山里ひぐらしの小径

木曽路の入り口、岐阜県中津川市から
人と自然とのかかわりをテーマに、山里、植物、離島など。

名古屋の紅葉見ごろ

2012-11-30 | めぐる季節と自然

自宅のある中津川の紅葉はほぼ終わってしまい
瑞浪市曽木のモミジの名所もライトアップをやめたけど
名古屋の市街地では、今、ほんとに見ごろです。

我が家の紅葉ふとんは、布団どころか落葉の海と化し、歩くのも大変なほどなので
一応掃き集めました。
今日は名古屋の街のあちこちで、落葉掃きをいかにも必死でしている人たち多数。

昔百メーター道路と言っていた大通り(白川通り?)の銀杏は、少し緑の残る黄色。あと2、3日は大丈夫そう。
ほかにもいろいろな街路樹がきれいな色を見せています。
名古屋の街って昔と比べてほんとにきれいになったなと思う。

街路樹の紅葉といえば、トウカエデ。
1本の木で緑から黄色、オレンジ、赤とグラディエーションがあり、町中でも色が冴えて、本当にきれいです。
この木を覚えたのは学生時代。地下鉄の駅から大学へ通う坂道が、トウカエデの並木だったのです。
トウカエデを見るたび、学生時代のあの空気を思い出す。
初々しかったなぁ、われながら。
なれのはての今は、いやはや……な状態。
あの頃のようにいつも心を新たにがんばらねばと思います。
私に限らず周りを見ても、年を取れば取るほど、世の中をなめてしまって、
ずうずうしくなったり、ずるくなったり。
たまに若い子たちとつきあうと、締め切りは守るわ、全力で頑張るわで、心洗われ、
そういう当たり前のことを当然のようにしなくなる大きな大人が情けなくなる。

年を取れば取るほど悪くなるってことがないようにしなければ。

と、トウカエデをきっかけにツラツラ思うのです。


で、例により一番言いたいことが最後なのだけど、
10日ほど前、名古屋のどこかの通りで、(多分今池周辺)、盛大にトウカエデを剪定し
枝をバサバサ切り詰めていた。
これから紅葉して人の目を楽しませてくれるところだというのに
木を丸坊主にしていたのでした。

一体何やってるんでしょう。
きっと一律化、平準化、マニュアル化の弊害なのだと思います。
残念でした。


写真/小値賀島 遠くに海が見える(2005年)

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冷たい雨

2012-11-26 | めぐる季節と自然

冷たい雨が降っています。
空が重くどんよりして朝から薄暗い。
雨がザーザー、バタバタ音を立てて降っています。
久しぶりにこんな雨の音を聞く。
静かになっては急にザーッと強くなる降り方が、いかにも秋の終わりの時雨っぽい。
北国では雪になっているのでしょうか。

昨日の紅葉ふとんは、無残な濡れ落葉マット、いや、シート……?
ぺったりぺっしゃんこです。
乾いているうちに掃いて燃やしておくべきだった。
でもモミジって燃えにくいんですよね。
なので、坂折棚田の直さんが、銀杏もモミジも燃えにくいから家の前に植えて防火にすると言っていた。モミジ以上に銀杏は燃えにくい。針葉樹だというのに変わり者です。

家の周りの木々の赤や黄色の葉はすっかり落ちてしまって、
緑がまだまだあるものの、冬へむかっていることを感じます。
寒いのはきらいです。

写真/長崎県小値賀島のカンコロ(さつまいも)干し(2005年11月)

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紅葉ふとん

2012-11-25 | めぐる季節と自然

三連休中日の昨日、天気もよかったから、各地で道路が渋滞したもよう。
紅葉狩りにはぴったりの日。私も名古屋から中津川への途上、瀬戸市で渋滞に巻き込まれた。瑞浪あたりから瀬戸、足助あたりは、この連休、本当に紅葉のいい日だったと思う。ただ、ここ数年で有名になった曽木の紅葉は、今年はずっと色が冴えないまま終わってしまったように思う。

というわけで、名古屋から中津川への道中、山の中の道を車で走りながら紅葉を思いっきり楽しんでいたわけだけど、家にたどりついた瞬間、「しまった!」と思い出したことがある。
4日も名古屋にいっていて、中津川の我が家の見事なモミジの紅葉を見逃した!

