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日本電産永守社長には余裕とユーモアが足りない

 日本電産の社員は、このゴールデンウィークも、全員が休まず働いているのだろうか。だとすれば、お気の毒だし、仕事の能率も悪かろう。ずっとその調子で会社が潰れないなら、それこそたいしたものだ。

 永守重信日本電産社長が、23日に記者会見で「休みたければ辞めればいい」と発言したとされる問題が、ネットを中心に話題になった。この発言は「朝日新聞」の4月24日朝刊に出ているらしいのだが、版の違いか、私は上手く見つけられない。AsahiNetから引用すると、永守氏は「社員全員が休日返上で働く企業だから成長できるし給料も上がる。たっぷり休んで、結果的に会社が傾いて人員整理するのでは意味がない」と持論を展開したことになっている。
 「ことになっている」というのは、その後、日本電産は、ホームページで「弊社社長永守が『休みたいならやめればいい』と発言したかのような記事が掲載されましたが、そのような事実はなく、誠に遺憾に思っております」と発言自体を否定しているからだ。
 尚、このリリース文には「現に、社員の経済的処遇面に関しては、年々業界水準を上回る率で賃金水準を改善してきており、本年度も、平均賃上げ率は業界水準を大きく上回る6%にて実施することと併せ、年間休日も前年比2日増加させております。尚、休日については、来年度以降も段階的に増加させていく予定であります」と、「言い訳」と「自慢」を兼ねた説明が載っている。

 永守氏は、実際に、どう発言したのだろうか。
 想像するに、「「休みたいならやめればいい」――。」という部分が朝日新聞の記者の創作で(だとすると、いささかタチの悪い記事の書き方だが)、「社員全員が休日返上で働く企業だから成長できるし給料も上がる。たっぷり休んで、結果的に会社が傾いて人員整理するのでは意味がない」が、ほぼ永守氏の発言内容なのではなかろうか。断定はしないが、以下、大まかにそのような前提で考える。
 永守発言の報道に対して、26日のメーデー中央大会で、連合の高木会長が「まさに言語道断。労働基準法という法律があることを、また、労働基準法が雇用主に何を求めていると思っているのか、どのように認識されているのか。ぜひ問いただしてみないといけない、そんな怒りの思いを持って、この日本電産のニュースを聞いたところであります」 と憤りをあらわにした、と報じられており、同席していた舛添要一厚労相は「労働関係法令はきちんと遵守してもらわないといけない。きちんと調査し、指導すべきは指導し、法律にもとるものがあれば厳正に処分する」と述べたという。

 「社員全員が休日返上で働く企業だから成長できるし給料も上がる」という発言を考えてみよう。この部分は、朝日新聞の記者が100%創作したわけではなさそうだ。
 実感ベースで(したがって、ちょっといい加減に)考えると、これは、現実の描写としては、そう外れていないだろうと思う。特に小さな会社の場合、成長している会社では人手が足りないから社員は休日返上になりがちだろうし、成長しているので仕事が面白いから社員も働くことがそれほど苦痛でないし、結果として給料が上がる可能性が大きい。因果関係が逆になっているきらいはあるが(経営者という種族は非論理的な傾向があるから、驚くには当たらない)、「現実は、まあそうだろう」と思える点で、永守発言に大きな違和感はない。
 しかし、詳細に現実を見ると、成長中の多忙な企業であっても、社員はそれなりに休みを取っているはずだし、そうでなければ、能率も下がるし、ろくなアイデアも浮かばないだろうし、社員の健康問題などで不測のコストを負う可能性もある。日本電産の社員もハードワーカーなのだろうが、たぶん時々は休んでいるにちがいない。
 もちろん、発言を報道の「文字通り」に取ると、休んだら人員整理するぞと脅して、社員に休日を与えないように仕向けていることになるから、これは、労働基準法違反だろうし、倫理的にも拙いだろう。この辺りは、永守氏としては不用意だった。私は、永守氏を特に尊敬するわけでも応援するわけでもないが、厚生労働省と連合を含む労働組合は同じくらい大嫌いなので、高木連合会長や舛添厚労相のようなつまらない人々に揚げ足を取られるような発言をしたのは残念だ。
 それにしても、高木氏と舛添氏は、なぜ仲良く一緒にいたのか。これは、いかにも今の労働組合の「ぬるさ」を象徴する顔合わせだ。私が労働組合員なら、わざわざ集会に出掛けて、舛添氏の顔など見たくはない。

 それにしても、永守氏は、なぜ決算記者会見で、このような発言をしたのだろうか。この発言は、彼の意識の中で、誰に向けられたものなのだろうか。
 考えられるのは、自社の社員、世間、他社の経営者、の三つだ。
 自社の社員に対して、ということなら、人員整理をしない永守方式の恩を着せつつ、もっと働けと発破を掛けたというだろうが、これでは、社員はいい気持ちにならないだろうし、却って逆効果だ。「社員がハードに働いてくれることこそがうちの成長の原動力で、本当に誇りに思います。経営者の役割なんて微々たるものですよ」とでも言って置く方が格好がいいし、社員も喜んで働くだろう。
 世間に対してということなら、これは、こういうことを言う目的が分からない。経営者にとって、世間への説教は、一文の得にもならない(永守氏はそうでなさそうだが、一般に、社長が政治に関心を持つと、ろくなことがない)。それでは、社員が働くことの自慢なのか、人員整理をしないで来たことの自慢なのか。おそらくは、何か自慢したいのだろうが、偉そうで反感を買いかねない今回の物言いは、会社の商売にも個人の人気にも逆効果だろう。
 私は、永守発言の背景には、他社の経営者に向けた、あてつけないしは、自慢と自己主張があったのではないかと思うが、どうだろうか。社員を十分働かせることも出来ず、成長もせず、不況になると人員整理するような経営者よりも自分は優秀だ、と彼は言いたいのではないだろうか。永守氏も経営者という種族の一員だから、他の経営者に対する競争意識は直接見ると目が潰れるくらい強いだろうし、世間からもっともっと評価されたいと思っているのではないか。好業績の決算発表の会見でもあり、こうした意識があって不用意に自慢とも説教ともつかぬ事を言ったので、発言に隙が出来たのではないだろうか。
 彼はもっと余裕を持つべきだろう。社員のハードワークを自慢するなら「うちの社員は仕事が好きなのか、働きすぎて心配だ」とでも言えばいいし、ハードワークが成長の原動力という偉そうなことを述べたら、「あっ、でも、ライバル会社の皆さんには、あまり熱心に働いて欲しくないと思っています(笑)」とでも言って言葉の毒を中和しておくべきだったのではないだろうか。
 好業績の時の決算発表なのだから少し謙るくらいが丁度いいというバランス感覚と、ユーモアの一つも言うチャンスはないか、というくらいの余裕を持つと良かったのではないか。
 結局、永守氏の今回の発言は、彼の余裕の無さを印象づけるものだ。永守氏こそ、休みを取るべきなのではないか、というのが結論だ。
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コメント
 
