後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
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甲斐のくにの紅葉(3)山梨県立美術館と文学館の紅葉

2017年11月13日 | 日記・エッセイ・コラム
戦争に負けてしまった日本は戦後の72年間、経済的な復興と精神的な復興をして来ました。
幸運にも平和に恵まれ、経済も精神文化も各段に成長しました。この精神文化の成長はいろいろな例をあげれば歴然です。例えば現在の各地の美術館の規模と充実ぶりもその一例です。
上野には松方コレクションを常設展示してある国立西洋美術館があり倉敷には大原美術館があります。箱根や長野の美ケ原には大規模な彫刻の野外展示もあります。
そして地方のそれぞれの県にも立派な美術館がありす。以前何度も訪れた山梨県立美術館は、ミレーに代表されるバルビゾン派の絵画を蒐集、展示している立派な美術館です。同じ敷地に大きな文学館があり樋口一葉や太宰治や芥川龍之介や夏目漱石などの肉筆が展示してあります。尚、樋口一葉の両親は甲州の出身なのです。
それでは先週撮って来た山梨県立美術館、文学館の構内の紅葉の写真を示します。

1番目の写真は山梨県立美術館です。1978年の開館以来、「ミレーの美術館」として有名です。
最初の収蔵品のミレーの《種をまく人》をはじめ、ミレーやバルビゾン派の画家、ヨーロッパの主要な風景画家、ならびに山梨ゆかりの画家の作品を収集し展示しています。
 所蔵品の総点数は現在約1万点で、常設展示は年4回展示替えを行っています。

2番目の写真は美術館の前の広場です。岡本太郎やザッキンやムーアの大きな彫刻が野外展示されています。この広場を挟んで文学館があります。

3番目の写真は山梨県立文学館です。平成元年十一月三日に開館いたしました。
樋口一葉や芥川龍之介、飯田蛇笏等の資料を収集・保存し、展示しています。
丁度、太宰治の妻だった津島佑子の特別展を開催していました。

4番目の写真は美術館の2階から見た西側の庭で岡本太郎の大きな彫刻が展示してあります。周囲に甲斐の山々が見えます。

5番目の写真は美術館の南側の庭の紅葉です。ここは何時もは美しい水を湛えた池になっていますが、間もなく冬が来るので水を抜いています。

6番目の写真は美術館の2階の窓から見た東側の庭の紅葉です。

7番目の写真は広大な無料駐車場をぐるりと囲んでいるイチョウの黄葉です。

写真に示したように山梨県立美術館を囲んでいる樹々の紅葉や黄葉の写真を撮りながら展示も鑑賞して来ました。
その展示品の概略を簡単にご紹介します。
まず美術館は広い第一の常設展示室から始まります。そこにはミレーの絵画が多数展示してあります。1975年の開館以来、毎年買い集めて来ただけあってミレーの絵画が数十枚展示してあるのです。ミレーの絵画の収集としては国内随一です。
題二展示室はバルビゾン派の風景画だけを集めて展示してあります。パリの近くのバルビゾンに住んでいたコロー、ミレー、テオドール・ルソー、ドービニー達のことをバルビゾン派と言います。これにクールベを加えてもよいと思います。
その絵画を一言でまとめれば写実的に描いた美しい自然の風景画です。1830年から50年位の絵画です。これの終わる頃、重なるようにして印象派が隆盛するのです。
日本画にも美しい風景画が多いので、バルビゾン派の絵画は私たちにも分かり易く大変好まれます。
第二展示室の終りの部屋には静物画だけが展示してあります。静物画も深い精神性が感じられなかなか良いものです。
このように展示がミレーの農村風景、バルビゾン派の風景画、そして静物画だけと3つに分類して展示してあるところが良いのです。下手に印象派の絵が混じっていない点が学芸員の見識です。
西洋の絵画は中世の暗い宗教画から15世紀のルネッサンスで、モナリザを描いたレオナルド・ダ・ヴィンチやラファエロの絵画へと人間中心のものに変貌しました。
そして雑に言えば、バルビゾン派の絵画へ、そして印象派の絵画から近代抽象画へと発展していったと言えます。

8番目の写真は常設展示の絵画の例です。この写真は美術館のHPです。
この美術館では並行して、「狩野芳崖と四天王 ー近代日本画、もうひとつの水脈ー」という特別展を平成29年11月3日(金・祝)~12月17日(日)に開催しています。
狩野芳崖の《悲母観音》(明治21年 東京藝術大学蔵)は是非見たかったのですが、展示期間が12月2日~17日なので見ることが出来ませんでした。

さて山梨県立文学館ですが、ここも何回か訪れました。
今回は津島佑子の特別展でしたので家内だけ観に行きました。津島佑子の母、石原美知子は井伏鱒二の媒酌で太宰治と結婚しました。
家内は石原美知子に関心があったようです。甲斐出身の石原美知子の祖先の人々を描いた津島佑子の大作「火の山-山猿記」の全原稿、ビデオによる講演の肉声に触れて、たいそう感動した様子でした。展示では父の太宰治にはほとんど触れず、「津島佑子」を独立し卓越した作家として紹介していたそうです。父の有名さに頼らない学芸員の見識が立派です。

