後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
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雲と海が演ずるドラマチックな風景、銀河鉄道の夜を連想す

2016年10月16日 | 日記・エッセイ・コラム



飛行機が青森の陸地を通り過ぎ、千歳空港へ向かって太平洋に出た時、急に雲が乱舞し始めました。激しく動く雲の合間から射し込む太陽の光が北海道の沖の海面を輝かせています。
飛行機が進むにしたがって雲の不思議な形がドラマチックに変化します。それに合わせて海面の輝きと色彩が芸術的に変貌して行きます。
それは美しくはありますが暗鬱な光景です。
たった数分間のドラマでした。
しかしこの暗い光景を見て、自分の人生のつらかったことや悲しかったことを全て思い出していました。
思い出は楽しいものだけと考えていた私は、やはり人生の苦しみや悲しみを背負っていたのです。
よく言われる言葉ですが、人間は悲しみの器なのです。
そうして時は流れ、人はみんな、みんな死んで行くのです。
死んだ人の乗る列車が天の川にかかっている銀河鉄道なのです。
星祭りの夜に水死した親友、ザネリを探してカンパネルラが暗闇の丘に登ります。そこで不思議な光に打たれ、気がついた時カンパネルラは銀河鉄道の列車の中に座っていたのです。
列車はあの世に旅立った人々の乗るものです。そこでカンパネルラは水死した親友のザネリを見つけます。
この列車には不思議な人々が乗っています。窓の外に鳥を見つけると、鳥を獲りに行って捕まえてしまう男もいます。その鳥がすぐに砂糖菓子になってしまうのです。
宮沢賢治がこれを書いたころタイタニック号の悲劇が起きます。
ずぶ濡れになった兄妹と家庭教師らしい青年が乗って来ます。よく見ると三人の足は靴を履いていません。
そんな不思議な列車の中でザネリとカンパネルラは仲良く旅を続けます。しかしついに惜別の時がやって来ます。
ザネリが暗い闇の中に消えてしまうのです。列車の窓から思いっきり身を乗り出したカンパネルラは大声でザネリを呼ぶのです。胸が張り裂けるように声を振り絞ります。その悲鳴のようが声が空しく天の川の虚空に吸い込まれてます。
ふと気がつくとカンパネルラは暗い丘の上に戻っているのです。
見上げると夏の星座が燦然と広がっています。
それは星祭りの夜に起き悲しい親友との別れでした。水に落ちた子供を助けようとして死んだザネリとの永遠の別れでした。
銀河鉄道の夜の思い出をカンパネルラに残して、ザネリは星の一つになってしまったのです。

旅は非日常の光景に囲まれます。人生の来し方をついあれこれと思い返えすものです。そしていろいろな作品のことを思い出させてくれます。そんな想いをしたのは10月13日午後の出来事でした。

写真をご覧になりながらご自分の人生をあれこれお考えになられたら嬉しく思います。

それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)





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