 
 
下品だと思いました。 (animal)
2008-05-04 09:16:56
発言者の意図が結局わかりかねるのですが、取材した記者の創作にしても下品だなと思います。
創作した記者も同様ですが。
本音がどこにあるのかきちんと説明があればと思うのですがやらないんですかね。
 
 
 
ハードワーク (masaaki_kuwana)
2008-05-04 09:52:45
組織(会社およびその中の各部署も含めて)のトップとそれ以外の方、では向く方向が違います。

ですので、どのレベルであってもトップは孤独です。

新入社員と副社長の差と、副社長と社長の差、は副社長と社長の差の方がはるかに大きい、と聞いたことがあります。また事実その通りだと思うことが多々あります。ときとしてそれがトップは様々な意味で物足りなさを感じたり、歯がゆさを感じたりします。


しかし、トップであれば当然しかるべき状況であるともいえます。
トップでない人が完全にトップと同じ目線を持つ、というのは
現実問題難しいからです。
またそれをトップは理解しないといけません。


そういう意味から、発言者はやはり失言だったと考えるべきですし、部下はもっと頑張ろう、と思うべき、ですが、現実は難しいですよね・・・。
そういう会社に対するオーナーシップを持つ、というのはなかなか難しいですから・・・。

せめて、この発言により日本電産さんの優秀な社員の方のベクトルが会社のそれとずれてしまわないように願うのみですね・・・。
 
 
 
世間の反応 (ny)
2008-05-04 10:07:51
最近ヤフーニュースではニュースに対してコメントが書けるようになっているのですが、確かこちらのニュースのページには数千件の書き込みがありました。
ここまでコメント数の多いニュースは初めてだと思います。
いうまでもなくそのほとんどがこの馬鹿社長死ね的なものでした。

最近では昔よりも、サービス残業などを受け入れる余地が労働者側で減ったように思いますので、これだけ激烈な反応が出たのだと思われます。

日本電産の給料は四季報などを見るにかなり低いため、この社長は低賃金でこき使う方が儲かる、と単純な思考をしているのでしょう。
そういう社長の下で働く人たちでもちゃんと利益を出せるのか、とやや不思議な気もします。
通常ならばもっと高い給料のもらえる有能な人は転職するでしょうから、この会社の利益も人材市場の流動性が日本では極端に低いことに助けられているのだな、と思います。

個人個人が「簡単に仕事をやめると転職に不利だから我慢しよう」という自分に有利に行動している事が、人材市場全体で見た場合、余計に流動性を下げて転職がしずらくなっている、そして給料も下げている、という典型的な部分最適と全体不最適の問題が発生しています。

(日本は転職が盛んになればFA制度で球界の給料が上がったような事がおきると思うのですが、これは勘違いでしょうか?)

とりあえず日本電産の労働組合の意見も聞いてみたいものです。
そして朝日は記事を真っ向から否定されたのですから、これはジャーナリスト精神の正確性にもかかわる大変重大な問題でしょう。
録音テープなどは当然あるでしょうから、所長の発言を一字一句もらさず、ダイレクトにテープおこししたものを掲載するなりして反論すべきでしょう。

社長へのアドバイスは山崎さんの指摘したとおりですね。今回の決算発表に際して、何かしらフラットな精神でない部分が出てしまった、というのは非常に鋭いと思います。
 
 
 
余裕が無い (初心者投資家)
2008-05-04 10:35:06
私の勤める会社は低賃金な方だと思います。
しかし、残業手当は100%出ます。
そのためか、平均残業時間はかなりのものになります。
もちろん、仕事は忙しいのですが、誰も効率よく働こうとがんばっていないようです。
だから、働けばそれなりの収入になるのですが、
それが常態化すると何のために生きているのか分からなくなることもあります。
会社からの評価は「どのような仕事をしたか」ではなく、「どれだけの時間働いた」ですから。
ですから、日本電産の記事を読んだとき、どの経営者も従業員を単なる労働マシーンにしか考えていないのかなと感じました。
山崎さんのように考える余裕が私には無かったので、そのような見方もあるのだなと感じました。
 
 
 
事実に近いそうです (takashi)
2008-05-04 11:13:10
現在私が勤務する会社に、日本電産の子会社から中途入社された方がいらっしゃいます。日本電産お得意のM&Aによって「吸収された方の会社」にいらっしゃった方です。その方に聞いたのですが、

「死ぬまで働け。でも本当に死んだら困るからな。
 死ぬちょっと手前まで働け!」

という趣旨のことが、ごく当たり前のこととして言われているそうです。社長が直接ハッパをかけているわけではなく、いわゆる中間管理職の方々が、社長の思想を慮って(もしくは社長に直接指示されて?)のことのようです。

その方が言うには、
「今回の永守発言は、確証はないが、実際に社内で同じことが言われているのだから、そういう発言をした可能性は、十分に高い。」
とのことでした。
 
 
 
破産とどっちがいい? (鉄腕28号)
2008-05-04 12:51:53
私の会社は3月21日に破産し、4月20日には全員解雇となりました。まだ次の職が決まらない社員も多くいます。
社員は8:30-17:30時間を会社で時間つぶして帰る人が多く、営業マンも成績悪くても給与下がらず、成績良ければインセンティブが支払われてました。いわゆるサラリーマン社員にとっては楽でいい会社だったと思います。

私は管理職だったので残業つかなかったですが、自分はプロという気持ちで働いてましたので、24時間モードで必要があれば働いてました。
なので、永守発言はオーナー所有の中小企業経営者の発言として理解できます。
大企業は公器になっているので、今の規模の会社社長としては、当たり障りのない発言をすべきだったかもしれません。

ただ、競争の厳しいなか、社員を甘えさせて破産に至るのがいいのか、社員に厳しくして雇用を維持するのがいいのか、立場により評価は違うでしょう。

経営者や自営業の人はやはり24時間仕事のことを考えています。

甘い考えのサラリーマンが時間を切り売りして、レイバーとして働いてます。

嫌なら、自分で事業を起こして24時間働けばいいだけです。

自分で何も生まず権利だけ主張するのは社会主義者です。




 
 
 
Unknown (平ちゃん。)
2008-05-04 14:52:06
>社員全員が休日返上で働く企業だから成長できるし給料も上がる。

山崎さんも一部指摘の通り、私は、むしろ、自信をもってこう断言できる大企業の社長が日本にどれほど居るのか、との感想を持ちました。
現在の日本の「常識」では、ゼロサムであって、いくら働いても企業は成長しない、給料も上がらないが実感なのではないでしょうか?
先日のエントリーにもあった、製造業は儲からない、が世間の常識なのではないでしょうか?
現在はともかく将来の日本の製造業に成長戦略があるのかとの不安の中にいるのが多くの製造業の実情なのではないでしょうか?

