豊田富晴さんの油彩画を撮影してみると

2010年06月08日 | インポート
豊田富晴さんの油彩画を撮影してみると、ずいぶん違った写真になってしまうことが気になっていました。

 絵と写真が違うのは当たり前ですが、私としてはできるだけ絵が連想でき、絵の良さが感じられような写真を撮りたい。
 豊田さんにお願いして再度撮影させていただきました。
 先日の個展における主要作品「三月のひかり」について、これまでの写真と比べてみます。
 絵の寸法は91cm×60.6cm。
 (以下の写真をクリックすると拡大して見ることができます)
 
1.まず、個展の案内はがきを複製した写真。
 まあこんな作品なのかなというつもりでした。オートフォーカスでは焦点が合わないということが不思議でした。
 これは4月2日のブログ「豊田富晴 油彩画展 のお知らせ」に掲載したものです。
   
 
 
2.次は個展会場で撮影した写真です。
 個展会場で、実物を見て驚きました。
 色がまるで違います。まったく別の作品と言っても良いくらいでした。
 額のガラス越しの撮影なので画面が光っていますが、実際の絵に多少は近づいたかなというつもりでした。
 これは、5月12日のブログ「豊田富晴 油彩画展 始まる」に掲載しました。
  
 
 
3.やっぱりこれでは面白くないので、再度お願いして撮影してみました。
 場所は、鎌倉俊文さんのアトリエ。
 絵は額から外して、ガラスの反射をなくした。
 室内の照明を消し、窓からの自然光のみ。天候は曇り。
 露出補正とホワイトバランスを変えながら撮影した結果、このくらいかなという写真が撮れました。
  

☆3枚の写真を見るとまるで違う作品としか言いようがありません。
 実際に最も近い感じの3枚目の写真もディスプレイの状態で違いますから、やっぱり、どれも実際の絵から離れたものになっているのは仕方ありません。

 どう考えても写真が実際の絵の色彩を実現できるとは思いませんが、ちょっと気が済んだ感じがしています。

☆カメラの出現によって、絵を写実的に描くという制限がなくなっている現在、写真も実物に近いものにするという必要は無いのかも知れません。
 ただし、私は実物に近い写真も撮りたい。特に色彩で。

☆ところで、制作者の豊田さんご自身は、写真にどんなふうに映ろうとまったく気にしていない様子です。
 「写真はそういうものですから」とのこと。
 それはそうだ。写真と張り合おうなどと考える画家はいない。絵と張り合おうという写真家もいないだろう。
 だが私のような素人はちょっと違う。

☆豊田さんの絵は、画面がすごくなめらかです。オートフォーカスでは追いつかないほどです。
 鎌倉さんはこれを「美しいマチエール」と言っています。
 使う絵の具の種類はわずかで、徹底的に自分で色を作って、これを薄くうすく塗っていくとのこと。
 何度も見ているうちに、4月2日のブログにあった鎌倉俊文さんの文が少し分かった気がします。

☆その中に、「私は豊田と酒を汲むのが好きだ」という文がありました。
 よほど楽しい会話で呑むのかと思ったら、ポツリポツリと会話にならないような話をしながら勝手に呑んでいるらしい。
 それが良いのだという。

 豊田さん、鎌倉さんと一緒に呑んだ時、私が絵やら画家やらについてあまりに常識外れの質問をするものだから、二人ともあきれていろいろな話をしてくれました。それがとても楽しく、ものすごく酔いました。
 私も彼らと一緒に呑むのが好きです。

◎不思議な抽象画に思わず引き込まれています。
 豊田さんの次の個展が今年中に行われるとのことです。ちょっと遠方らしい。具体的になりましたらこのブログでもお知らせするつもりです。

◎豊田さんにはとんだことでお手数をお掛けいたしました。
 大変楽しめましたことにお礼申し上げます。
 今後の更なるご活躍を期待しています。また、写真を撮らせてください。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする