後藤和弘のブログ

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劉暁波氏の死、沈黙の日本政府、低い人権意識

2017年07月14日 | 日記・エッセイ・コラム
中国の独裁共産党に対して敢然として戦い、中国の民主化を要求し続けた劉暁波氏が拘束されたまま死にました。享年61歳でした。
欧米の政府や首脳は中国政府を非難する声明を公表しました。しかし日本政府は沈黙です。
日本の政治家は中国の民主化に関心が無いのでしょうか?日本人は人権意識が低いのでしょうか?
アメリカのティラーソン国務長官は声明を発し、劉暁波氏を「彼の国や人類をより良くし、正義と自由を追求するために人生をささげた」と言明しました。そして中国政府に対して軟禁中の妻、劉 霞さんの中国からの出国を認めるようにに再度、強く要求しました。

ドイツのメルケル首相も、「市民の権利と表現の自由のために闘った勇気ある人物だった」と追悼の声明を発表しました。
そして国連人権高等弁務官のザイト・フセイン氏は緊急声明を発し、「中国と世界の人権活動は、中心的役割をはたす闘士を失った」と追悼し、妻の劉 霞さんの外国への移動の自由を中国政府に強く要求したのです。
アジアでは台湾の蔡英文総統が悲しみの意を表し、香港では劉暁波氏の追悼集会が開催され花々が供えられています。

それでは劉暁波氏とはどんな人だったのでしょうか?
彼こそが中国の民主化運動の象徴的な存在だったのです。国家反逆罪で実刑判決を受け、その服役中にノーベル平和賞を受賞しました。
1980年代半ばに、文芸評論家として、中国の民主化の重要性を訴えて注目されたのです。
1989年の天安門事件の際には、民主化を求める学生らの運動の中心メンバーとなり、その後も政治改革の必要性を訴える評論などを発表し続けます。
2008年には中国の民主化の必要性を訴え、共産党の1党支配を批判した「08憲章」と呼ばれる文章を発表します。それが国家と政権の転覆をあおった罪に問われ、懲役11年の判決を受け、刑務所に収監されました。そして今回、釈放されないまま病死したのです。

この「08憲章」をもう一度見てみましょう。以下の文章を読めば胸を熱くする人も多いと思います。中国の独裁政治の実情に心を暗くする人も多いと思います。中国は暗黒です。

これは2008年12月9日に中華人民共和国の劉暁波氏ら303名が連名でインターネット上で発表した文書です。中国の政治・社会体制について、中国共産党の一党独裁の終結、三権分立、民主化推進、人権状況の改善などを求めた宣言文でした。

それではその文書の前文だけを示します。少し長い文章ですが、根気よく読めば中国の暗い現状に呆然とすると思います。

今年は中国立憲100周年、「世界人権宣言」公布60周年、「民主の壁[2]」誕生30周年、「公民権利と政治権利国際公約」10周年の年である。長きに亘る人権災害と艱難曲折の抗争を経て、覚醒した中国公民は自由・平等・人権が人類共通の普遍的価値であり、民主・共和・憲政が現代政治の基本的制度構築であることを日増しにはっきりと認識するようになった。これら普遍的価値と政治制度の基本的構築から引き離されてきた「"現代化"は、人としての権利の剥奪し、人間性の腐蝕させ、人としての尊厳の破壊してきた災難のプロセスだった。21世紀の中国はどこに向かうのか。今のような権威主義的な統治の下での"現代化"を継続するのか。それとも普遍的な価値を認め、主流文明に融け込み、民主的な政体を打ち立てるのか。これは回避し難い選択である。
19世紀中期の歴史の激変により・・・・中略・・・

抗日戦争に勝利した中国は再度憲政への道を開いたが、国共内戦の結果中国は現代全体主義のどん底へと陥っていった。1949年に建国された"新中国"は、名前こそ"人民共和国"だがその実は"党の天下"である。政権政党は政治・経済・社会の全ての資源を壟断し、反右派闘争、大躍進、文化大革命、六四天安門事件や、宗教活動及び維権運動の弾圧など一連の人権災害を引き起こし、数千数万の命が奪われ、国民も国家も無残なつけを払わさせられた。
20世紀後半の"改革開放"により、中国は毛沢東時代の普遍的貧困と絶対的な全体主義から抜け出し、民間の富と民衆生活水準は大幅に改善され、個人の経済の自由と社会権利を一部回復し、公民社会が成長を始め、人々の間で人権と政治的自由を求める声が日増しに高まった。為政者も市場化・私有化へ向けた経済改革を行うと同時に、人権を拒絶する方針から次第に人権を認める方針へと転換する。

中国政府は1997年、1998年の2回にわたって重要な国際人権公約に署名し、全国人民代表会議で2004年、「人権を尊重し、保障する」という文言を憲法に加える改憲が承認され、今年更に「国家人権行動計画」を制定・推進することが承認された。しかし、これらの政治的な進歩も今のところ大部分は文字上だけのものにとどまっている。法律あって法治無く、憲法あって憲政無く、というのが誰の目にもはっきりとした政治の現実である。為政者集団はなお権威主義的な統治を堅持・継続し、政治変革を拒んでいる。このことから、官界が腐敗し、法治が妨げられ、人権が霞み、道徳が失われ、社会が両極に分化し、経済が奇形の発展を見せ、自然環境と文化環境が幾重にも破壊され、公民の自由・財産と幸福を追求する権利が制度化された保障を得られず、各種の社会矛盾が絶えることなく積み重なり、不満が膨らみ続け、特に官民の対立と群衆事件が激増し、破滅的な制御不能の趨勢に陥っている。現行体制の立ち遅れぶりはもはや改めないでは済まない段階に至っている。 (続きは、http://www.a-daichi.com/freetibet/charter08/ にあります。)


安倍総理大臣は何も言いません。しかし心ある国会議員は居るはずです。せめて国会議員の有志だけでも人権のために命を捧げた劉暁波氏を高く評価し、追悼の声明を発すべきではないでしょうか?
森友学園や加計学園の問題だけを騒いで、人類共通の人権問題の重要性が理解出来ない国会議員を尊敬出来ないのは私だけでしょうか。

今日の挿し絵代わりの写真は劉暁波氏の霊に供えるために安らかな花々の写真を選らびました。過日、都立小宮公園で撮った写真です。

それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈りいたします。後藤和弘(藤山杜人)








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