それを考えれば、日本電産という大企業の社長が「成長できるし給料も上がる」と言い切った自信には驚き、この言葉の根拠があるものであるとすれば、ニュース的な価値はむしろこの点にあるのではないのかと感じていたのですが、、、、

 
 
 
Unknown (Unknown)
2008-05-04 18:27:33
>鉄腕28号さん
あなたが管理職なら、その暇をむさぼってる連中に自分の仕事を振り分けるのも仕事でしょう。
 
 
 
Unknown (方生)
2008-05-04 19:43:14
最後のオチはなかなかでした。
 
 
 
Unknown (山崎元)
2008-05-04 21:37:57
鉄腕28号さま

お勤め先の会社が倒産とのことですが、ご苦労お察し申し上げます。

私は、約10年前に山一證券が自主廃業したときに、同社に勤めていました。私自身は年俸契約でしたし、再就職が直ぐに決まったので、比較的気楽な立場だったのですが、それでも、会社が潰れるというのは嫌なものでした。

特に、潰れたと分かってから数日経ってから、社員が明日の目的もなく出社してくるような感じになった会社というのは、死んだ組織の腐臭が漂い始めるというか、実に嫌な感じのものでした。

就業時間中に、他部署の男の子と自分の部署の女の子が、ぺちゃくちゃ話をしていても、部長はこれを注意する権威も気力もない、というような状態になりました。

自主廃業発表後一ヶ月ほど経って、新日本証券の知人を訪ねました。暗くなりかけた夕方で、証券不況で給料が安いはずの人達でしたが、それでも新日本の社員達が一日の労働を終えて、楽しそうに帰っていく姿を見て、「会社というのは、潰してはいけないものだなあ、それにしても、なぜ、山一から先に、かくもアッサリと・・・」と割り切れない気分で、帰宅する人々を長々と眺めていたことを思い出します。

それでも、元山一社員は各所に散って、その後に成功して幸せそうな社員が多数居ます(残念ながら、そうでない人も居ますが)。

いろいろとご事情はおありでしょうが、鉄腕28号さんの今後のご多幸をお祈り申し上げます。
 
 
 
Unknown (ヲキユ)
2008-05-05 05:17:56
世間の反応(ry)さんに概ね賛同いたします。

山崎さんの置かれている状況下(個人スキルが高く、人材の流動性も確保されている状態)とは異なる、または自分の市場価値そのものに自身がもてない方々は、ryさんのご発言どおりの合成の誤謬に陥っており、それは個々人の問題というより政治・行政の行動に起因する問題で、日本の内需拡大ひいては成長戦略ひいては社会学的幸福論に通じるものがあるように思います。

永守氏の発言は「流動性の低い現状の労働市場を濫用する経営スタイル」そのものを世間に自ら明らかに下に過ぎず、結果もたらされる期待リターンは山崎様が暗示されているとおりでしょう。

唐突ですが、すべては「広義の教育」に通ずることを痛感して10数年です。
 
 
 
Unknown (CO2)
2008-05-05 06:19:07
会社を潰してはいかんですが(と言っても、日々潰れていきますが)、個人も潰してもいかんです。(と言っても、やはり日々潰れていきますが)ハイ。経営者にもっとも必要なのはバランス感覚です。個人の信念とは所詮本人の思い込みで、それに基づいてなんでもアリになると、結局、企業も人も国家も全て潰れますです。
 
 
 
本音の警告? (ラリックマ)
2008-05-05 11:52:26
発言の本当の趣旨は知りませんが、過剰な権利意識が、会社を崩壊に導き、N氏が、そうなりかけた会社を再建されてきたことを思えば、この発言を、労働者を搾取しようという経営者の発言として否定的に捉えるのではなく、会社やそこで働く人々が立ち直るための本音の警告であると考えたいと思った感じです。。。
 
 
 
ごもっともですが (Unknown)
2008-05-05 14:21:43
真相はどうあれ、確かに大企業の社長としては今回のような発言があったならうかつな発言かと思います。

ただ、この社長は低迷する日本経済の中に赤字会社を次々と立て直し、一代で年間売上7000億を超える大企業を作り上げた人物でもあります。
そういった人物の一面をとりあげ一時の感情だけで世論で潰してしまえば結局損をするのは日本経済でありそこに生きる我々です。

政治も社会も全体で評価せず一部分の上げ足を取りこき下ろす風潮がありますがそれでは停滞するばかりで本質が見えません。

昔はよくいた叱る時は体罰も辞さなかった熱血教師も
現在では人権の声のもと、生徒たちになにもできない教師に変わってしまったとも聞きます。

問題のない人間が最高のパフォーマンスを上げるとは限りません。

現在の政治も迷走し経済も停滞している日本に必要なのは多少瑕疵があれどものすごいパワー持った人物ではないでしょうか?

サービス残業もなく社員は自由に休みも取れ、給与も申し分ない、それでいて毎年数十パーセントの高成長をする企業を作れるのならぜひ誰か作っていただきたい。

それができるならこの社長のような方はいらないでしょう。

尊敬する山崎先生には世論に乗った表面的な意見ではなくあえて深い視点で反論していただきたかった。
 
 
 
Unknown (索漠)
2008-05-05 15:28:31
永守は相変わらず ってだけのことではないでしょうか。
 
 
 
「立派な経営者」と「いい人」 (山崎元)
2008-05-05 16:16:59
少なくとも実績から見る限り、永守氏は立派な経営者なのだろうと思います。

ただ、立派な経営者がいい人であるかどうかはまた別問題です。株式投資的にいうと、「ビジョンの明確な人柄のいいナイスな社長」よりも、「猜疑心が強くて独善的な嫌な感じの社長」の方が、会社を潰さずに成長させる、「いい経営者」であることは、しばしばあります。

とはいえ、経営者も社会人ですし、会社は世間に向かって商売をしているので、逆効果になるようなメッセージは発しない方がいい。そういう意味では、やっぱり、永守氏は不用意だったのでしょうし、こう取られるような発言をしないためには、ときたま休みを取って、機嫌のいい、余裕のある人物として世間に登場するといいということではないでしょうか。

深みのない視点で恐縮ですが、私は永守氏を、持ち上げているわけでもありませんし、強く批判しているわけでもありません。
 
 
 
5月4日18:27のUnknownさんへ (鉄腕28号)
2008-05-06 03:41:03
匿名さえも名乗れないUnknownさんは、企業で働いた経験がないのではと思いました。フリーター?

