山里ひぐらしの小径

木曽路の入り口、岐阜県中津川市から
人と自然とのかかわりをテーマに、山里、植物、離島など。

イケマの根の保存

2006-07-31 | 植物利用
今日中津川ではアブラゼミが鳴き出しました。本格的な夏になったと思ったら、夕方ツクツクボーシが鳴き出しました。
もうそんな季節?と思ったけど、明日から8月だから、変ではありません。今年は梅雨が長かったのでおかしな感じがするのでしょう。

ヒグラシを秋の虫だと思っている人が多いようですが、ここでは6月の終わりか7月の初めから鳴き出す、梅雨時のセミです。夏の始まりを告げてくれます。ハルゼミの次に早いセミです。
ツクツクボーシも、都市部の暑いところよりずっと早く鳴きだします。


さて、北海道の植物利用です。

イケマの根はビーズのように使われています。根を適当な大きさにぶつ切りして、面取りをします。すると、外側の茶色い皮から内側の白いところが見えて白黒のビーズという感じになります。このあたり、エンジュの木彫りの色合いと似ています。
その真ん中にひもを通して、こんなふうにしまっておくのです。これができあがりの形ではなくて、必要なときにここからイケマのビーズをはずして、この前の帽子の飾りのように、使うのです。
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イケマの葉

2006-07-31 | 植物利用
後日博物館でアイヌがイケマの根で魔よけを作ることを知り、分かったのです。
イケマはちょうど今頃が花期。1996年ごろだったか、8月6日に恵那山麓の川をさかのぼりイワタバコを見に行ったとき見つけました。
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アイヌの魔よけ~イケマ~

2006-07-27 | 植物利用
帽子につけた赤い飾りの先についているのは、イケマの根。ペヌプと呼ばれていて、そのときは植物名が分かりませんでした。
イケマは有毒植物で、盛夏に白い小花を真ん丸い房状に咲かせ、なかなかきれいなものです。どちらかというと涼しい地方にあります。中津川でも恵那山麓の標高500mぐらいのところから現れます。
Comments (2)
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オヒョウと一緒に干しているもの

2006-07-24 | 山里
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樹木布 アツシ~オヒョウの皮

2006-07-20 | 植物利用
6月中旬に北海道に行きました。前半はアイヌの植物を使った布やかごづくりを見に、後半は森林の研修会です。

写真は、オヒョウの皮を干しているところ。浦河町で見せていただきました。
オヒョウはシナノキより少し早く、6月上旬には皮をむいてしまいます。
樹皮をはいで、外皮は取り除き、内皮をこのように干します。こうして干しておけば、何年も保存できるそうです。
これだけあればかなりのものが作れます。

広い作業場で盛大に干したりするのかと思ったら、裏庭でちょこちょこっとやるのですね。植物布づくりは昔のアイヌでは職業的なものではなく誰もが家庭でやっていたということです。

オヒョウは今では少なくなり、入手しにくいそうです。山の奥深くに行かないとないとか。使うときには、木を買い取り、1本切り倒して皮を全部はぐそうです。そうすると切り株から萌芽更新するので心配ない。昔は樹皮の3分の1だけをはぐ、ということをしたが、今のやり方の法が合理的で木にもいいようだと言われました。

庭にも何本かオヒョウが植えられていますがまだ小さいのです。
オヒョウは直径15センチぐらいのものがいい。樹齢30年ぐらいで育つそうです。
意外に成長の早い木です。

岐阜県中津川市の恵那山の標高1200~1300mあたりにオヒョウがとってもたくさんあると言ったら、驚かれて、採りにいきたい、といわれました。

オヒョウはアイヌ語ではアツといい、これで織った着物をアツシというのです。
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合歓の木(ネムノキ)の花

2006-07-18 | 植物
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ニイニイゼミも鳴いています

2006-07-13 | めぐる季節と自然
本日阿木川湖畔の山間の温泉宿に仕事で行ったところ、ニイニイゼミが鳴いていました。ハスもダリアも花盛りです。
夜になると夏の虫も鳴き出しました。
これから霜が降りる頃まで、山里では絶えず自然の音が聞こえています。
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きれいな薪の積み方 2

