急激にホップして、ゴール左上隅に突き刺さった。彼のパワーとキックの質が凝縮されたシュートだった。今季はこのシュートをJの舞台でも見てみたい。鹿島の次期DFリーダーとしてのきっかけをつかむ1年としてほしい。

 実は昌子も植田同様に、米子北高入学後にFWからCBにコンバートされた経緯を持つ。近い将来、昌子と植田のCBコンビが鹿島の不動の砦となり、そのまま日本代表の砦となる。そんな将来を思い描きながら、2人の1年目、3年目のシーズンを見ていきたい。
C大阪のクラブの“顔”の系譜候補

 最後に南野は、将来のC大阪のエースナンバー8番を背負う最有力候補だ。これまで森島寛晃、香川真司、清武弘嗣、そして今季から柿谷曜一朗というクラブの“顔”が付けている8番。その系譜を引き継ごうと、今季C大阪U?18から昇格した彼は、昨年11月に早くもJリーグデビューを果たすと、3試合に出場。天皇杯では4回戦の清水戦で初ゴールを決めるなど、早くも頭角を現した。

 高いキープ力とパスセンスを併せ持つが、南野の持ち味は何と言ってもポジショニングの良さと、ボールを受ける前の動きの質の高さだ。常に味方の状況、相手の状況を見極め、スペースを巧みに作り出して、裏に行くのか、スペースに入るのか、けん制して入るのか、絶妙なタイミングで出し入れすることで、バイタルエリアで決定的なチャンスを作り出す。このスペースの有効活用できる駆け引き、戦術眼、そしてそれを実現できるスピードとボールコントロール。トータルバランスが非常に優れたアタッカーだ。

「遠慮しないでどんどん仕掛けて行きたいし、将来は世界で戦いたい」と高みを目指すハイセンスアタッカーは、1年目からエンジンフル回転で、自身の夢を一気に手繰り寄せて行くだろう。
王者広島が誇る期待の若手3人衆
 サンフレッチェ広島の若手にも期待をしたい。個人的にはMF鮫島晃太、野津田岳人、FW浅野拓磨の3人に注目をしている。鮫島は鹿児島城西高時代から、広い視野と正確なミドル、ロングキックを駆使し、攻撃の起点となるボランチだった。しかし、高校時代の負傷の影響もあり、プロ入り後は若干出遅れた感があった。だが、ポテンシャルは非常に高く、3年目の今年は飛躍の1年にしたいところだ。

 今季ユースから昇格した野津田は、昨年すでにデビューを飾り、リーグ5試合に出場。1.5列目で力強いドリブルと、シュートセンスで今季はレギュラーポジション確保を目論(もくろ)む。

 四日市中央工高から入団した浅野は、ボールを引き出す動き、裏への抜け出しのタイミングとスピード、シュートセンスのどれもがハイレベル。ポテンシャルは非常に高く、早いうちにプロのスピードに慣れることができれば、1年目からの出場も十分にありうる。

 ここでは7選手しか挙げてはいないが、ほかにも飛躍が期待される若手はたくさんいる。もしかすると伏兵と目された選手が、一気に主役になるかもしれない。楽しみが尽きないJリーグ。それぞれのお気に入りの若手、期待の若手の存在に目を向けて見てみると、また違った楽しみが生まれるかもしれない。ぜひ、スタジアムに足を運んで将来の希望が詰まった若手の躍動を見てほしい。Jから世界へ。その息吹は確実にそこにある。

<了>


Jリーグの若手を紹介するスポーツナビのコラムである。
鹿島からは植田と源の2人が挙げられておる。
ルーキーの植田は高校時代から注目の選手で、隆雅と共に挑んだU-17W杯ではベスト8に勝ち進んでおる。
植田の身体能力は天下一品であり、それはテコンドーにて日本一になったことでも見て取れる。
このフィジカル以上に注目すべきはメンタルと言う。
大人しい選手が多くなった一方で植田ほど闘争心を前面に出す選手は貴重である。
自らをワニに例え、相手を引きずり込んで仕留めるディフェンスを信条に戦う姿は新人らしからぬオーラを醸し出しておる。
着実に成長し、鹿島のそして日本のCBとなって欲しいところ。
そして、その植田の好敵手となる昌子源である。
昨季はナビスコ杯決勝戦での左SB起用で頭角を現し、名を売った。
リーグ戦終盤には守備固めとして出場機会を増やしていったことでも記憶に残る。
今季は前野の加入で本職であるCBの起用となろう。
安藤氏も挙げるキック力を武器にレギュラー候補に名乗りを上げたいところ。
この若き2人のCBが鹿島の砦となり、堅固な守備を構築すれば、将来は安泰と言えよう。
2人の成長を見守っていきたい。
楽しみである。

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3 コメント

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Unknown (Unknown)
2013-02-22 18:47:55
源と植田が順調に育ったら…と思うとわくわくしますねぇ。
源はコミュニケーション力も高そうですし、タイプの違う守りの双璧という感じで立ちはだかってくれそう。
山村もいますし、楽しみな若手が多いですね。
Unknown (Unknown)
2013-02-22 20:29:49
今シーズン中にこの2人がレギュラーになるようだと、将来的に日本代表にとっても大きな戦力になるでしょうね。
Unknown (Unknown)
2013-02-23 07:37:41
よく見てる記者ですね。

源と植田、次世代の二枚岩です。

これまでの序列では岩政、青木、山村のつぎ。

ポジション争いは厳しいけど、これを承知で入団しているんだから頼もしい。