後藤和弘のブログ

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「アスペルガー症候群に適切に対処したある方の賢い生涯」

2017年09月18日 | 日記・エッセイ・コラム
人間が生れる前、胎児の間に脳機能の発達が正常に進まず、学校や会社での集団生活が上手に出来ない障害が出ることがあります。いろいろな症例がありますがそれらを発達障害と言います。その主なものに20年前に広汎性発達障害とか、アスペルガー症候群と呼ばれていたものがあります。それを最近は自閉症スペクトラムと呼ぶようです。
正しい理解が無くて発達障害者が困った状況に置かれ不幸な人生を送ることが少なくありません。
そこでこの発達障害の正確な理解を普及するためにこの欄で以下のような啓蒙記事を掲載して来ました。
『やはり日本の学校教育には問題がある』2017年04月13日 掲載
『見えない障害のために転職を繰り返す人とその周りの方に贈る書』2017年05月09日 掲載
『発達障害は精神病でなく脳の機能障害、間違った対応が不幸を作る』2017年05月11日 掲載
『母親の子に対する圧倒的な愛の力』2017年05月28日 掲載

今回は「アスペルガー症候群に適切に対処したある方の賢い生涯」をご紹介したいと思います。
しかしその前に2017年05月28日 掲載の記事の抜粋をお送り致します。
===『Esu KeiさんとGotoとの対談:発達障害について』=========
Gotoテレビなどでも発達障害という言葉を時々聞きますね。どんな障害なのですか?いろいろな種類があるのですか?

Esu この障害は精神の障害と思われがちですが、実際には脳の機能障害だそうです。障害という言葉を使うことには迷いがありますが、持って生まれた特質や、傾向が社会の中で生きていくのに困難となる場合(社会参加ができない場合)、障害と呼ばれます。発達障害の種類については現在の分類は私にはよく分かりません。20年前に広汎性発達障害とか、アスペルガー症候群と呼ばれていたものを最近は自閉症スペクトラムと呼ぶようです。これらが自閉症の連続の中にあると分かってきたからでしょう。

Goto 息子さんの発達障害はなんという障害ですか?症状などは?プライバシーの問題がない範囲で聞かせてください。

Esu 息子もこのインタビューを承知していますし、自分のことを知ってもらうことに意味があると思っているようです。彼は中学入学前までは、主に外国で育っていましたが、10歳で日本人学校に移って以来、集団に全くなじめず、苛めやいろいろな問題が起きて、成人するまでにすっかり意欲を失っていました。長男がアスペルガー症候群と診断されたのは26~27歳くらいの時でした。その3年前くらいに、テレビのドキュメンタリー番組を見たのがきっかけで、アメリカから平易な文体で書かれた本を取り寄せたりして、私は自閉症を疑いました。ただ幼いころから言葉の発達が非常に早かったので、そういう例外的な自閉症もあるのかもしれないと思っていました。
症状ですが、集団になじめないことこそが端的にアスペルガー症候群の特徴のようでした。アスペルガー症候群または自閉症スペクトラムとひとくくりに言っても、ひとりひとりは実に様々な人間像を持っていて、共通項は何かというと、はっきりしているのは、人間関係の困難を抱えていること、こだわりが強い(こだわりの対象は個々違うのですが)ことの2つのような気がします。体力も、能力も、性格も様々で、その辺に共通項はないように思いますが、ただこだわりが強い分、神経質で、好みの許容範囲が狭い気がしますし、神経が耐えない場面では疲れやすく苛立ちやすいように見えます。2つの特徴以外にもこの障害の特徴とされることはいくつもありますが、現れ方に違いや差があって分かりづらいこともあるので専門家でない私が説明をすることはできません。

Goto 適切な診断医はどうしたらみつかるのでしょう。

Esu 今では発達障害の専門医も増えているし、専門外の医師でも少なくともこの障害を知らないということはありませんから、20年前に比べればずっと早く診断がつくようになっていると思います。最初は相談センターや互助組織などが窓口になってくれるのではないでしょうか。ただ、特に精神に関することですから、当人と相性のいい先生に出会えることが大事だと思います。早く障害が分かって、適切な対処ができることは、本人が無用に苦しまないためにも、将来の二次障害を防ぐためにも大変重要だと思います。息子の場合もそうでしたが、20年位前までは成人してから障害が分かる人が多かったのです。目に見えない障害で、知的障害もないと分かりにくく、今でも、成人してから障害が分かる場合もあります。以前は軽度発達障害などと呼ばれていましたが、本人の抱える困難は軽度どころではなく、積み重なった分だけ重い障害になることもあります。そういう人にも丁寧に対応できる医師やセラピストが増えることを切望します。

Goto 障害がわかったら家族は何ができるでしょうか?職場はどのように対処できるでしょうか?

