後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

口腔リハビリステーションとは何か?そして言語聴覚士とは?

2017年04月21日 | 日記・エッセイ・コラム
高齢になると口が不自由になります。歯も悪くなります。たべものも呑み込み難くなります。声もしゃがれます。ろれつが回らなくなり会話が流暢でなくなります。誤嚥やむせることも多くなります。
このような問題に取り組み問題を解決するのが『口腔リハビリテーション・センター』です。
勿論、口腔リハビリには乳幼児の言語発達や吃音の問題や成人の失語症も診療し、問題解決をしてくれます。
このような口腔リハビリを行ってくれる施設が最近少しずつ増えてきました。
私の住んでいる小金井市には日本歯科大学が作った口腔リハビリのセンターがあります。
老人介護保険の対象になっている私もこの施設のお世話になっています。口腔リハリビとは何か分からないのに市役所の福祉課が行くように薦めてくれたのです。
そしてこの立派なセンターを作った菊谷教授のお話を聞き、はじめて口腔リハリビの重要性が分かりました。
数回通い咀嚼、嚥下訓練に通った後で、『日本歯科大学口腔リハビリステーション多摩クリニックと菊谷武教授を讃える』という記事を2017年02月18日 に掲載しました。

このセンターはJR東小金井の駅前にある立派な建物です。広い駐車場もあります。毎週、車で10回通い、咀嚼と嚥下のための歯の治療と舌の筋肉の訓練をしました。
この全国的に有名な口腔専門の施設を作ったのが菊谷 武教授です。2月18日掲載の前回の記事で菊谷先生の業績を詳しくご紹介してあります。
1番目の写真にこの日本歯科大学口腔リハビリステーション多摩クリニックのy建物の写真を示します。

2番目の写真はこのセンターのスタッフの写真です。菊谷教授は前列の中央に写っています。
この写真の出典は、http://dent-hosp.ndu.ac.jp/nduhosp/tama-clinic/ です。

そして3番目の写真は2月以来」10回の咀嚼、嚥下訓練と歯の治療をしてくれた岩渕 信歯科医の写真です。


さて10回の咀嚼、嚥下訓練の後で、この4月から私の話す言葉を明瞭にする訓練が始まりました。
そこで今日は4月から始めた言語機能訓練の様子を具体的にご紹介したいと思います。
最初に少し専門的な説明をします。
言語聴覚療法とは、病気や交通事故、発達上の問題などで、損なわれた言語、聴覚、発声・発音、認知などの機能を少しでも良くしようとする治療法です。
この治療は以下のように「乳幼児・学童期」と「成人」とによって違います。
【乳幼児・学童期】
うまく発音できない、また、お口の中の器質的な問題からおしゃべりが上手ではない、どもってしまう・声がうまく出ない・聞こえが悪いなどによる、発達の遅れ・自閉症・学習障害などの治療を行います。
【成人】
脳卒中や神経疾患、腫瘍の術後、事故などの後遺症から起こる構音障害や高次脳機能障害(失語症や記憶障害など)、認知症にともなうコミュニケーション障害、音声障害、聴力障害などの治療を行います。

私の場合はろれつが回らないので妻とのコミュニケーションがつかえることが時々あります。
筋肉の動きをコントロールする小脳が委縮して行く一種の病気を持っているのです。歩くとフラフラします。転びやすくなります。ろれつが回らず言葉が不明瞭になります。治療法が無いので難病の指定をされています。従って介護保険の適用を受けています。
そこで会話能力を改善する訓練を受け始めたのです。
4番目の写真にその指導をしてくれる言語聴覚士の橋本久美先生の写真です。

この橋本先生は教育系の有名大学を卒業し、発達障害児童の特殊クラスの先生の資格も取得しています。そして国家資格の言語聴覚士もとっているのです。
資格のことは後で知ったことですが、一番感動したことは具体的かつ適切な指導法です。
はじめてお会いした時、明言したのです。「高齢者のロレツを回るようにすることは易しいことではありません。しかし適切に訓練すれば良くなるものです。明快な会話が出来るように訓練してあげます」と言い切ったのです。
そして「北風と太陽」という童話を取り出して、朗読してくださいと言います。
なんとか読んだら以下の指導をうけました。
「単語は意味が分かるように一つ、一つ区切って明快に発音すること」と、もう一つは「文章の語尾は明瞭に発音し、そこで一回区切ること」でした。そしてろれつが回らないと、ついいそいで大声で話しがちですが、落ち着いて小さな声でゆっくり話せば、会話が順調になりますという指導です。
帰宅して、さっそく妻との会話に応用しました。妻は会話が流れるので「急に良くなった」と喜んでくれました。
それ以来、毎日、新聞小説を朗読しています。朗読には「単語は区切って明快に発音すること」と「文章の語尾は明瞭に発音すること」さえ実行すれば、朗読を聞く妻も文章の意味が分かります。

さて話をもどします。
言語聴覚士の橋本久美先生の守備範囲は高齢者特有のコミュニケーションの指導だけではありません。
乳幼児・学童期の、「どもってしまう・声がうまく出ない・聞こえが悪いなどによる、発達の遅れ・自閉症・学習障害など」の治療も行っているのです。
そのような子供を持った母親にとっては深刻な問題です。それに対応するのが「言語聴覚士」なのです。
世の中にはいろいろなプロフェッショナルな人々がいるものです。「言語聴覚士」もそのような人の助けになる貴重な存在なのです。

それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)