2006-07-11 | 山里
今日は高校で前期最後の授業でした。
なんとなくみんな調子が出てきたかな、というころあいで終わり。
こちらもいろいろ勉強になります。

10日ほど前からネムノキの花が咲き出しました。
一昨年、ネムがとてもよく咲いて、昨年はもうひとつでしたが、今年はまずまずでしょうか。
ネムの花はどことなく熱帯を思わせます。きれいな花です。

山里の畑ではグラジオラスが花盛り。大型の花なので、都会の花壇ではあまり見られません。梅雨の後半を告げる花、これまた大好きです。

明日はふたたび調査。自分の電池が切れそうです……。
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環境教育プログラム会議と高校での講座・昨日の自然観察講座

2006-07-10 | 森林環境教育
午前は、ある企業さんが社会貢献で行おうとしている環境教育のプログラム検討会議。初めての会議でアイデア出しなどを行いました。
山里文化研究所が行うプログラムはここではすでに決まっているのでもっぱら聞き役。
大手の企業さんは、こういった社会貢献の環境教育を行うケースがよくあり、特に中部圏ではトヨタ系列の会社などもがんばっています。
昨年はデンソーさんがいろいろな環境教育の賞をとられ、うれしく思いました。

高校では、メタセコイアとコメツガの「種子のいれもの」(○○ぼっくり)を使い、ペイントして小物を作ってもらいました。
生徒たちは動物や顔を作るのが好きなようで、少々意外でした。明日も続きます。

その後、愛知県庁で「あいち環境学習推進協議会」のプログラムチーム会議。
昨年から継続していますが、終了後ほかの一人の委員さんと、昨年会議日当だけでたくさんのプログラムを執筆したことを思い出し、少々ため息をつきました。
でもこの会議にはそうそうたる実力者がこられているので、その方たちにお会いするのはいい勉強になります。特に今年はプログラムチームに水辺研究会のKさんが入ってくださったので、会議に行く楽しみが増えました。


昨日は、スタッフとして運営にたずさわっている夕立山森林塾の講座の一つ「夏の自然観察」を行いました。せんえつながら、講師もさせていただきました。
場所は恵那市の笠置山で、あまり知られていませんが、頂上付近はブナ、ミズナラ、ホオノキ、ヒノキの天然木などを主体とするブナ林です。
ヒカリゴケは2年前より増えてきれいでした。
午前と夕方、雨に降られ、帰りは道路に水が出ました。山で雨が降るとあなどれません。

夕立山森林塾の講座もこれで一区切り。肩の荷が下りたところです。
でもそれ以外の仕事が山積状態で、大変ですが事業主としては喜ばしいことです。
受託に追われて自主事業がなかなか進まないのがジレンマです。
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ひぐらしが鳴き始めました

2006-07-09 | めぐる季節と自然
カナカナカナと、隣の林で鳴きだしました。今年初めてです。
とはいっても、昨日の夜まで外出してましたから、ここ2、3日中のうちかもしれません。
ひぐらしの声には山の夏の朝夕を感じられ、大好きです。
この声を聞くと、山あいに暮らすことができて幸せだと、ひしひしと感じます。
なぜか幸せな気持ちになれます。

ひぐらしは夜明けの1時間前に鳴き出して日の出のころまで、そして日没のころまた鳴きます。
まるで交響曲の弦楽器のうねりのように鳴きます。

人の感覚は不思議なもので、ある人は、この声を「うるさい」と言っていて、驚いたことがあります。私にとっては涼しげなんですが。

最近は温暖化のせいか、中津川にも2年前からクマゼミがやってきました。
ひぐらしがクマゼミに侵略されてしまったらどうしよう、と不安です。
私にとってクマゼミは、第二のふるさとともいえる渥美半島の夏の音です。

子どもの頃は名古屋でもミンミンゼミをよく聞きましたが、中津川では比較的山深い里でしか聞きません。東京には多いようです。だから、ミンミンゼミがどういうところを好むのか、よくわかりません。ミンミンゼミもいい感じで好きです。

