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深く、重いメッセージ『写真集 インドネシア残留元日本兵』

2015年08月14日 | 読書

著者は地元の写真サークルの講師でもある長洋弘氏である。ジャカルタ日本人学校の美術教師として赴いた現地でその存在を知り、以来30年にわたって聞き取り、撮り続けた記録。戦争が終わったのに家族の待つ日本に帰らず、インドネシア独立戦争に参加し、その後も彼の地に留まり生涯を終えたのか。その疑問に、灼熱に焼けた顔に深く刻まれた皺、眼差しが110人の生き様として静かに答えてくれる。中でも前著『帰らなかった日本兵』(朝日新聞社刊)同様、<深い悲しみに私は圧倒されていた>という土岐氏の半生である。帰りたくても帰れなかった。家族や故国への思いをしまい込んだままの胸中を重いメッセージとして受け止めたい。<戦後70年の今年、日本国の行方に警鐘を鳴らすべく、…>とともに。明日8月15日は、それぞれの運命を変えた戦争が終わった日である。

          

      



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