企業はそれぞれの専門に別れて仕事をしており、役所と違って、はい、今日から、この仕事をしてくださいと言ってもできないプロフェッショナルな仕事をしているのです。

私の仕事は、残念ながら最低でも数年の経験と知識のいる業務だったので、暇している人たちが急にできるわけがありません。ま、できたら暇してないでしょうが。

会社は2:6:2で社員が構成されているという話があります。上2割は給与以上の仕事をしている人、6割は給与並みの仕事、2割は給与以下の仕事をしてぶら下がっている人です。
経験則として、下2割をリストラしても、暫くするとこの割合に組織が戻ってしまうそうです。
神様は世の中に急激な変化をもたらさないように現状維持の人をコアに先進的な人と足を引っ張る人を2割づつ配置しているような気がしています。


山崎様

当社でも山一と同じような状況が展開されましたよ。

おそらく、昭和20年8月15日の日本もおなじだったと思います。これまでの規律がなくなるのと、管理のための管理をしてたような人の居場所がなくなりました。
つまり、皆が、このおっさんは他人に命令しかできないのに本部長になってたのだと急に理解をし、その人を見る目が厳しくなってくるのです。
人数も減ってくると、命令ばかりしてないで自分でやったらどうなんだと皆が思い始めるわけです。
私の場合は、かわいそうに思って最後まで命令を聞いてあげました。しかし、命令聞かなくても明日のない会社では自分にはなんらデメリットもないんですね。
こうして、これまでの規律がガラガラと崩れていくのです。
やはり、会社がつぶれるときは個人の力量が端的に表面にでるものだなと感心しておりました。

プロフェッショナルな人々は自分がこれからすることもわかっているので、あまり、態度に変化はありませんでしたよ。
 
 
 
Unknown (CO2)
2008-05-06 14:54:44
>鉄腕28号様

>企業はそれぞれの専門に別れて仕事をしており、役所と違って、はい、今日から、この仕事をしてくださいと言ってもできないプロフェッショナルな仕事をしているのです。

本論と外れて恐縮なのですが、企業と役所に、それほどの差異があるのでしょうか? ご意見をお聞かせください。私の知っている限り、役所には管理のための管理しかしていない人もいましたが、休日返上で仕事のための仕事を行っている方もいました。企業もやはり同様な感じがいたします。「プロフェッショナルな仕事」についてもかなり疑問です。昨今の大企業は「プロフェッショナルな仕事」を外注してしまう場合も多いと思います。また、合理的な企業は、仕事を分析・分解・単純化してきますので、代替不能な部分が減ってきていると思います。
 
 
 
長時間労働という名の媚薬 (kaz)
2008-05-07 02:12:31
元人事マンとしてはこの会社の評価基準が気になります。

長時間労働を美徳化しているとすれば仕事の定量化&マネージメントに問題ありとみます。

トップのこのような発言が活字化されたのは迂闊すぎます。

>「死ぬまで働け。でも本当に死んだら困るからな。死ぬちょっと手前まで働け!」

中間管理職に不必要な勇気を与え、社員は社畜と不満分子に分類されていく要因になります。

「休みも取らせず、社員がつぶれてしまったら元も子もない」

が、マスコミをうまく使って、「嘘」でも活字化させるべきだったのではないでしょうか。
 
 
 
Unknown (CO2)
2008-05-07 09:17:58
でも、ひょっとしたら、歯に絹を着せないホンネという意味で、こういう発言があってもいいのかもしれない。「うちは不要な残業はさせないんです」と言いつつデスクの電気スタンドだけでサービス残業を「自主的」にさせている会社よりましなのかもしれない。
 
 
 
Unknown (山崎元)
2008-05-07 09:48:32
CO2さま

確かに、発言ではボロを出さずに、影でズルいことを着々とやっている経営者よりも、永守氏はいいかも知れませんね。

ただ、ホンネの言い方にも、人柄とか、ビジネスマンとしての能力とかが表れますね。
 
 
 
経営者という種族 (年金生活者)
2008-05-07 11:06:39
初めて投稿させていただきます。
もう15年以上前かもしれませんが、永守社長のお話を聞いたことがあり、TEACのモーター設計を脱サラして、会社を起こし、創業時のご苦労や、同業老舗会社と競合し、20年で東証1部に上場したことなどを話されたと記憶しております。当時、私自身もいろいろ個性的な中小企業者とのお付き合いもあり、やはり、創業者、タタキ上げの経営者に特有の個性や、クセ、面白さなどを感じて記憶に残っていたところ、今回あったらしい永守発言に対する、これまた山崎様らしいご批評を伺い、大変面白いと思いました。また、いろいろな観点からの興味深いコメントも寄せられました。
私自身は、永守社長とはほぼ同世代であり、敗戦後日本社会の記憶もかすかにある完全な「ゆとり教育」前世代ですが、氏の話の中に、ホンネの中にも幾許かのユーモアも感じたように記憶しております。しかし、今回の山崎様のコメントで、これはある種のトラウマのようなものがあるのかなとも思った次第です。
現在は、平凡な地方在住の年金生活者ですが、周囲の情況を見ても、今回の投稿にもある悲惨な倒産やリストラ会社の従業員の情況を聞いても、雇用機会を創出し、株主からも評価され、高額納税義務も果たしている思われる永守氏のような「経営者という種族」のサービス水準を高く評価したい気分です。
当ブログの読者は、ファイナンス系、エコノミスト系、欧米教養派系、文系インテリ系が多いと思われ、製造業への評価はあまり高くなさそうなのが気になりましたが、私の想像では、もっとフツーの一般の人は、経済、企業、実業家の最重要機能は雇用の創出力であり、生活の糧(安定)を提供してくれるという意味で、もっとも頼りにしている存在だと思います。また、そういう幅広い人たちの能力を引き出し、モチベーションも上げられるような人間性がないと、業種を問わず、多くの実業の世界では通用しないのではないでしょうか。
妙に農耕民族俗説や、汗水たらし論、精神論を好む経営者、評論家は論外ですが、時代遅れの業種区分に意味は無く、要は、経営力、マーケティング力、技術力、システム力、発想力、人間力、等々何でもいい訳ですが、その組合せで、いかに創造的でユニークなサービスを提供するかということが大切であり、そのような能力に優れている人が、優秀な企業家、経営者になるのだと思います。あれかこれかの発想ではダメだと思います。
それにつけても、エントリーの脇役でもある、想像力豊かな朝日記者は、社会正義を装って劣情を煽る、クライ記者だと思います。また、変なお祭りの席で、「法律違反があれば取り締まる」などと、三文時代劇のお代官並のおざなりな発言をしている厚労大臣や連合委員長も、懲りない面々だと思います。
偽装管理職(ホワイトカラー・エグゼンプションの日本語訳?)、派遣労働、中高年失業、ワーキングプア、サービス残業、女性・中小零細企業雇用条件・環境、外国人労働者、等々は、GHQから押し付けられた「労働法」以前の問題として、昔から潜在した日本の社会問題という性格を持っていると思います。官庁も、組合も、学者も、企業も、政治家も、抜本的解決を図れないまま(トラウマを残したまま)、日本経済は新しい次元に入ってしまったとも言いうるのではないでしょうか。
 