尚、津島佑子は1947年生まれ、2016年没で本名は里子です。
この「津島佑子展ーいのちの声をさかのぼるー」は平成29年9月23日(土・祝)から11月23日(木・祝)まで開催しています。
この特別展の他に文学館には樋口一葉などの資料の他に、山梨の俳人、飯田蛇笏、飯田龍太の詳細な資料が常設展示してあります。

以上のように山梨県立美術館と文学館は紅葉や黄葉が美しい上に、内容が充実していますので是非お出掛けになって下さい。

それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)
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甲斐のくにの紅葉(2)甲斐駒岳山麓の小屋の周囲の紅葉

2017年11月13日 | 日記・エッセイ・コラム
深い、深い森の奥に私は小さな小屋を持っています。1974年に建ててからもう43年間も通よっています。猿や鹿は猪が沢山棲んでいる山深い雑木林の中にある小屋です。毎年11月には紅葉が美しくなります。
今回も昇仙峡で昼食を食べた後に行きました。
例年通り雑木林の紅葉や黄葉が輝いていました。
その写真をお送り致します。

1番目の写真は甲斐駒岳の麓に広がる雑木林の中を登って行く道です。
細い砂利道を2Km位根気良く上がっていくと私の小屋に着きます。
紅葉や黄葉の色が混じりあって美しい樹々が果てしなく続いています。何処かに桂(カツラ)の落葉があるのか甘い香りが漂っています。
この道に車を入れると、嗚呼、別世界に来たと感じます。水田の作れない高冷地なので人が住んでいないのです。人がいないので小鳥や雉がたくさんいて美しい声で鳴いています。
初夏にはハルゼミが、そして盛夏にはヒグラシ蝉などの幻想的な声が林の中に響いています。

2番目の写真は小さな私の小屋です。6畳と4畳半の2部屋だけです。電気は引いてありますが水道やガスは来てません。
1974年の小屋を建てるとき、大工さんが木造にするとすぐに腐って倒壊してしまうと言って、鉄筋コンクリートの小屋を作ってくれました。それは実に正解でした。木製の内装の部分はすぐに腐ってしまうのです。床の全面を防水コンクリートにしましたが窓やドアの隙間から湿気が入って内部はカビだらけになるのです。
他の地域の別荘の人に聞くとやはり留守の間に屋内の全ての物が湿ってしまって困ると言います。
山林の中の小屋と言えばロマンチックですが現実はなかなか厳しいものなのです。

3番目の写真は小屋の東側の庭先の雑木の紅葉の写真です。庭先の斜面を登ると白樺林があります。庭は谷地になっていて一年中水の涸れない小川が流ています。
水道がありませんので、この小川の水を生活用に使います。飲み水は持参して行きます。

4番目の写真は小屋の周囲の林の紅葉の写真です。まったくの自然林なので樹木の枝が枯れて折れることが普通です。植木屋が綺麗に剪定する筈はありませんので、林は荒れたような景観になります。40年以上前に小屋を作った時代には里人が周囲の雑木林を薪にしていたので管理していました。雑木の大きさと間隔が一定に揃えてあったので荒れた景観はありませんでした。

5番目の写真は庭の小川の写真です。岸辺に落ち葉がありますが、冬までに全て流れて綺麗な小川になります。
以前は腹に斑点のある岩魚が2匹ほど棲んでいましたが、最近は見かけなくなりました。猪の足跡が岸辺に沢山あるので猪に食べられてしまったのかも知れません。この小川の川筋で鱒を飼っていた人がいましたが、時々、その鱒が逃げて私の小屋の前の小川を泳いでいたこともありました。

6番目の写真は庭の小川にある小さな滝の写真です。この小川は実に良い音を立てて流れているのです。サアーサアーといったりコロコロと言ったり、いろいろな音を出すのです。清い音です。夕方になるとコトコトと言い、夜になるとゴトンゴトンと流れ下ります。
小川の精霊が私に話しかけて来るのです。それは楽しいものです。家内は面白そうに返事をしたり、相槌をうったりしています。
この土地を買う時、案内して来た不動産屋さんが5つほどの区画を見せて、すきな区画を買って良いと言ったのです。
私は迷わずに小川が流れている区画を買ったのです。この小川のお陰で非常に楽しいことになったのです。
小川の傍にテーブルを据え朝はコーヒーとトースト、ベーコンエッグです。夕方はバーベキューと冷えたビールです。
夏に孫達が来れば小川に入って水遊びです。小川は私共の宝なのです。

7番目の写真は今回燃やした薪ストーブの写真です。
電気ストーブや石油ストーブを使ったこともありましたが、薪ストーブが一番暖かで良いという結論になりました。薪が燃える音と香が何とも言えず良いのです。

8番目の写真は窓の外の大きな樹々の写真です。薪ストーブの煙突からの煙が薄く流れ、それに晩秋の日の光が斜めに射し込んでいます。遠方の森からケーンという雉の鳴き声が響いて来ます。

この山林の中の小屋は此の世とは離れた別世界のような感じがします。
此処に行き続けて、もう40年以上になりました。現在81歳の私にとっては我が人生で一番長続きした趣味になりました。
一番大切な趣味です。12月も行こうと思っています。充実感のあった趣味でした。雑木林と小川に感謝しています。

それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)
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