後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

貴方は花見酒をお飲みになりましたか?

2010年04月03日 | 写真

下の写真は今朝の9時45分に撮った写真です。青いビニールの敷物が10枚以上地面に敷いてあります。お昼ごろから人々が溢れるように集まって来て、花見酒を飲む場所を取っているのです。

毎年の年中行事です。私も若い時は職場の花見酒でこのような経験をしたことがあります。しかし最近は見るだけで、通りすぎて自宅へ帰ってきます。夕方、庭のテーブルに座って、若い頃の花見酒を想いながらビールを飲みます。今年は白玉椿の当たり年で沢山の花がついています。ジンチョウゲの花、スズランスイセン、山吹の花などが咲いています。庭の花々を見ながら花見酒のビールを飲むのも春の宵の楽しみです。しかし花々をみていると亡くなった懐かしい人々が眼前に現れてきます。春の宵の歓びと悲しみの混じった時間がゆっくり流れます。暗くなってくると寒くなってきます。明るい室内に入り、このような記事を書いています。春の宵をお楽しみになって、ゆっくりとおやすみなさい。

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江戸時代そのままの姿の浜離宮庭園

2010年04月03日 | 写真

江戸の町は明治維新で様変わりをした上で、関東大震災と第二次大戦の徹底的な空襲ですっかり町々の風景が変わってしまいました。江戸の面影を偲べる所は非常に少なくなってしましました。上野の山と不忍池、六義園などが僅かに江戸時代の雰囲気を残しています。その他と言えば代々の将軍が遊んだ浜離宮の庭園ぐらいでしょうか。一昨日、五代将軍、宣家が作った茶室や池の風景を撮って来ました。

JR新橋駅から海の方向へ歩いて14,5分で行けます。駐車場は一切ありません。浅草から40分の航行で離宮庭園の専用桟橋へ行けます。日の出桟橋から出る浅草行きの船は途中の浜離宮へには止まりません。静かな風景写真をお楽しみ頂ければ嬉しく思います。(終り)

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江戸時代から有名な小金井の桜

2010年04月03日 | 写真

小金井桜は江戸時代の初期に、玉川上水完成後まもなくの約270年前に、上水の堤に植えられたのが始まりと言われています。

有名になったのは江戸後期に長谷川雪旦の「江戸名所花暦」や「江戸名所図会」、そして歌川広重の「武州小金井堤満花之図」や「小金井橋夕照」という版画が江戸で売り出されてからのようです。そのお陰で、桜見物が流行って、江戸、明治と見物客によって賑わうようになりました。

現在、堤の桜は車の排気ガスで勢いがなくなりましたが、小金井公園に植えた染井吉野が勢いよく咲いています。そして、他に山桜、深山桜などなどが次第に咲いて行きます。

今日は染井吉野が下の写真のように満開になりました。その他の種類はこれからです。桜花の競演が始まりました。今週の土、日は桜まつりで賑わうでしょう。混雑を避けたい方々は月曜日以降のほうが良いです。

JR中央線、武蔵小金井駅北口から花小金井や清瀬方面行きのバスに乗り、7分くらいで公園西口前の停留所で降りるのが便利です。歩いても20分くらいでしょうか。

今日は朝から曇り日で、写真写りは良くありませんがお楽しみ頂ければ嬉しく思います。一番下の絵は広重の小金井堤の桜の版画です。出典は、http://www.ndl.go.jp/exhibit/50/html/wa33-5/wa33-5-005-l.html です。

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民族の名誉を守ったアイヌ人、知里幸恵さん、知里真志保さん、川村カネトさん、萱野茂さん

2010年04月03日 | 日記・エッセイ・コラム

民族の豊かな文化を日本人へ伝え、アイヌ民族の名誉を守ったアイヌ人を4人上げれば幸恵さん、弟の真志保さん、カネトさん、そして萱野さんと私個人は思っています。幸恵さんの事は昨日の記事に書きましたが、弟の真志保さんは秀才で旧制一高、東大を卒業し、言語学者になり、後に北海道大学教授になった人です。金田一京助さんの指導でアイヌ語を学問的に研究し、特に日本の多くの地名がアイヌ語に依ることを立証した研究も彼の業績です。萱野茂さんは二風谷に民族博物館を作り、アイヌ民族文化の復権運動を広く、精力的に勧めたことで有名な人です。後に参議院議員に当選し、国会でアイヌ語で質問、論戦をし、日本にはアイヌ民族が現存していることを示しました。