 
 
年金生活者さんに賛成 (よさぼうず)
2008-05-10 02:31:27
朝日新聞はゾルゲ以来、いつもインチキ記事を書くのが仕事ですので、賢明であってほしい国立大学出の山崎さんにはこの程度の分別をもって頂きたい。
さて、永守社長し本音をいったのだと思う。なにしろ一日中、毎日、仕事のことばかり考えているモーレツ社長である。以前カルロスゴーンが7時半~10時過ぎまで働くといわれていたが、それを今でも凌駕する60代の現役社長である。
現場を知らない山崎さんに勉強してもらいたいのは、あなたのいうように休みをとったら、永守社長は現在進行形のフル回転している状態が休暇を入れることによりフル回転が継続できなくなってしまう。即ち山崎流の休みを取る状態では瀕死に近い製造業を復活させることなど出来なくなってしまう。永守社長はフル回転でいることにより、多数の倒産会社を建て直し続けているのである。またフル回転している永守社長を倒産会社り従業員は見ているので、休日出勤も厭わずについていくのであり、それが結局のところ会社再生に結びついているし、従業員もその家族も路頭に迷わなくて済んでいるのである。また従業員としても自分達が永守社長に見習ってがんばったからこそ倒産せずに暮らしているという実感はなにものにも代えがたい感動を従業員に与えている。そして給料も貰えている。確かに再生企業はずっと景気がいいかと言われればそんなに続くこともないが、どうにかやっているのが現状である。こんな素晴らしい経営者は他にいるだろうか。大木は陰も大きいのは自明の理である。山算さんもっと勉強して。過去の話だが以前厚生労働省は役人の特権の時間休暇を法規化しようとしたことを記憶していられるだろうか。舛添さんも高木さんに迎合しただけと思われるが、かれ舛添さんこそ、暇人の集団たる役人の胴元なのだから、発言に注意してほしい。倒産企業は再生しないでいい、その従業員は生活保護を受ければいい、そして企業や従業員から税金をかすめとって生きている公務員の給料もなくしていいというなら、舛添さんは発言どおり行動してもいいがその前に役人の首を多数切る必要がある。国家予算は企業や労働者が稼いでいるものだということを山崎さんを始めとして、再度確認し尊重してもらいたい。
 
 
 
人は皆基盤が違えば見え方も違う。 (鉄腕28号)
2008-05-10 14:41:08
コメント投稿者も含めいろいろな職種の人による考えの違いがよくでていると感心します。

中小メーカーや零細企業など「実業」に従事している人にとり、毎日が死活問題であり、休みがどうのなどという暇はないのが現実です。

一方、大企業、評論家、金融業、役人、教員、宗教、政治家などの職業の方は、だまっていてもお金は振り込まれるので暇がありすぎてどうでもよいようなことで議論して楽しんでいる。

後者の方は、大概の場合、幸福な人生を送っているので、零細企業の働き方など考えたこともないし、大日本帝国臣民は皆、自分と同じように楽して働いてると思っている。友人も似た境遇の人たちばかりだし・・・

現に、破産した会社員である私に、「で、退職金はいくらでるの?」とマジで聞いてきた大企業社員の方がおりました。賞与もでたことがないのにあるわけがありません。


これが、世にいう二極化か・・・。

バーチャル労働者の大阪府職員の労組委員長もTVで、給与がかつかつだの赤字でもよいとか言ってました。
しかし、過去10年間に民間が行った人員カット、給与カット、賞与カットの現実をちょっと見れば、如何に役所のそれが手ぬるいものかは一目瞭然である。

皆、自分の蛸壺から世の中を見ているということをよく認識していただき、視野を広げる努力をしていただきたいものです。

 
 
 
言葉と業績は基本的に別問題 (山崎元)
2008-05-10 15:22:43
発言の主が永守氏であってもなくても、発言内容の適否が発言した本人の業績の良し悪しで変わるわけではありません(イメージは変わるとしても)。同様に、いかに不適切な発言をしようと、その発言で過去の業績の価値が全くなくなる訳でもありません。

永守発言はまず両者を別々に考えて評価すればいいし、その上で、永守氏の人物論まで踏み込むなら、一般的説得性のある議論をすればいいでしょう。

また、直接の経験や近くでの見聞をしていないことは評することができない、とする立場は、コミュニケーションにとって建設的ではありません。敢えて言うと、言うだけ無駄で虚しい。

経験を持っている人は、自分の経験を他人に分かるように伝えればいいだけであり、経験の差に逃げ込んでも(←経験していないあなたには分からない、という種類の言い草を指します。これは、自分の伝達力の敗北です)なにもいいことはありません。

ブログのような場では、お互いの経験や背景のちがいを楽しみ、参考に出来るか、それらの中ならどのような考えを新たに与えたり、得たりすることが出来るかが、あるとすれば、参加の意味になるのではないでしょうか。
 
 
 
仕事するのは何のため? (チャム)
2008-05-10 22:50:36
私は外資系企業に転職して1年ちょっとになります。 仕事は前職に比べて断然厳しく、責任範囲も広いです。 ただ、年収は上がりました。 私が仕事をする理由は生活するためです。(生活水準は私の基準ですが・・・) 仕事は好きではありません。でもつまらない仕事はしたくないというわがままさんです。

今の会社は環境も人間も全然違い最初は戸惑いましたが、今となれば普通に感じれるくらいになりました。 シンプルです。 能力があればステップアップできるし、年収も上げれる、グローバルな仕事をするチャンスもある・・・ でも人によって感じ方が違いますが、嫌な事は我慢しないといけません。 今回の社長の発言、日頃の態度、考え方は、私からすれば、「嫌なこと」の一つです。 何か守らなくてはいけない物があるのであれば、我慢する!我慢できないのであれば辞める、自営業で頑張る! 自分の人生でプラスになるように考え、行動すればそれでOKだと思います。
 
 
 
Unknown (山崎元)
2008-05-11 00:14:19
チャムさま

コメントありがとうございます。仰ることは、ごもっともだと思います。

外資的な感覚からすると、休んだって、休まなくたって、クビの時はクビだし、稼ぐとボーナス一杯なので、永守発言は、良い・悪い、ではなくて、言うだけの意味のないツマラナイ(加えて、少々偉そうで印象の悪い)発言ということになりますね。
 
 
 
Unknown (達比修)
2008-05-11 22:51:08
 結局のところ、「休まない...」云々は目的でなくて、結果なのだろうと思います。
 製造業で会社の業績が悪くなっていくのは、社員がぐうたらでというのは問題外ですが、実際には市場のニーズ等に着いていけなくなったか、流れを読み誤ったかが主因ではないかと考えます。
 そこで、経営者が変わったりして、新たな方向付けで先に灯りが見えるなら、ハードワークも厭わずに働くでしょうが、やはり「ハードワーク」は目的ではないでしょう。休み無しで働こうが、その会社が大企業であろうが、傾くときは傾くでしょう。世の中の技術の流れで一瞬にして、会社内のある部署が消滅するなんてこともある話です。たとえその部署がある時点まで休み無しでフル回転していたとしても。
 ということで、山崎様のおっしゃるとおり、永守氏の発言は、「何を今さら...」的なのだと思います。自慢するなら、もっと別のことでしょう。
 
 
 
 
Unknown (CO2)
2008-05-14 16:35:54
>達比修様

お説ごもっともだと思います。
経営者は孤独ですから、なるほど、自分の発した言葉にすがりたいということかもしれません。
 
 
 
記事は捏造 (日本電産グループ)
2008-05-22 19:28:08
私は日本電産のグループ会社にこの春から転職致しました
永守会長には発言の直後にお会いする機会がありましたが、朝日新聞の記者の捏造だとおっしゃってました
記事は、会長のユーモアある発言を良いように改竄し、発言を繋げて記事にしたものです
その証拠にその場にいた他の一般紙、経済紙の各記者は同様の記事を書きましたか?
発表された記事が事実であれば、全紙が一斉に当日にバッシングするのでは無いでしょうか?
確かに、ハードワーキングはNIDECグループの業務標語の1つです
しかし、記者や本ブログの筆者が述べられてるような事は全くありません!
実際に我がNIDECグループ各社を取材し、永守会長にお会いし、会長の本を読んでみたらいいです
ご自分の無知と不徳を恥じる事になるのでは無いでしょうか?
あまりに酷い机上の評論ぶりに呆れたので書き込みました
 
 
 
捏造記者とブログ筆者の論旨は全く違う (年金生活者)
2008-05-24 15:14:10
「日本電産グループ」様

私は地方在住の一年金生活者として、特に地方に、雇用機会を創出できる有能な経営者が沢山出て欲しいと切に願っております。また、首都や、大都市ばかりが金満で、地方は貧しい、ただの低賃金労働の供給源と姥捨て山であるような先進国は見当たらないように思います。良くも悪しくも、その国の民度は、地方のほうでこそ良く図れるではないでしょうか?(因みに、私は「民主党グループ」関係者ではありません・・・笑)
そういう意味において、一介のサラリーマン技術者から起業し、東芝、日立、新日鉄(三協精機)等々の錚々たる老舗企業との競合に打ち克ち、それを買収して敵に塩を送り、再生し、雇用を確保し、時価総額を上げ、税金も納めている、永守社長の実績と日本産業・経済への波及効果を高く評価したいと思います。
また、かつての「日本的経営」の最良の部分は、株式持合いや”リストラ”などで自ら帳消し、保守化してしまったトップ経営層(元祖「日本的経営者」)よりも、直属上司・部下、同僚等で構成される、おせっかいな中にも人間臭い、あの小コミュニティーにあったのではないか、と思えるようになりました。確かに、そのような”雰囲気”の中で、寝食を忘れて仕事仕事の日々があり、そのような中で仕事も覚え、人間関係も出来、生活も安定していった時代があったように思います。もちろん時代性も、体験の個別性もあり、”外資系”などはあまりなかった時代のことですが・・・。”ユーモア”も”余裕”の産物よりは“ペーソス”、仲間と赤提灯で歌ったのも演歌、怨歌、艶歌、・・・でした・・・(笑)。
私も、一度、お話(“永守節”)を聞いたことがある以外は、永守社長を良くは知らない一人であり、著書も読んだことはありませんが、勝手に想像すれば、無名企業の人材難時代に、一流技術者・経営者(?)をかかえる一流企業に、柔よく剛を制する如く打ち克ってきたご苦労から、人間、社員、考え方、情熱、モラール、等々あまり“論理的”には処理しできない部分への発言が多いのではないでしょうか。しかし、いい意味での「日本的経営」を継承しながらも、そこに安住せず、ましては株式持合いなどはせず、M&A等で、資本・金融の”論理”もこなしながら実績を上げている点、旧型経営陣とはまた別な評価ができる経営者のような気がします。もちろん、クリエイティブであれば、いろいろなタイプの経営者がいたほうがいいでしょう。
しかし、「日本電産グループ」様の書き込みの、
<記者や本ブログの筆者が述べられてるような事は全くありません!・・・あまりに酷い机上の評論ぶりに呆れたので書き込みました>
の部分は、賛成しかねます。<本ブログの筆者>が、山崎氏を指すとすれば、私にはそのようには読めませんでした。
(朝日記者の「捏造記事」によって)
<永守重信日本電産社長が、23日に記者会見で「休みたければ辞めればいい」と発言したとされる問題が、ネットを中心に話題になった>
ことを前提として、前段で、朝日記者の捏造記事や、高木、枡添氏の批判を退けて、山崎氏は永守社長を救出しています。
その前提で、後段に、”永守発言”が上げ足をとられた原因を推定して、それに“ツッコミ”を入れていることは事実ですが、捏造記事が媒介したとはいえ、新聞、ネット上の話題となってしまっている以上、ツッコマれても仕方がない面があると思います。私の感覚では、永守社長ご自身は、捏造記事や無責任な批判には腹を立てても、山崎ツッコミぐらいは理解して苦笑するくらいの度量はお持ちだと推定しますが如何でしょうか。
私自身は、ネット世界の話を聞くことはあっても、自分では殆ど見ませんが、オリンピック聖火をめぐる中国人のネット・ナショナリズムには気持ち悪いものを感じました。そのような社会が、World-wideで成立してしまっているのですね・・・。
日本電産グループでの御開運をお祈りします。
 
