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大地震に季節傾向はあるか

2012年03月10日 | 防災

東北地方太平洋沖地震(M9.0)が起きた3月11日は、
今を共に生きるわれわれにとって忘れられない日となったが、
過去の地震を思い出すと、
兵庫県南部地震(M7.3)は1/17、関東大地震(M7.8)は9/1、中越地震(M6.8)は10/23、
それに愛知県民として忘れてならない戦時中の三河地震(M7.1)が1/13、
昭和東南海地震(M8.0)が12/7、昭和南海地震(M8.0)が12/21と、
なんか寒候期(10-3月)が多い気がする。

そこで、過去の地震のおきた日などをきちんと調べてみた。
といってもすでにデータをまとめてくれた本と気象庁の情報サイトにあたっただけだが。
M7.0以上、もしくはそれ未満でも人的被害が大きかった地震(以下、大地震)を、
7世紀から21世紀まで(西暦679年から2011年まで)抽出して
パソコンソフトでデータベース化した。
該当した地震は計212件。
平均すると6~7年に1回は起きている計算となるが、実際は静穏期と活動期に別れる。

1.まず一番気になった、季節差の有無を確認した。
発生した月日がわかっている209件の月分布からは、12の月にほぼ均等に分散していた
(江戸期以前の記録はグレゴリオ暦に変換)。
どの月が1位か、ということすら言えないほど均等だった。
すなわち、「大地震は寒候期に多い」という仮説は支持されなかった。
時間軸でみる限り、地震は確率的現象とみたほうがいい。
主観的印象と客観的事実はかくもかい離しているのだ。
あらためて、統計をとることの重要さを痛感した次第。 

ただ、東海・東南海・南海の南海トラフの地震に絞ると、
暖候期(4-9月)5、寒候期12と大きな差があった。
トラフ続きの日向灘も暖候期3、寒候期5で同じ傾向。

また、M8.0以上の巨大地震に絞ると、上の南海トラフの影響もあって、
暖候期9、寒候期19と寒候期が多かった。
この差に科学的意味があるかは不明だが…。

2.集計ついでに、大地震の回数が多かった震源域はというと。
多い順に、宮城・金華山沖13、三陸沖11、紀伊半島沖11、青森沖11、
釧路・十勝沖10、根室沖9、日向灘8、相模(湾)7、房総沖7
といずれもプレート境界であった(空間的な差は明瞭にある)。
プレート境界では同じ場所で繰り返し地震が起きるわけである(北日本の太平洋側が多い)。
ただし東海地震の震源域(駿河湾~遠州灘)での大地震の回数は5で、
南海トラフの他の震源域(紀伊・日向)より少ないことも示された
(来る来ると言われてなかなか来ない東海地震は単独では来ないかも)。

3.逆に、大地震の震源から遠い県は、
山梨、富山、奈良、香川、岡山、山口、佐賀、大分、熊本※、鹿児島と、
東北・関東は0で、西日本、とりわけ九州が多かった。
これらの県は長い目て見て巨大地震に対しては安全といえる
(ただしM7未満の震源にはなっているし、
考古学・地質学レベルでの大地震の痕跡はあったかもしれない)

※2016年4月16日の熊本の地震(M7.3)は、ここでの「大地震」の条件(M7以上)を満たしたため(しかも2回発生)、このリストから削除する。熊本の例のように、過去(歴史記録)に大地震がなかったからといって安全とはいえないことが身にしみた。

プレート境界から遠いのに、ここに入っていない県(日本海側や内陸など)は、
別種の地震である「プレート内(活断層)」の地震の震源に近いのである。

4.大地震の”特異日”というのはあるのか(あまり意味のない集計だが)。
過去に大地震が3回あったのは以下の日である(4回以上はなかった)。
3/11、8/2、8/12、9/5 、11/26、12/7
これらの日の前後も2回あった日が並んでいたりするので、
比較的発生確率の高い日として留意するにこしたことはない(客観的には偶然とみなせるが)。

5.東日本大震災より人的被害(死者・不明者)の大きかった地震。
過去の地震で今回の地震(19263人)より人的被害の大きかった地震は以下のとおり
(ただし明治以前のは正確な人数は不明)。

1341年 青森での地震? 26000?人
1498年 明応地震 (M8.4 南海トラフ) 40000?
1662年 琵琶湖付近の地震 (M7.6 活断層) 22300?
1828年 新潟での地震(M6.9 活断層) 30000?
1854年 安政東海地震(M8.4 南海トラフ) 30000?
1896年 明治三陸地震 (M8.5) 26404
1923年 関東大震災 (M7.8)  142807

三陸沿岸は今回以上の被害を過去に経験していたのだ。

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