後藤和弘のブログ

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何故多くの人は特攻は無駄だったと信じているか?

2017年09月12日 | 日記・エッセイ・コラム
尊敬している先輩に陸軍士官学校を出て戦闘機に乗っていた方がいます。陸軍中尉でした。同期生の多くが特攻で亡くなり知覧の特攻記念館に写真が並んでいます。
その方は特攻は戦果がほとんど無く、無駄な戦術だったと言います。
そこで私の書いた以下の記事をプリントして差し上げました。そうしたら生き残った特攻仲間へ手紙を差し上げたが、やはり戦果をご存知無かったと報告してくれました。そして念の為に知覧の記念館の学芸員にも連絡してみたいとおっしゃっています。
私の8月14日掲載の記事の要旨をお送り致します。
『特攻攻撃が与えた意外に大きい連合国側の損害の一覧』
今日はこの特攻隊、6000余人の犠牲によって連合国側にどの位の損害があったのかを客観的に書いてみたいと思います。
まずマッカーサー太平洋戦域連合軍総司令官の感想からご紹介いたします。(出典は、https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q13128680533 です。)
「沖縄では、特攻が殆どの日本軍機による攻撃で我が軍は艦船36隻沈没、破壊368隻、航空機損失800機の損害を出した。これらの損害は米海軍がメルボルンから東京までの間に受けたそれまでの損害を遥かに超えるものである。」

太平洋艦隊司令長官のニミッツ元帥はもう少し具体的に語っています。
(4ヵ月に渡った沖縄戦で)「我が海軍が被った損害は、戦争中のどの海戦より遥かに大きかった。沈没30隻以上、損傷300隻以上、9000人以上が死傷もしくは行方不明になった。この損害は主として日本軍の航空攻撃、主に特攻によってなされた。」

そしてアーネスト・キング海軍元帥も次のように語っています。
「4月6日からはじまった日本機の攻撃は、いままで嘗てなかった激烈なものだった。この特攻戦は凄惨を極めた。(略)海上では戦死行方不明4907名、戦傷4824名であった。 艦船は沈没36隻、損傷368隻であり、飛行機の喪失は763機であった。」

特攻が開始された1944年10月から終戦までのわずか10ヶ月間に、米海軍史上最大の損害を与えたのです。その損害の内訳は次の通りです。・・・以下省略致します。

以上の8月14日掲載の私の記事は主に次のネット情報にもとずいて書きました。
『特攻攻撃が与えた損害の一覧』https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%89%B9%E6%94%BB%E3%81%A7%E6%90%8D%E5%AE%B3%E3%82%92%E5%8F%97%E3%81%91%E3%81%9F%E8%89%A6%E8%88%B9%E3%81%AE%E4%B8%80%E8%A6%A7
この一覧表は次のように整理、分類されています。
1連合軍の被害、1.1沈没、1.2損傷による除籍処分、1.3損傷、1.3.1巡洋艦以上、1.3.2駆逐艦以下
そしてそれぞれの表には、沈没日、艦名、艦種、場所、戦死者、負傷者の項目が示してあり、非常に分かり易い一覧表になっています。
このネット情報は正確でしょうか?
文末に引用文献が詳しく紹介してありますが、そのどれもが日本語で書かれた二次資料のようです。
ここで私は大きな疑問を感じました。ネット情報には間違いが多いものです。日本語の資料には客観性に欠けるものもあります。
そこでアメリカで公表されている損害の情報を調べてみました。
検索には「US Navy Kamikaze Damage」や「US Damage by Japanese Suicide Attacks」とか「Kamikaze Damage to US and British Carriers」などと英語でアメリカ海軍の損害を検索しました。以下はその結果判ったアメリカ側の発表です。
『Destroyer Report』
(https://www.history.navy.mil/research/library/online-reading-room/title-list-alphabetically/w/war-damage-reports/destroyer-report-gunfire-bomb-kamikaze-damage.html)
Gunfire, Bomb and Kamikaze Damage Including Losses in Action 17 October, 1941 to 15 August, 1945

また次のような報告書もありました。
「Summary of War Damage to U. S. Battleships, Carriers, Cruisers And Destroyers」
(https://www.history.navy.mil/research/library/online-reading-room/title-list-alphabetically/w/war-damage-reports/summary-of-war-damage-17-oct-1941-to-7-dec-1942.html)

List of Allied vessels struck by Japanese special attack weapons
(https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_Allied_vessels_struck_by_Japanese_special_attack_weapons)

特に上の報告書は一覧表になっていて日本語の『特攻攻撃が与えた損害の一覧』の原資料のようです。
そこで結論として、日本語の『特攻攻撃が与えた損害の一覧』は正確であり信用してよいと考えられます。
皆様、もう一度、https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%89%B9%E6%94%BB%E3%81%A7%E6%90%8D%E5%AE%B3%E3%82%92%E5%8F%97%E3%81%91%E3%81%9F%E8%89%A6%E8%88%B9%E3%81%AE%E4%B8%80%E8%A6%A7 を検索して特攻隊の戦果がいかに甚大であったかをご確認下さい。

さて表題に戻り、何故多くの人は特攻は無駄だったと信じているか?の解答を書きます。
今日ご紹介し英文の資料は全てアメリカ側の軍事機密として長い間公表さらなかったのです。
そのことは次の部外秘とせよという注意書きに明快に示してあります。
The Chief of Naval Operations directs that this report be shown only to those persons to whom the report would be of value in the performance of their duties.
Steps shall be taken accordingly to insure that the report will be seen by those persons responsible for design, construction and repair of naval vessels, as well as for their operation, but by no others.

