後藤和弘のブログ

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横山美知彦著、『利根川のなまず料理と麦とろの思い出』

2017年06月17日 | 日記・エッセイ・コラム
1、利根川のなまず料理
群馬県の東部地区になろうか、すぐ隣が埼玉県という所に位置する街が、館林市である。
最近は、真夏の気温が全国で一、二を争う高い場所でもある。この辺りは利根川の水量も多く、江戸の時代から、文福茶釜の「茂林寺」や川魚の獲れる処として有名だ。
その為に川魚料理をメインにした料亭が栄えた地であり、現在もその名残りの店をあちこちに見ることが出来る。
特に「うなぎ」は遠方から、これを目当てにやって来る客も多い様だ。
七、八年前になろうか、小学校時代の友人夫婦に誘われ、「うなぎ」を家内と共に御馳走になったのがきっかけで、その後何度かプライベイトで食べに行く機会があった。
「うなぎ」の他に、やはりこの利根川で獲れる「なまず」がメニューには必ず載せてあるが、何故か値段は「時価」としてある。友人に御馳走になり、その淡泊な味に魅せられていた。
帰郷していた町田市に住む二男の息子と三人で、立ち寄ったことがあった。さて一般的に時価と書いてある物は、常時提供できる物と比較して五割は高額と認識していたので、注文をためらったが、今度何時来られるか判らないので、思い切って注文してみた。「なまず」のフライは期待に違わずうまかった。
さて勘定と云うところで、一寸心配になったが、勘定書きを見て間違ってはいないか目を疑った。そこには「なまず」のフライ650円とあった。ちなみにメインに注文した「うな重」は一人前1,500円であった。
あの目の小さなとぼけた表情の「なまず」の料理がこんなに淡泊で美味い物とは、しかもその値段の安さに驚いた。
2、麦とろ苦しさと美味しさ
私が「とろろ汁」が人並みに食べられる様になったのは、20才を過ぎてからである。
父母が「とろろ」が好きで、とろろ芋が手に入ると「とろろ汁」を作り食卓を賑わしていた。戦前、東京の板橋に住んでいた頃、親子5人の他に田舎からの下宿人が、代わる代わる訪ねて来て宿にし、東京での生活の一歩にしていた。
ある晩の夕食に「とろろ汁」を母が作り、幼い私の口に「とろろ汁」を運んでくれた。生まれて初めての経験だった。だがそれが成人になるまで食べられなくなった最初でもあった。
「いも」の質があまり良くなかったのか、口の周りに「とろろの粘粘」が付いた為に即座に痒くなった。 痒さのあまりに泣き叫んだことを今でも思い出すことがある。
さらに喉を通る時の味わいとでも云うのか、普段の食べ物とは違う為、何とも気持ちの悪い戻しそうな症状になった。
それ以来、昭和18年田舎に引っ越した子供達も小学校、中学校と物心が付き始めて、戦後の物のない時期の「とろろ汁」は貴重な栄養源であって、家族は私を除いて目の色を変えて「とろろ汁」を食べていたが、私は見向きもしなかった。
高校を終えて上京した私は、都会での生活になれ始めた頃、同僚に連れられ酒場の料理を口にする様になった。品書きには必ず「とろろ」を使った料理が載っている。
都会人になったつもりの私も恐る恐る、まぐろ入りのとろろ、「やまかけ」の料理を口にして見た。ところがそれが抵抗なく喉を通り、その味の良いことを初めて経験したのだ。
それ以来、とろろを使用する料理や、自宅で家族の作る「とろろ汁」は期待の一品となり、幼かった頃の記憶のあの痒い気持ちの悪い雰囲気は無くなっていた。
「とろろ汁」には、麦飯が合う。最近麦の身体への効果が見直され、良質の押麦が手に入るようになり、何か月か前から僅かな麦を入れた「ご飯」に我が家も代わった。したがって「とろろ汁」を作れば、だまっていても「麦とろ」を食べる事が出来る。これはうれしい。60~70年以前を思い起こすと、まさに天と地が入れ変わった感がする。やや大げさとは思うが。(終り)

挿絵代わりの写真は利根川の上流、中流、下流の風景写真です。写真の出典は以下の通りです。
上流、http://www.pixpot.net/view_spots/spot/1879/onakajima-park
中流、http://www.rindo21.com/review/2010/05/-1020mm-f35-ex-dc.html
下流、http://mizbering.jp/archives/943




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