しばらくひぐらしの季節が続きます。
また、夏がやってきたのです。
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梅雨は明けるのでしょうか

2006-07-09 | なんとなく報告
毎日、明日こそは雨と天気予報を見て覚悟した1週間でしたが、水曜日以外は降られることなく、植生調査を続けました。
特に今日は、降水確率50%だったのに、朝からさんさんと晴れ。まるで梅雨が明けたかのよう。おかげで日陰のない場所での仕事で熱射病になるかと思いました。
帰ってきて週間予報を見ると、昨日の予報では来週1週間ずっと雨のはずが、真っ赤な予報になっています。
早々と梅雨明け?

明日も予報は雨50%を超えていますが、きっと降らないような気がします。
明日は恵那市の笠置山で自然観察の講座です。

今日の植生調査では、高茎のイネ科草本とお付き合いしてきました。
ヨシは葉が短く枝のように出るのですぐ分かりますが、ススキとオギとセイバンモロコシは普通の人には同じように見えてしまうかも。
でも見慣れると違いが分かります。ススキは葉が細く弧を描いて下向きになります。オギはススキより大型で、根元の毛が目立ちます。
セイバンモロコシは葉がより明るい色で、葉のふちで手を切ることがありません。

中津川では、ススキばかりで、オギは1カ所でしか見たことがありません。珍しいので高貴な草のように思っていましたが、地方によってはいくらでもあり、憧れもなくなりました。

セイバンモロコシも、中津川で1度見たのみで、それもいつしか消えてしまいました。暖かい地方の植物のようです。

これでマコモが入るとちょっと大変です。

明日は一転して標高1000mを越える笠置山で、ブナやヒトツバカエデをたくさん見ることになります。
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植生調査

2006-07-07 | 山里
調査地の県のレッドデータブックでは絶滅危惧ⅠA。でも、単にあまり見つかっていない(知られていない)というだけで、結構いっぱいあるんじゃないかという気がします。
そういうものって多いのでしょうね。

でもこの植物は、本数はたくさんあるのに、花がついているのは少ない。日当たりのよいところでも。

それにしても世の中には実にたくさんの植物があることに、今更ながら驚きます。太古の昔から、名前もなかったころから、いろんな花が思い思いに咲き乱れていたということは少々感動的です。

都会に行くと野生の植物の種類は確実に減ります。
植生がとっても単純です。
多種多様な花が咲き乱れる山里はとってもきれいです。

そういえばちょうどわが中津川ではヤマホタルブクロとヤマオダマキの季節。ササユリなども混じる梅雨の風景は、緑も薄い雨つぶにかすんで、やわらかな色調。私の好きな季節です。

山里の植物の多くは、あぜ道や空き地を刈り込むことによって花開きます。昔からあぜに多いのはチガヤなどイネ科の植物ですが、それらと一緒に刈られてしまっても、ちょうどいい具合に花をつけるものがあります。周りの丈の高い草を刈られることでその植物に陽が当たって生育するものがあります。たとえば、ウメバチソウなどは、草丈の低いものですから、草刈りをしないとほかの植物に覆われて絶えてしまいます。ササユリも同じです。また、その植物自体が刈り込まれることが好きなものがあります。たとえば、センブリやノコンギク。園芸のキクも芽がでてある程度のところで摘芽を繰り返して花をたくさんつけさせます(あまり園芸には詳しくないのですが)。ノコンギクも、刈り込まないところでは、ヒョロヒョロするだけで、あまりたくさんの花をつけないようです。

野山は放っておけば、丈の低い草からススキなどの丈の高い草、そして樹木へと、生育する植物が移り変わっていきます。
絶滅危惧種であろうと、花を咲き続けさせるためには、刈り込むことも必要です。
植物ははれものに触るように扱わなければならないほど弱いものではないと思います。


今日は今週で一番蒸し暑い日でした。
吊り下げ式の蚊取り線香を友にして一日中草の中を歩いています。
植物に触れる時間は至福です。
汗だく、くたくたになって、宿でお風呂に入ると本当に気持ちいい~。
あと1日です。
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