 
 
Unknown (CO2)
2008-05-25 07:56:27
重要なのは、経営者は神ではないという、当たり前の認識なんだと思います。いわゆる経営の神様なんぞいない。所詮人間ですから、認識と手腕には限界があり、言説及び行動には矛盾と誤りがあって当然だと思います。

>年金生活者様

>首都や、大都市ばかりが金満で、地方は貧しい、ただの低賃金労働の供給源と姥捨て山であるような先進国は見当たらないように思います。

これに該当する先進国は山とあるのではないでしょうか・・・。だいたい資本主義の成長過程では必ずやこの道を通りますし。そして今や低賃金労働者をもとめて、地方を飛び越して第三国へ触手をのばしているのがグローバル経済の現実なのですから。
他国の低賃金に対抗するのは自国のハードワーク・・・笑えない。
 
 
 
経営者は神ではない、と思いつつ (mistral)
2008-05-26 20:06:46
発言については、アカイアカイアサ●アサ●新聞の捏造かもなあ、と思います。
ただし、私自身はア●ヒ新聞の二軍、じゃなかった朝●ウォッチャーである参詣さんの捏造に遭遇した当事者という体験があり、結局どっちもどんどこ中学生男レベルに記事作っているので、どっちも一緒なのだ、と思っています。(参詣さんの若い方は待遇のいい大朝●に転職するのが夢、と聞きましたが、あのアサ●の監視ぶりは、転職へのメッセージなのでしょうか。)

先日、某IT企業に勤める大学時代の先輩と飲みましたが、「オーナー社長とは、自分の想像の域を超える存在である」という点で考えが一致しました。
その女性オーナーさんの武勇伝としては、こんなん聞きました。
車で移動中にタバコが切れたところ、運転手に車を停車させ、反対車線の通行人に「そこのあなた、タバコ買ってきなさい」と命じ、赤の他人の通行人は言われるがまま買ってきた。
「同じ言葉でも、通用の仕方が普通の人と違う」と言うてました。
日本電産グループの社長さんも、もしかしたらそういう「言霊」をお持ちの方なのかもなあ、なんて思いました。(これはこれで、立派な悪口にとれますけどね)

最後に。私の前職の上司は、口では「残業しなくていいんだよ。早く帰って健康に気をつけてね」と言葉だけは実に立派でした。しかし、彼の無意味に細かい仕切りで、毎日深夜残業と休日出勤の繰り返しでした。
永井豪氏のマンガで、「ゴメン」と謝りながらヒドイ暴力を振るう悪役がいましたが、そんな元上司よりは日本電産の社長の方がまだ偽悪的なだけマシかな、と思います。(これはこれで立派な批判になるから、グループさんはご立腹ですかね。)
トヨタグループでは、読み書きを徹底するとかで、やっぱ世界のトヨタだと聞きました。

日本電産グループ、がんば。ですね。
 
 
 
次の10年をみて出来ているか (kind)
2008-05-29 21:24:41
「長く働くこと」と「効率を求めていく」こと。
つい最近までは前者が持ち上げられ、今は後者が持ち上げられる。常に時代にあった柔軟な対応が経営者には求められると思う。舵のきりどころを間違えた時会社は傾く。誰もついてこない。
自分の固定観念がどこまで続くかいつ歪みがくるかいつ舵を切らざるを得ないか日本電産を見守りたい。
 
 
 
Unknown (ひねくれもの)
2008-05-31 20:20:21
正直、生産性を上げる基本は、賃金を抑えて長時間働くことです。これは、現実が立証しています。「効率化」は機械化が可能なものに限ります。結局、アメリカ人のホワイトカラーも憑き物がついたように長時間労働しているではありませんか。お上品な物言いかどうかは別にして、この社長は正直者だと思います。正直は宝なり。
 
 
 
日本電産 (よし)
2008-06-19 01:29:48
私は、以前、日本電産の子会社にいましたが、基本的に、日本電産の業績は、社員の長時間労働に支えられています。所詮は製造業なので、長時間労働・低賃金は業績を上げます。
今回の発言は、年齢が限界に近づいている永守さんの余裕のなさでしょう。山崎さんの発言は当たっています。
基本的に、日本電産のポリシーは、
長時間労働、5S(徹底した整理で無駄を省く)、低賃金ですね。(ちなみに文房具代も従業員もちです)
人員は、使い捨てなので、常に違う人が働いています。
問題点としては、ワンマン経営の後をつなぐ人材、企業風土がない点ですね。次男は他社にいましたが、仕事が出来ず、日本電産の子会社に入りました。仕事ができる人は、ほとんど、永守さんと合わず、やめてしまっているので、これから10年後以降、どうなるかが、キーポイントですね。私見では、松下、ソニーのような企業になる気はしていません。おそらくグループがどんどん分裂し、現在の買収する立場から買収される立場になる気がします。
 
 
 
NIDEC (えつこ)
2008-07-22 20:06:22
部署によって異なりますが、基本的に他社に比べて長時間労働です。特に、営業、開発は大変になる傾向が強いです。
本社長発言は、休みたくても辞めずに頑張ってる社員に対して失礼です。社長は確かに良く働いてますが、その分たっぷりと給料を取ってます(2億+株の配当等々)。日本電産とは別にエスエヌ興産という投資会社も作ってます。まあ、年間10億くらいは稼いでいるんじゃないでしょうか。(もう1桁多いかもしれない。。)
日本電産のポリシーは、5Sではなく、3Q6Sです。低賃金は、確かです。文房具体は、日本電産本体なら、うまくすれば、会社の費用で買えます。
 
 
 