Esu まず言いたいことは、障害という名前に驚いてはいけないということです。“良し悪しは抜きに、普通と違うところを持っている”と考えた方が良いと思います。実際、特別なセンスや才能を持っている人は多いものです。彼らのユニークなところが生かせるように応援するのが家族です。それはどんな障害でも同じです。息子に「この障害を持つ子供に対して親や家族は何ができるかしら」と聞いてみたことがあります。返ってきた言葉は「愛すること」でした。
===以下省略します==================================
以上を要約すると、
アスペルガー症候群の主な特徴は、次のような”3つ組みの障害”と言われる。
(1)社会的に適切に振る舞うことの難しさ、
他の人と一緒にいるときに、どのように振る舞うべきかの力です。いわゆる空気が読める力と考えてもよいでしょう。
(2) コミュニケーションを円滑にすることの難しさ、
相手が言っていることを正しく理解する受信の力と、自分の思っていることを相手に伝える発信の力についてです。
(3) こだわりが強く、柔軟に想像・思考することの難しさ、が特徴です。
 自分の安心できるルールや環境を強く求める状態です。生活や働く上で支障が出るほどこだわってしまう方が多くいます。想像力が弱い状態ともいえます。

それでは今回の記事の本題に入ります。
アスペルガー症候群であると自認しているワヤさんという方との対談形式で以下にお送り致します。
===ワヤさんと後藤の対話==================
後藤;「ワヤさん、お元気ですか? ご無沙汰しています。ところで私はアスペルガー症候群のことを調べています。
ワヤさんはご自分で、「・・・私はアスペルガー症候群orサヴァン症候群ですから、一般人のようにイラストを描がき、見栄えの良いホームページが作れません。・・・」とお書きになっていましたが、お差支えない範囲で症状をお知らせ下さいませんか?
学校生活は如何でしたか?協調性に問題はありませんでしたか?
会社勤めにはどんな問題もありませんでしたか?
結婚なさっていますか?
家族生活には問題はありませんでしたか?
ワヤさんは知的には抜群の才能をお持ちと信じていました。
突然、個人的な質問をする失礼の段は御許し下さい。
私はアスペルガー症候群の知識を普及し、差別のない日本にしたいとブログに何度も記事を書いています。
よろしくお願い申し上げます

ワヤさん;
アスペルガーとしての悩み:
アスペルガーは、拘わる関心ごとには特に集中して考察する性格ゆえに、曖昧さの中から解決方法を見通おす能力が優れています。が、一般の人と比べて何らかの性格欠陥を持つ人を指します。したがって、生きていくためには、他人から欠陥を補うだけの支援(energy)を頂けなければ、一般の人のような社会生活を継続できません。

発達障害というものは克服することはできません。人格がどんなに良くても発達障害を克服出来ないのです。他の人々からの支援で補わねばなりません。

私の場合は、マイナスの出来事には強く反応し臆病になります。僅かな失敗が有ると直ぐに手を引っ込めます。記憶力は人並み以上のものがありますが、誰にも読めない文章、与えられた書類が正確に作れない、服装に無頓着・・・などで、相手は現場で単純作業をする、軽薄な私という印象を持ち易いです。その割には気難しい・・・・。
長く付き合わないと私がアスペルガーだと気付く事はありません。

  ★会社での生活★
私は高校を卒業してトヨタ自動車の豊田中央研究所に入社し、希望して上垣外さんのエックス線研究室に入り、そこで上垣外理学博士から、物理の基本を学びました。
また、磯谷理学博士から世の中の成り立ちを学びました。彼から大学に行くべきだと勧められて、大学入学のための家庭教師もしていただきました。
おかげで、名古屋工業大学の夜学に一番で入学し、5年間通いました、その後、昼間の大学院も試験で受かったので、休職して、学校に通いました。
本当は、大学院を卒業後、会社を変われば良かったのですが、大学院から戻ったため、身分的な扱いが高校卒のままとなりました。
社会に通用しない文字しか書けない事や、見栄えの良いプレゼンテーション用のポスター作りも出来ません。幼い時から班長や級長などの指導的な役割のchanceもなかった故に、指導者にも向きません。