戦前生まれ、戦後育ちの日本人の受けた教育はマッカーサー占領軍の指導による教育だったのです、それは日本の軍国主義の復活を徹底的に防ぐ目的の教育でした。従って野蛮な特攻攻撃は何の戦果も上げられなかった、無意味な作戦だったという内容の教育でした。
戦後の満員の映画館のニュース映画では特攻機がアメリカの戦艦の銃撃で無残に黒煙を吹いて海に墜落して行く場面を何度も見ました。たまに特攻機がアメリカの戦艦に体当たりして、艦上で燃える特攻機に対して何本もの消火ホースで水をかけている場面も出ますが、アメリカ側の損傷は軽微なのです。
そのようなニュース映画ばかり見て育ちました。その全てはマッカーサー占領軍の検閲を受けていたのです。映画も本も新聞雑誌も全て検閲を受けていたのです。敗戦国とはそういうものなのです。
冒頭に紹介したマッカーサー太平洋戦域連合軍総司令官や太平洋艦隊司令長官のニミッツ元帥の談話はアメリカ国内向けの談話で、日本の新聞では殆ど掲載されませんでした。当時は全ての報道に対してアメリカ軍司令部、GHQの検閲が厳しかったのです。
今日、ご紹介した連合国側の損害が明るみになったのは戦後、随分後になってからなのです。

嗚呼、敗戦から茫々72年!
戦争で亡くなった日本人、アメリカ人、その他の全ての国々の方々のご冥福をお祈りいたします。

今日の挿し絵代わりの写真は檜原村で平和に川遊びを楽しんでいる人々の風景写真です。一昨日撮りました。

それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈りいたします。後藤和弘(藤山杜人)





===参考資料、その他のアメリカ側損害の報告書===================
以下の資料はそれぞれの題目をそのままコピーし、それをキーワードにして検索すると全文が出て来ます。
(1)Submarine Report - Vol. 1, War Damage Report No. 58

(2) Submarine Report. Depth Charge, Bomb, Mine, Torpedo and Gunfire Damage Including Losses in Action ... It is the only report of the entire series which deals with war damage sustained by submarines. The remaining ...

(3)Battle of Savo Island August 9th, 1942 Strategic and Tactical Analysis
https://www.history.navy.mil/research/library/online-reading-room/title-list-alphabeticall...

(4) August 9th, 1942. Strategical and. Tactical Analysis. U. S. Naval War College 1950. NAVPERS 91187. Prepared By Department of Analysis Naval War College Commodore Richard W. Bates, USN (Ret) Commander Walter D.

(5)USS Birmingham CL62 War Damage Report No. 48 - Naval History ...

(6)W. » War Damage Reports ... The Navy Department Library ... Torpedo and Bomb Damage - Solomon Islands 8 November, 1943 ... (e) COMDT NYPearl ltr. ... I Torpedo Damage II Bomb Damage. LIST OF PHOTOGRAPHS. No. Title. 1. ... The aircraft torpedo detonated upon impact with the port shell at frame 20 about 10 feet ...
Carrier Locations - Pearl Harbor Attack - Naval History and Heritage ...

(7)Title List: Each Letter as a Separate List. » ..... List of Naval Personnel Who Died in the Honda Point Disaster ... Information in Relation to the Naval Protection Afforded to The Commerce of the United States in the West India Islands, &c. ..... Destroyer Report - Gunfire, Bomb and Kamikaze Damage · Destroyer Report - Torpedo and Mine Damage and Loss in .... Enterprise: On 28 November 1941, Admiral Husband E. Kimmel sent TF-8, consisting of Enterprise, the heavy ...
Anti-Suicide Action Summary - Naval History and Heritage Command

(7)2015/03/23 - Anti-Suicide Action Summary, issued as CominCh P-0011, deals with Japanese aerial suicide attacks against ... Mail or U.S. Registered Mail is authorized in accordance with Article 76 (15) (e) and (f), U.S. Navy Regulations. ... List 6 a(2) less 17th NavDisRep, SRNC, PRNC, SamDefGrp; c(l) Adm. & Mil. ... Others bombed, made torpedo attacks, used harassing tactics, or snooped. ... April and May figures are based on data taken from action reports, and are incomplete.
Disaster at Savo Island, 1942 - Naval History and Heritage

(8)2017/02/17 - This article examines the command and control breakdowns along with the various contributing causes such as personality conflicts .... Providing rear security for the force was the destroyer Yunagi (see Figures 3 and 4).
Solomon Islands Campaign - Naval History and Heritage Command

(9)2017/02/17 - Home · Research ... Wars, Conflicts, and Operations ... Title List: Each Letter as a Separate List. » ... The Navy Department Library ..... Information in Relation to the Naval Protection Afforded to The Commerce of the United States in the West India ..... Destroyer Report - Gunfire, Bomb and Kamikaze Damage · Destroyer Report - Torpedo and Mine Damage and .... As a result, the reports of commanding officers may differ although they participated in the same action and ...
Active Military Sonar and Marine Mammals - Naval History and ...

(10)2015/12/22 - Title List: Each Letter as a Separate List. » ..... Information in Relation to the Naval Protection Afforded to The Commerce of the United States in the West India Islands, &c. &c. .... The Naval Bombing Experiments .... Sunk and Damaged Ships and Craft ..... Four National Research Council reports provide substantial technical background and summarize the scientific progress in ...
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