うちのモミジは本当にきれいで近所の人もほめてくれるのだけど
あまりにも身近で、注意していなかった。

今朝、玄関の前には、毎年恒例の紅葉の布団ができてました。
ふわっふわで、かさかさで、厚く積もって、踏むのがもったいないと思ってしまう。この写真の背後にもずっと続いているのです。
明日は雨の予報だから、濡れ落葉になっちゃうと思うと残念。
それにこの色も、落ちてから日がたつと色あせてしまうのです。

木についた紅葉は楽しめなかったけど、
落葉ふとんをたのしむとしましょう。

ちゃんとした人なら「あら大変!」と言って
すぐにほうきで掃いてきれいにしてしまうでしょうね。


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8年ものの柚べし

2012-11-24 | あちこちの特産品

長きにわたって、我が家の台所にゴローンと転がっていた「ゆべし」。
ゆべしとは、柚子の皮の中の実を取り出して、身代わりにお砂糖を混ぜたお味噌を詰め込んで干した、山里に昔からあるお菓子。お菓子といっても、甘いというより、どちらかというと味噌味が勝つので、好き嫌いは分かれるかもしれない。

2005年の春、訳あって、恵那市の笠置町というゆずの産地でいただいた。
それから食べようと思いつつ、思い入れありすぎて一日延ばしになり、もういい加減に食べられなくなってるかもと思いながらも、思い出あるものなのだしもったいないしと、捨てるには至らず、
あるときは冷蔵庫の中に、あるときは戸棚の中に、そして最近は「捨てないなら早く食べなさい」警報発令によりテーブルの横の籠の中にと、居場所を転々とさせられてきた。

ほんとに家庭の手作りで、売り物でもないので、白い半紙にくるくると包んだだけ。ビニール袋に入れたりもしていない。

ついに先日、「今日こそ絶対に一戦交える」と決意し、それが実行に移されたのでした。
内心、「干からびきって、もう食べられないに違いない」と思っていた。
紙をあけると、真っ黒けのカチカチ。
恐る恐る包丁を入れると、堅いけど、結構きれいに切れる!
で、恐る恐る端っこをかじってみると、なんと! おいしいではないですか!!

おいしくておいしくて、ばくばくと立て続けに3切れぐらい食べてしまい、
もっと食べたいのをガマンしたのでした。

中のお味噌はチーズ化しています。
味付けも相当上手だったのでしょう。柚子のほどよい酸味と、ほどよい甘み。お味噌もきっといいものなのでしょう。

捨てたほうがいいかもなんて思ったことを深く反省しました。


そうなんです、そもそも柚べしは保存食なのでした。
ってことを思い出した。
半紙に包んだだけで、なんともなく8年も保存できてしまうのです。
紙に消費期限なんて書いてないです。そんなもの要りません。
密封もしてないしビニール袋にも入れてない。

昔の人の知恵はスゴイなぁ。改めて思う。
もっとも風味は変わってきていると思うけど、ワインみたいに、あるいはお味噌みたいに
2年物とか、3年物とか、30年ものとか……(?)
いろいろ違いを楽しむのもいいのかもしれない。

ほかに、スライスして真空パックに入った柚べしも戸棚の中に放置されているのだけど
(見た目おつまみのサラミみたい)
保存食なんだから真空パックなんて必要ないんですよ。
でも現代人はそういうことしないと気が済まないんでしょうね。
そういう習慣そろそろ見直しましょう。
日本は熱帯地方と違ってそんなに病原菌うようよってわけでもないのだから。
ビニール袋などなかった時代、それなりにやってきているのだから。


写真/8年物の柚べし・岐阜県恵那市笠置町の特産品

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Comments (2)
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はつしも

2012-11-23 | あちこちの特産品

先日、名古屋の街に出て、お昼になったので、
たまたま通りかかった山小屋風の小さなカレー屋さんに入ったら
もんんんのすごくおいしかった。
一見、普通の日本風カレーなのだけど、
お米とからんだときの具合が絶妙で、こんな味わいは初めて……と思った。
そもそもカレーを食べて、お米とのからみぐあいをしみじみ感じることなんてなかった。