代表取締役までなった上垣外さんですから、その辺りの事を良く分かっていたでしょう。他所の会社からの誘いもありました。
しかし、我が会社の自由度は高く、頑張れば自分の研究もできるのです。
私は偶然にも、愛知製鋼から出る還元期スラグと石膏から、新しいセメントができる事を発見したので、愛知製鋼さんからの依頼で、関連会社のコンサルタントを含めて生涯飯を食わせて頂きました。 そこで東北大学出の大橋社長や笹本博彦部長には大変お世話になりました。 
また、前記したように大学院を出たのに高校での待遇です。技師として指示された仕事を、手順を追ってできないので、地位や身分で人を評価する人の中には蔑む人もいます。
逆に、仲間の中には不器用な性格を理解していていて、不器用でプレゼンテーション用のポスター作製時に困った時、協力的な人もいました。
他部署のメンバーおよび若手が、私の能力を買っているので、助けてくれました。勿論、彼らには知っている事はアドバイスを惜しまなかったです。
そのような事から、上記の仕事が自由度も高く、最も適した状態でした。
   ★結婚★
結婚に関しては私の欠点を補完できる人が必要です。公設の結婚相談所で捜した国民年金8万円の家内は、典型的なアスペルガーで全くの人嫌いです。幸い中央大学を卒業し、語彙の知識は辞書並みで、法律や経済にも関心が高く、私の欠点を補完してくれました。
ただ、ビラの作成など私のホームページへの協力はゼロ、ビラ配りも家宅侵入罪が適応される・・・でがっかりです。
で、子供がいないので介護型有料老人ホームに入所する必要があるが、死んで行く過程で必要なenergy(生活費)はどう稼いたか?
それは株式の運用で何とか調達しました。家内も私を真似て何とかしたはずです。 

ワヤさんのホームページ(生命系の進化論)、http://waya.la.coocan.jp/ もご覧ください。
===========================================
私はアスペルガー症候群を背負って生まれて来たワヤさんの生涯は比較的幸せだったと思います。
以上のワヤさんの答から以下のようなことが分かります。
アスペルガーの症例は人によってさまざまなことが分ります。
ワヤさんの場合は集団生活には困難があったようですが、自分を助け、支援してくれる上役の上垣外理学博士や磯谷理学博士や東北大学出の大橋社長や笹本博彦部長へ感謝する脳機能は正常に発達していたのです。
その上役へ対する感謝のおかげで彼の会社生活は退職まで勤めることが出来たのです。
ワヤさんの賢さは会社での職業の場面だけではありませんでした。結婚の相手選びにおいてもワヤさんの欠点を補完できる女性を選んだことにも見られます。その相手もアスペルガー症候群を背負って生まれて来た方だったのです。
もしワヤさんの一生が比較的に幸福だったとしたら、その原因はご自分の障害の内容を客観的に知っていたことでしょう。そして上役へ感謝する脳機能が正常だったことも幸運でした。
その上、就職した会社がトヨタという大企業であり、その技術研究所は非常にリベラルな文化を持っていたことです。ワヤさんの上役も同僚も寛大な気持ちでワヤさんへ接したのです。

結論です。アスペルガー症候群という発達障害は治療方法がありません。出来ることは本人と廻りの人々が適切な対処法を取ることです。適切な対処方法を取ればアスペルガー症候群が原因の「人生の困難を」小さくすることが可能なのです。ワヤさんの生涯はその良い実例なのです。

なおワヤさんは趣味人倶楽部というSNSの会員です。今回引用した文章はワヤさんのご承諾のうえに、ワヤさんの8月29日の日記(https://smcb.jp/diaries/7459666 )から引用しました。
今日の挿し絵代わりの写真は先週撮ってきた八ヶ岳高原に咲くコスモスの花の写真です。

それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈りいたしす。後藤和弘(藤山杜人)








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