今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

日進気象観測データを分析

2017年11月25日 | お天気

ノルマにしている年に論文2本。
その2本目の論文は、日進キャンパス(愛知県日進市竹の山)で観測している気象データ1年分の集計・分析。

いわば事例研究にあたるが、観測項目に露点温度やUVIndex、体感温度が入っている点が気象庁アメダスとは異なる。

「日進」の観測データは15分更新でネット配信しており、自分でもしょっちゅうチェックしいてるのだが、1年分のデータ(気象データとしては短期間すぎるが)から年変化(12ヶ月平均の時系列)と日変化(毎正時24時間平均の時系列)を探ると、見落としていた傾向に気づかされる。

データ間隔は10分なのでアメダスより6倍高密度。
そのため、毎日の気圧の12時間周期(大気潮汐)をきちんと捕捉できる。

露点温度は相対湿度より降水との相関が高いことがわかり、また変動が気温の影響をうけないため、大気の「可降水量」(可能な最大雨量)の指標になるといわれていることが納得できた。

日射量は夏至のある6月が最大値を迎えるが、UVIndexは8月に最大値を迎えるのは例年の傾向だ。
紫外線率(UVIndex:日射の比)も8月が最大になる。
つまり日射(可視光・赤外線)は太陽高度に機械的に相関しているが、それより短波長の紫外線は太陽高度が下る8月がもっとも強いのだ。
その原因には、エーロゾル(大気浮遊物質)とオゾン層の変動周期が関連している。
UVケアは8月こそ念入りに!。 
ちなみにUVIndexが8(強い)を越えるのは5月〜9月の間。

体感温度の最高値は気温の最高値を出した日時と一致しなかった。
なぜなら体感温度は気温の他に風速と湿度に影響されるため。
冬季は風速、夏季は湿度の影響が顕著となることも確認できた。 
年間では体感温度が気温より低い月の方が多い。 

「日進」の定常風は北西風であることを確認。
この風は冬季に濃尾平野を疾走する「伊吹おろし」に相当するが、冬季以外にもふつうに吹いている。
もっとも夏季は南南東風が卓越する。
意外だったのは、北風は6月に最多だった(逆にみても6月の風向分布は北風が最多)。 
つまり6月(梅雨期)は夏季の卓越風とも定常風とも異なる風系に支配される(南岸に停滞する梅雨前線に向う風だろう)。 

以上の内容を含んだ分析を論文にした。
活字になるのは来年3月の予定(そうなったらこのサイトにPDFをリンクする) 。


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