後藤和弘のブログ

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夏の夜の日本人の美しい心象風景、灯篭流し

2017年08月09日 | 日記・エッセイ・コラム
毎年、夏のお盆の頃になると、しきりにある美しい心象風景が浮かんできます。
暗い川面にほのかに光る燈籠がゆらゆら揺れて、静かに流れて行く風景です。その風景を一度見てみたいと思いつつ、まだ見たことがありません。
多くの日本人は見たことの無いままでも、この灯篭流しの美しい風景を心の中で思い浮かべていると思います。
そして無意識のうちに今は亡き祖父母、両親、親族、恩人や友人のことをしみじみ思い出します。
灯篭流しの風景を心に想うことはあの世の親族、恩人や友人の供養になるのでしょうか。私はこの記事を書くことで供養しているのです。故人の冥福を祈っているのです。
この記事をお読みになっている皆様も、ゆかりのあった故人を思い出し冥福を祈っていると思います。
かつて故人たちと過ごした楽しい思い出を懐かしみます。楽しい思い出と別れの悲しみが混じって、その想いは灯篭とともに暗い川面に揺れながら流れて行きます。
それは夏の美しい風物詩です。日本民族の美しい心象風景です。

3枚の写真に九州の延岡の五ヶ瀬川の川面の写真をお送りいたします。

1,2、3番目の写真の出典は延岡市仏教会が主催した五ヶ瀬川の『流れ灌頂』(http://www.pawanavi.com/staffblog/nagarekanjyou2014/ )です。



この灯篭流しの写真を見つめておると、今は亡き祖父母、両親や恩人がぼんやり現れます。そして消えてしまった幼友達もよみがえって来ます。
みんな、みんなあの世で幸せにしているようにとお祈りします。
暗い川に浮かんだ灯篭がだんだん小さくなって川下に消えて行きます。

灯篭流しと言えば似たものに長崎の精霊流しもあります。
この長崎の精霊流しでは精霊船を賑やかに引いて行って、海に流すのです。海の向こうにある浄土に亡くなった人の精霊を送り、冥福を祈ります。
この長崎の精霊流しの写真を示します。

4番目の写真は長崎大学医学部の精霊船の写真です。
出典は、http://blog.livedoor.jp/naika2staff/archives/3492201.html です。

5番目の写真は賑やかに送る長崎の精霊船の写真です。
出典は、https://www.youtube.com/watch?v=_zW-sFin_nQ です。
長崎の精霊流しと灯篭流しは非常に違います。
灯篭流しはあくまでも静寂を守ります。一方長崎の精霊送りは船を送るとき爆竹を鳴らします。威勢の良い掛け声をかけます。騒々しく陽気に死者を送るのです。その陽気さの中に深い悲しみがひそんでいるのです。
その深い悲しみを美しく歌いあげたのが さだまさしの「精霊流し」という歌です。

さだまさし「精霊流し」 
https://www.youtube.com/watch?v=gg504_XlHu0 で歌声が聞けます。

去年のあなたの想い出が
テープレコーダーからこぼれています
あなたのためにお友達も
集まってくれました

二人でこさえたおそろいの
浴衣も今夜は一人で着ます
線香花火が見えますか 
空の上から

約束通りにあなたの愛した
レコードも一緒に流しましょう
そしてあなたの舟のあとを
ついてゆきましょう

私の小さな弟が
何も知らずにはしゃぎまわって
精霊流しが華やかに
始まるのです

あの頃あなたがつま弾いた
ギターを私が弾いてみました
いつのまにさびついた糸で
くすり指を切りました

あなたの愛した母さんの
今夜の着物は浅黄色
わずかの間に年老いて
寂しそうです

約束通りにあなたの嫌いな
涙は見せずに過ごしましょう
そして黙って舟のあとを
ついてゆきましょう

人ごみの中を縫うように
静かに時間が通り過ぎます
あなたと私の人生をかばうみたいに

この歌は若くして亡くなってしまった夫か恋人を偲んだものと一般的には理解されています。
残された者の深い悲しみがせつせつと唄われています。
是非、https://www.youtube.com/watch?v=gg504_XlHu0 の動画で若かった頃のさだまさしの歌をお聞きになって下さい。

この歌を恋人か夫を偲んだものと書きました。
しかし、歌詞の設定は恋人同士でも、婚約者でも、新婚でもないそうです。
さだまさし、いとこの兼人さん、その母親の三人が登場人物です。母親は「おばさん」と呼んでいます。
もともと、まさしの両親一家とおばさん一家は中国に住んでいて日本に帰ってきたそうです。
帰国後、おばさんは離婚して、ジャズ喫茶「椎の実」をひらいたそうです。兼人さんはそのおばさんの息子だったのです。
さだまさしは兼人君と仲が良かったようです。その兼人君が海でヨットのオールを流され、それを拾うために海に飛び込んだのです。しかし兼人君は海から二度と帰って来なかったそうです
息子がおばさんより先に死んでしまったのです。

そして年があけて次の年の夏に、兼人さんの初盆を迎えます。
さだまさしの故郷の長崎では、お盆行事として「精霊流し」が行われます。
この歌は、「精霊流し」の時に、さだまさしが、兼人君を偲び、おばさんとの思い出をつづった歌だそうです。
おばさんの着物が浅黄色なのは、長崎の風習に従って息子の新盆に着る着物の色だそうです。

この悲しい歌が私の耳に焼き付いています。焼き付いて何十年にもなりますが、毎年夏になるとこの歌のメロディと歌詞を思い出します。そして人は悲しみの器だという言葉を思い出します。全ての死者の冥福を祈ります。

それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)
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