お米自体がぴかぴかしてておいしいのだけど、カレーと実によく合う。

50歳前後と見られる男の店主さんが一人できりもりしている、
客席数15にも満たないお店。
内装もおそらくこの人が自分で板を貼ったか、あるいは友達とか家族とかがやったに違いない手作りで、いい感じ。
そもそも、最近流行のインド人がやってるカレー屋さん以外で
カレーを食べることってめったにないのだけど、
こじんまりしたお店の雰囲気に惹かれてふらふら入ってしまった。

で、お米のことを聞いたら、「はつしも」なのだって。

はつしもといえば、岐阜県の西の方で多く作っている
初霜が降りるころ収穫する晩稲。
わが地方では決して誰も作っていない(と思う)。
20年ぐらい前に一度食べたんだけど、たまたまなのか、あまりおいしいと思わなくて
「やっぱりお米は寒いところのもののほうがおいしい」と
勝手に結論付け、二度と買うことはなかった。

けど、大変失礼しました。おいしかった。
店主さんによると、粒が大きくてもっちりしていると。
カレーに合うお米をいろいろ研究したのだろうか、
「よく気付いてくれましたね」と言っていた。

カレーには小さな肉の切れ端が、ほんとにごくわずか入っているだけで
ほかの具はない。私はその方が好き。
カレーの中に大きなじゃがいもやにんじんがゴロゴロしているのはイヤ。
甘ったるい玉葱がねろっとしているのもいやだし
ましてや、肉はそもそも嫌い。名古屋風に豚コマの脂身なんか入ってたら最悪。
まあ、家庭で野菜をいっぱい摂ろうという目的がはっきりしているときはいいのだけど
今回のようにお米とのからみを味わうには、具は邪魔になると思った。

ほんとにさりげないカレーなんだけど、なんか気になる。癖になる。また行きたい!
ミニサラダ付きで500円だし、コーヒー追加で200円だし。

今池、9番出口を西に2筋、その角の少し南。名古屋シネマテークのすぐ近く、
「吉」というカレー屋らしくない名前のお店でした。


写真/長崎県中通島で(2005年)

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飛騨高山に雪

2012-11-15 | めぐる季節と自然

高山で雪がどさどさ降っていた。今朝のニュース。
あんな中では歩くのも大変そう。
よかった……。というのは、昨日の夕方まで高山にいたから。

調査で、今週天気が悪いという予報の中、月曜日の朝から現地入りしてみたら
意外なことに好天続きで、なんとか昨日の3時までに終えることができた。
と同時に、降ってきた。

一日ずれていたら、と、ぞっとする。
カッパ着てベタベタの雪降りしきる山中を
滑ったり転んだりしながら歩かなきゃならないとこだった。
滑り込みセーフでした。

高山の紅葉は色が冴えてとてもきれいでした。
やはり寒冷地では色が冴えるということがよく分かりました。
赤は赤、黄色は黄色。きっぱり、はっきりしています。

さまざまな種類のモミジは黄色・オレンジ・真紅。
タカノツメは真黄色。
コナラもオレンジ色になっています。
これが温度の高いところだと、いきなり茶色になってしまう。


前回の記事の写真のハナノキ。真赤というイメージがあるけど、真赤なのは春先の話であって、
中津川では、やはり黄色・オレンジ・赤とグラディエーションになって
本当にきれいです。しかし今日は色があせて散りかけになっていました。

今年の紅葉はきれいだと思います。
我が家のドウダンツツジも散ってきました。

写真/ウリカエデ・中津川市内・2005年

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紅葉を見ないまま

2012-11-09 | めぐる季節と自然

ここのところ机に向かう仕事が山盛りで、ふと気付いたら色づく紅葉も見ないままだった。窓からドウダンツツジの赤い葉は見えるけど、家の周りを取り囲んでいるきれいな樹々を見ないでいるなんて、ほんともったいない。
忙しいけれど明日はちょっと山のほうにも目を向けたい。

来週は雨模様の天気予報。どんよりした日には色は冴えないし
なにより葉が落ちてしまうかもしれない。

毎日寒くて、庭仕事に励むべき時期も過ぎ去ってしまった。

写真/ハナノキ・岐阜県中津川市(2005年11月)

