R山中腹の登山道で1本だけ見つけた淡い色のツツジ。ミツバツツジとは雰囲気が異なる。また花と一緒に葉(3枚)が展開している。
図鑑で調べると、どうやらコバノミツバツツジらしい。雄蕊は10本であることを確認した。またトウゴクミツバツツジより葉が出るのが早いそうだ。
図鑑では静岡県西部以西に分布と書かれている。ここは静岡県中部なので微妙ではあるが、まあ1本くらいあっても不思議ではなかろう。
藪の中ではウグイスが盛んに鳴きながら自己PRをしていた。これはヒコーキポーズのようだ。
♀が近くに来ているのだろうか?
結局藪からは出てきてくれなかったのだ。
山腹を彩る芽吹きの色とヤマザクラ。こうしてみるとヤマザクラが多いことに気付く。
ミツバコンロンソウという種類。アブラナ科タネツケバナ属の仲間だ。
この場所で一人で植物観察に来ていたニイちゃんと出会った。ニイちゃんかなり草花に詳しく、この花がミツバコンロンソウであることも教えてくれたのだ。
天気のせいか花が開ききってないのが残念である。タネツケバナ属では唯一の3枚葉ということだ。
種類が今一つはっきりしないが、花の形等はハナネコノメに似ている。だが花の色はかなり地味である。どんなもんだろうね。
麓のハハコグサ。春の七草では「ごぎょう」と呼ばれる種類だ。
帰化植物では珍しく上品な味わいがあるマツバウンラン。だが最近かなり蔓延ってきた。
ヤマセミ親爺が以前、自然観察指導員を取得するために日本自然保護協会の合宿に行った際、「フィールドで名前を聞かれても教えるな」と言われたことがある。
これには未だに反対したいし、自分が指導員として種々の観察会を実施する中でも名前はきちんと教えるようにしている(自分が知らない種類も多いが・・)。
思うに「名前を教える」ことが良くないのではなく、「名前だけ教える」のが良くないのだ。その草花の特徴に気付きを与え、生育している周囲の環境などを
印象付けした上で名前を教えてやればよいのだ。この日R山でニイちゃんにミツバコンロンソウを教えてもらい、タネツケバナ属唯一の3枚葉を見た際に、ふと
そんなことを思い出したのだ。
名は体を表すという。ただ単に「R山で小さい白い花を見た」というよりも、「R山でミツバコンロンソウを見た。確かに葉は三つ葉だった」の方が記憶にも
ちゃんと残るし、その時の情景も目に浮かびやすいんじゃないでしょうか。 ということでまた来週です。