この中で川村カネトさんは少し変わった経歴です。北海道に陸蒸気(汽車)が走っているのを見て、鉄道建設の技師になった人です。鉄道敷設に先立って行う測量技師です。そして東海道線と中央線を結ぶ飯田線開設の為の困難な測量を完遂したのです。アイヌ人だけで編成した測量隊を北海道から引き連れて行って、天龍山峡の難所を突破して飯田線の線路の路線を決定したのです。国鉄の技術史に残る大きな功績です。その後、彼は出身地の旭川へ帰り、民族博物館を作りアイヌ文化を保存に努めました。彼の業績に感動した日本人が少年、少女むけに物語を書きました。沢田猛著、こさか しげる絵、「カントー炎のアイヌ魂」という本です。子供向けの本ですが私は興味深く読みました。感心してこの本の出版元へ電話をしてみました。浜名湖の弁天島にある地方の出版社で、「ひくまの出版」という会社です。この本は1983年2月が初版ですが版を重ねて、現在も売っています。一冊1570円だそうです。「ひくまの出版」のホームページから注文出来ます。この出版社は「ひくまのノンフィクションシリーズ(小学校中・高学年以上向)」という真面目な本を何冊も出版している会社です。良い本を出せば本屋さんはいつまでも存続出来るとことが分かりました。インターネットが幾ら栄えても、本の重要性は変わらないと感心したので少し紹介しました。(終り)


知里幸恵さんの悲しい文章が教える先住民との付き合い方

2010年04月03日 | 日記・エッセイ・コラム

19歳で夭折したアイヌの少女、知里幸恵さんの悲しい文章を昨日紹介しました。アイヌ民族の住んでいた太古ながらの自然の環境が、どのように変わったかを明快に描き出しています。その結果、人々の美しい魂の輝きが消え、民族は不安に満ち、不平に燃え、あさましい姿になってしまったのです。それが滅びゆくもの・・・・それが私達、なんと悲しいことなのでしょう、と書いています。この文章では北海道の土地がシャモ(和人)によって変わって行く様子を正確に書いています。そしてアイヌの人々の心の荒廃も分かり易く説明しています。しかし知里幸恵さんは和人を直接的には批難していません。その故に感動する人々も多く、後世に大きな影響を残しました。

アイヌ民族は土地の所有という概念を持たない狩猟民族です。フクロウや熊など自然のものが神さまです。文字は持っていません。しかし、「アイヌ神謡集」を見ると彼等の豊かな精神生活が分かります。尊敬したくなるような文化を持って、輝きながら生きていたのです。

世界中には今なお原住民という少数民族が生活しています。南米大陸の密林の奥深く。そしてパプア・ニューギニアの山々に。知里幸恵さんの悲しい文章はこのような先住民族とどのように付き合うのが最善かを教えてくれます。

農耕民族が狩猟民族の住んでいる土地へ入って行ってはいけません。農耕民族にとっては田畑が命です。森や密林を切り開き、田畑に変えます。農業用水のために自然の川に手を入れてダムを作り、田畑へ水路を作ります。これだけで狩猟民族の獲物や川魚が減少してしまいます。狩猟民族の生活が困窮します。

狩猟民族との付き合い方で重要なことは「そっとして置く」ことです。あるがままに狩猟生活が続けらるようにして置くことです。交易もしてはいけません。物々交換でもいけません。交易の富に目がくらんで、必要以上の獲物を獲ります。過剰に鮭を捕ります。そして資源枯渇へとつながるのです。

アイヌ民族の住んでいた蝦夷地の南端に松前藩がありました。アイヌとの交易で得た物資を、北前船で上方へ送って経済をまかなっていたのです。江戸時代からアイヌ文化へ悪い影響を与えていました。アイヌ民族による反乱がそれを物語っています。そして明治維新によって蝦夷地は北海道と名前が変わり、今度は強制的にアイヌ文化の破壊が始まったのです。

南米の国々では原住民を保護する方法として「接触しない方法」をとっています。兎に角、文明社会の人々が接触することを禁止し、接触しないように監視しているのです。よく「学術調査」のために学者が入って行きますが、それもいけません。勿論、宣教師も文化に影響を与えるのでいけないのです。学者と宣教師は入っても良いという時代もありました。しかし宣教師のお陰で、西洋人と付き合いだし、西欧化したアフリカの緒民族の運命を見ると、「宣教師もいけない」と思えます。

宣教も学術調査も結局は自分達の利益に繋がります。原住民の利益にはなりません。この考え方の延長にあるのが「調査捕鯨への反対運動」と思われます。それはさて置き、明治維新の時、どうすればアイヌ民族文化が存続したでしょうか?

松前藩を廃止し、蝦夷地から和人の強制引き揚げを実行し、北海道をアイヌ民族の自由にさせれば良かったのです。しかし、欧米の植民地化をおそれ富国強兵を急ぐ明治政府にとっては北海道を諦めることは出来なかったのです。それが善い事だったのでしょうか?皆様のコメントを頂ければ嬉しく思います。

今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。藤山杜人

下の写真はあとみんさんのブログ「富良野健康生活」からお借りした北海道の新緑の季節の富良野の山林の様子です。

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