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トムラウシ・万里の長城・アミューズトラベル

2012-11-06 | なんとなく報告

トムラウシ山遭難とその旅行社のことを前に書いたことがあるが→こちら
アミューズ・トラベルという会社がまだあることに驚いている。
「総務部長」なる肩書きの人がいるところをみると、そう簡単にはつぶれない大きな会社らしい。
さらに、トムラウシとほとんど同じ事故を起こしていることにも驚く。反省してないのか? これが、私が万里の長城の事故をテレビニュースで知ったときの第一印象である。そしてそれは今も変わっていない。

トムラウシの遭難のいきさつは『トムラウシ山遭難はなぜ起きたのか』という本に詳しく書かれている。それが正確であるということを前提とすれば、私はあの件は旅行会社(アミューズ社)の責任が最も大きいと感じている。
しかし、結局調査委員会は「ガイドのミス」と結論付けている。お金でももらっているのだろうか。そのおかげでこの会社は今も堂々と営業できているのである。

確かにガイドの判断によって遭難が起こったかもしれないが、最初から100%正解が分かる判断なんてない。それは判断ともいえないのかもしれない。判断には予測不確定な部分がつきまとう。それはミスなんだろうか。なぜガイドが追い込まれる状況になったのかを追及しそこを改めなければ解決はしない(本ではしっかり追及している)。

初めての場所にも関わらず、会社は下見もせず、責任ある人がツアーに同行しない、現地スタッフは慣れない人、現地ガイドが下見をしていない、ガイドに十分な報酬を出さず準備ができていない(万里の長城のことは不明だが)、装備も不十分である、などなど
トムラウシと万里の長城に共通点がありすぎる。何も改善されていないように見える。
中国の旅行社に任せっきりでガイドの名前と経験すら把握していないなど言語道断、これは半年ほど前に起こったツアーバスの孫請けの事故も思いおこさせる。
中国の会社にそこまで丸投げするなら、主催は中国の会社にして、アミューズ社は客だけ集めてマージンをはねればいいことだ。主催者としてのプライドはないのだろうか。

今回も「ガイドのミス」を強調している。ガイドにどんな判断を迫ったのか知らないが、問題のある状況(天候など)が起こったとき、どのように連絡を取り合い、日程調整や行程変更をすることになっていたのか、その対応方法をちゃんと準備していたのか、リスクを検討していたのか、そのためにアミューズ社がやっていたことは何なのか、早く追及して明らかにしてほしい。
ガイドのミスがどれほどで、会社のミスがどれほどなのか、テレビからの情報では本当のことは分からない。日中関係もうまくないからますます、中国人ガイドに責任転嫁して逃げるようなことはないようにしてほしい。

一方で、参加した人たちはアミューズトラベルがどういう会社なのか知らなかったのだろうか? トムラウシ直後も今もこの会社のツアーに参加する人がたくさんいるようだ。私には理解できない。
コストを徹底削減して手抜きし、東京のデスクからの遠隔操作で簡単に山岳ツアーが催行できるということに、消費者も少し疑問を持った方がいい。自分の身は自分で守らねばならない。
写真/東京都桧原村(2003年)(本文とは関係ありません)
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登山愛好家必読の名著


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蓼藍

2012-11-03 | 山里

晴れの特異日らしく、朝から雲一つない天気。
昨夜はさすがに寒かったけれど、今日の日中は日の当たるところでは暑いほどでした。

今日は藍染工房の見学。藍の栽培から染めるまでの工程を見せていただきました。
予想以上に面白かった。

日本の藍染に使う植物は実際のところどんなものを使っているか見たことがなかったけど
今日初めて見ることができ、納得しました(写真)。
やはりタデ科の藍で、ちょうど花が見ごろ(まだ蕾ですが)でした。
葉も色が濃くて花や茎の赤色もはっきりしているので花壇の彩りにもよさそうです。

藍と一口にいっても、それが指している植物はいろいろあるのです。
藍はいわば総称であって、藍染に使われる藍はさまざまなのです。

写真/蓼藍。中津川市阿木 しずく地藍工房にて

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