できた人はもう結構 (覚醒Ⅲ)
2008-07-22 22:18:26
店主のコメントの前提条件に、人柄の良い人が従業員をくすぐれば従業員は喜んで働き、結果業績も良くなるということがあるように思う。(日本人は、儒教の人徳主義にはまっているようの思う。)

>社員がハードに働いてくれることこそがうちの成長の原動力で、本当に誇りに思います。経営者の役割なんて微々たるものですよ<と言うような類の言葉を「良い発言」とされているのも、その前提なら分る。

私の実体験だが、「できた人」より「できる人」の方の言うことを聞いたし、良く働いた。決して叱られるからではなく、自分の汗が成果に結びつくのだから、人柄なんて2の次の話である。「できる人」は、優しいが結局皆の顔色を伺うだけで、汗はただ流れるだけのむなしいものだった。

今の世の中、「沈香も焚かず、屁もひらず」的な無難を求めすぎる。そんなできた人に、日本の賃金の高さを維持できるような高付加価値の仕事を生み出せるはずがない。

無難に過ごす、できた人はもう結構。現役時代は、人徳などなくても、リタイアしてからの好々爺になれば十分です。

えつこさん。低賃金の長時間労働でも働きたい人は一杯いるのだから、代ってあげたらどうなの。自分の仕事に胸張れないで勤めるって、体にも悪いのちゃう。
 
 
 
Unknown (山崎元)
2008-07-23 00:29:57
「できる」の定義・内容が問題ですが、個人として有能なだけの上司には、部下がついていきませんね。

永守さんとは一緒に働いたことがないので正確なことは分かりませんが、<よし>さんの観察は当たっているのではないか、と思えます。

個人として良くできる方の人ではあっても、後継者たり得るいい部下を何人も育てられるような人物ではないのかも知れないと(人には得手不得手があるので仕方がありませんが)、今回の発言からは(世間への影響を考えると、やはり、余裕のない下手な発言ではありました)、そう思いました。

えつこさんが、誰かに「代わってあげる」のは、他に選択肢があれば悪い話ではないように思えますが、もちろん、次の予定もなく辞表を出すのは無謀(というよりも「阿呆」に近い)でしょう。
 
 
 
Unknown (覚醒Ⅲ)
2008-07-23 10:24:00
永守さんが、2億の報酬を得ているのは、ハードに働いているからでしょうか。

>社長は確かに良く働いてますが、その分たっぷりと給料を取ってます(2億+株の配当等々)。日本電産とは別にエスエヌ興産という投資会社も作ってます。まあ、年間10億くらいは稼いでいるんじゃないでしょうか。(もう1桁多いかもしれない。。)<

とえつこさんはお書きですが、不採算部門を買収して、解雇をせずに事業を拡大する「働き」に対する報酬と解釈すべきです。

株の配当は、無一文になって路頭に迷うかも知れないリスクをとって、日本電産という世界に販売する会社を起業したことへの報酬であって、もし嫉妬されるのでしたら、ご自分がそれだけのリスクテイクをするかどうかを胸に聞かれるのが第一ではないでしょうか。

いま日本に必要なのは、永守氏のようなリスクテイクをして、世界に通用する商品やサービスを販売する起業を起こす人達で、このような人がいないと、どんな優秀な国民であってもその能力を生かして豊かな生活を続けられることはありえません。

できた人の基準で失言を叩いて、できる人を貶めるような風潮が強いこの国の現在は、自分で自分の首を絞める結果となるのではないでしょうか。
 
 
 
神輿にぶら下がる奴 (覚醒Ⅲ)
2008-07-29 23:26:05
東京オリンピックの時に、小学生低学年だったとか。

その頃は、もう働いていましたね。まあ、質は別にして、経験年数だけは店主に勝ってます。

>「できる」の定義・内容が問題ですが、個人として有能なだけの上司には、部下がついていきませんね。<

私の見てきた経験で言っているのだから、普遍性がどこまであるか分らないが、かなりの範囲で事実です。金融界とは異なるものづくり分野ですから、違っているのかも知れませんが。

人がついて行くのは、仕事に対する熱意、少ない我欲、そしてそれらがもたらす読みの正解率の高さです。

仕事のできる人は、人格的な欠点が例えあっても、我欲は抑制されています。我欲が強いと、時代や時局が読めないのですね。そして、仕事に対する情熱が強烈です。我欲が抑制され、情熱が強いですから、責任回避を小汚くやらないですね。

無難に過ごす「できた人」は、結局神輿を担がないでぶら下がってるのでしょう。
 
 
 
Unknown (通行人)
2008-09-23 21:49:14
URLにあるブログにリンクがある
日本電産のWebにある
社長自身の筆になる経営哲学を読んでみてください。
朝日新聞の記事は事実だということは、それを読めば
わかるでしょう。
強制的にサービス残業させますと堂々と公表されている方です。
「休みたければ、辞めろ」発言なんて否定する必要もないはずです。
 
 
 
Unknown (Unknown)
2010-12-01 23:10:54
ねたみにしか聞こえない
 
 
 
Unknown (Unknown)
2010-12-01 23:10:57
お前のような奴がいるから、日本が駄目になった。無能者。
 
 
 
Unknown (Unknown)
2010-12-01 23:12:33
お前のような格好付けには、吐き気がするwww
 
 
 
Unknown (Unknown)
2010-12-01 23:14:15
人のせいにしすぎ
 
 
 
はい?。 (私の意見)
2010-12-01 23:14:48
 そうでしょうか?。 
只今確認させて頂いて居りましたが‥。
 余裕とユーモアに不自由してらっしゃる御人には、到底感じられませんでしたが?。 
 コノ管理人=アナタ は、結局、個人的なウラミツラミで WEB汚染 したいダケの害人 なのですか?
 
 
 
Unknown (Unknown)
2010-12-01 23:20:38
組合側の観点と経営側の観点が違うから、いつも春闘で折り合いつけるんじゃないですか?
双方の考え方が完全一致する事はあるのでしょうか?
 
 
 
Unknown (Unknown)
2010-12-01 23:28:26
早く、こんなブログはやめたほうが良い。みっともない。
 
 
 
Unknown (Unknown)
2010-12-01 23:31:25
すぐ、みっともないで片付ける? なんで上から??
 
 
 
Unknown (Unknown)
2010-12-01 23:37:14
おれも、ねたみにしか聞こえない。
 
 
 
マオ (knockoff handbags)
2012-02-06 21:34:08
It’s my first time to read like this article.dtiy
 
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