A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

エルビンジョーンズが世に出した作曲家は、エルビンとちょっとイメージが合わないが・・・

2016-03-18 | PEPPER ADAMS
Composition of Fred Tompkins

持っているレコードの中には一度聴いたきりでお蔵入りしたアルバムも結構ある。衝動買いしたものは仕方がないが、期待して買い求めたアルバムが外れだとガッカリ感は強い。

このアルバムもその一枚。サドメルファンになってから、サドメルのアルバムだけでなくメンバー達のアルバムも買い求めることが多かった。中でもペッパーアダムスはかなり入れ込んでしまったが。

このアルバムも、そんな経緯で求めたアルバムだ。リーダーのフレッドトンプソンは知らなかったが、ジャケットに並ぶ面々を見るとサドメルの初期のメンバー達が並ぶ。それにエルビンジョーンズの名前も。聞いた事のないマイナーレーベルであったが、この面子を見ると反対にそれだけでも掘り出しものではないかと期待して買い求めた。

針を落とすとあまりにもイメージと違った。サドメルのメンバーは皆スタジオワークの強者。どんなスタイルでも演奏できるといえばそれまでだが、「こんな演奏もするんだ」という印象は受けても、その後繰り返し聴く事も無く、持っていたのも忘れかかっていた。

名の通ったプレーヤー達のアルバムの中に、時にメンバーの中に知らない名前が混じっていることも多い。大部分はゲストであったり、新人の起用であったりだが、その中で一曲だけの参加となると、その理由が余計に気になるものだ。

エルビンジョーンズのアルバム”Heavy Sounds”でピアノを弾いていたビルグリーン。昔から気になっていたが、他の演奏にお目にかかったことはない。同名のサックス奏者はいるが、果たして同じ人物かどうか?・・・。

ペッパーアダムスの参加したアルバムの棚卸をしている中で、先日エルビンジョーンズの”Poly Currents”というアルバムを紹介した。その中だけ一曲だけフレッドトンプキンスというフルート奏者が参加していた。

アダムスのディスコグラフィーを見ていると、このアルバムの録音直後にこのフレッドトンプキンスのアルバムに参加していた。メンバーを見渡して、もしやと思ってお蔵入りしていたこのアルバム取り出した。そして2枚のアルバムが繋がり、このアルバムの立役者がエルビンジョーンズであったことも分かった。

エルビンジョーンズとサドメルのメンバー達は普段から仲良く演奏していた。堅苦しいアルバムだけではなく、気軽なジャムセッションもアルバムとして残されている。エルビンの日頃のそんなプレー仲間の一人がフレッドトンプキンスであった。フルートだけでなく、ピアノも弾くトンプキンスであったが、本業は作曲であったようだ。
エルビンのアルバムでも、皆の曲を持ち寄ったアルバムだったこともあり、日頃のプレー仲間であるフレッドトンプキンスに声を掛けた。というより、エルビンにはせっかくの機会なので彼を世に売り出すのに一役買おうという強い意図があったようだ。ブルーノート、そして自分のリーダーアルバムに参加すれば広く名前を広める事ができるとの想いだったようだ。

その甲斐があってか、このアルバムが誕生した。マイナーレーベルであるが、集まったメンバーは普段一緒にプレーをしている一流どころが揃った。さらに、曲によってはストリングスやジャズにはあまり使われない木管も加わった。そして曲は皆トンプキンスのオリジナル。曲によって編成はバリエーションに富んでいるが、アンサンブルもかなり書き込まれている。ジャズの場合だと普通はテーマの作曲、そしてアレンジとなるが、ここではクラシックのようにアレンジというより全編作曲といった感じだ。

いわゆるジャズのスイング感(譜面の読み方を含めて)はなく、いわゆる前衛というよりサードストリームといったジャンルに近いのか。トンプキンスが日頃したためていた作品をめでたく世に出すプロジェクトは、エルビンを始めとして仲間の協力でめでたく実現した。

トンプキンスはその後も作曲家として活動しているようだ。他の新しいアルバムは聴いた事がないが、きっと同じ流れなのだろう。自分は、昔と較べてかなり幅広くどんなジャンルでも受け入れて聴くことができようになったが、きっとこのアルバムはまたお蔵入りで、繰り返し聴き返すことはないと思う。

1. Odile
 Fred Tompkins (fl)
 Lester Cantor (bassoon)
 Joe Tekula (cello)
 Barry Benjamin (French Horn)
 Danny Repole (tb)
 Jimmy Owens (tp)
 Joe Farrell (as)
 Mickey Bass (b)
 Elvin Jones (ds)

2. Yes
 Fred Tompkins (fl)
 Wilbur Little (b)
 Elvin Jones (ds)

3. Compound
6, SHH!
 Richard Jones (French horn)
 Al Gibbons (as)
 Joe Farrell (ts)
 Pepper Adams (bs)
 Wilbur Little (b)
 Elvin Jones (ds)

4. Fanfare Ⅲ
 Fred Tompkins (p,fl)

5. Trio
 Jacob Berg (fl)
 Bob Coleman (cl)
 Mel Jernigan (tb)

7. Two Sentiments
 Richard Williams (tp)
 Cecil Bridgewater (tp)
 Jerome Richardson (ts)
 Pepper Adams (bs)
 Fred Tompkins (fl)
 Ron Carter (b)
 Elvin Jones (ds)

8. Circle
 Bob Brock (p)

9. Find A Way
 Gilbert Munguis (cello)
 Juri Taht (cello)
 Richard Williams (tp)
 Danny Repole (tb)
 Al Kaplan (tb)
 Richard Davis (b)
 Elvin Jones (ds)

All Compositions written by Fred Tompkins
Recorded at A-1 Sound Studio by Herb Abramson and Johnathan Thayer,October 1969 & May 1970

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