山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

花を探して大月の山へ しかし探索失敗  平成29年7月24日

2017年07月26日 | 番外編
 キバナノショウキランは富士山界隈でしか見られないものかと思っていたのだが、山岳会のメンバーから数年前に大月の山で見たという情報をいただいた。ルートとおおよその場所を聞いたので22日に出かけてみたが、登山道の入り口に到着したところで頭上で雷が鳴り始めてしまう。30分ほど待ったが遠ざかる様子は無く撤退となる。そして24日再訪してみたが、生憎の天候でいつ降り出してもおかしくない空模様だ。しかも気温は30℃近くありかなり暑い。山頂まで行くわけでは無いので、午後2時半から歩き始める。果たして本当にそんな花があるのだろうか?


    入り口付近で見つけたジャノヒゲ(リュウノヒゲ)。


    先日見かけたオオバジャノヒゲに比べて小型で葉が細い。花も紫色が強い。


    普通のマムシグサに見える。


    これは?良く見かける気もするが・・・。


    星型の実が付いている。調査中。


    イワタバコが咲き出していた。


    イワタバコ


    沢沿いの道を進む。ほとんどが杉の植林帯だが、探しているキバナノショウキランはブナなどの広葉樹林の倒木に腐生する植物だと思う。


    斜行する堆積岩の層が面白い。


    ここから先は沢を離れて稜線に登る尾根道。しかもヒノキの植林帯でこの上にあるとは考えにくい。

 標高差にして450mほどを花を探しながら右往左往しながら歩いたが、全くそれらしきものは見つからなかった。それよりも、ほとんどが植林帯で杉の倒木ばかりで、探し物があるような環境には無いように思う。場所を間違えたか、あるいはキバナでは無いほうのショウキランだったか?再度場所を確認して来年にでも再トライしてみたいと思う。今回の探索は失敗に終わった。


    収穫といえばこの花くらい。


    ガンクビソウ。普通にありそうに見えるが意外と出会えない。大きなガンクビソウは絶滅危惧種に入っている。

 行動時間は3時間半ほどだったが、絞れば流れ出そうなくらいの大汗をかき、体力を大きく消耗した。1リットルの水で足りなくなりそうだったので、沢の源流で300mlほど水を汲んで補給した。汗かきの私には行動しにくい季節である。
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白い腐生ランを求めて静岡県境の山へ  平成29年7月21日

2017年07月25日 | 花・花・花
 静岡県境の山に白い腐生ランが咲くという話は数年前に聞いたことがあったが、実際に見たことは無かった。今回知人を通して情報を提供していただき、さっそく見に行ってみた。現地近くになると、偶然にもその花を見に来た女性3人組と出会い、詳細な情報を提供していただくことが出来た。さらには、いろいろと話を伺ってみると、情報の発信元が同じ人物であったことも判明して驚いた。


    登山道脇に咲いていた初見の花。ジャノヒゲにしては葉の幅が広いし、ヤブランにしては背が低い。


    調べてみると、どうやらオオバジャノヒゲ(ユリ科ジャノヒゲ属)という花。


    トチバニンジン


    穂を出したキッコウハグマ


    テイショウソウはまだ花穂を出していない。


    これは本物のヤブレガサ。確かに御坂山塊のヤブレガサらしき葉とは違うように見える。


    現地で情報をいただいたので、あっさりと出会えました。


    探しものはこの花。シロテンマ。


    こちらはもう終わりかけ。


    こちらはまだ蕾。

 一昨年櫛形山で出会った以来となるシロテンマだが、こちらのものは櫛形山に比べて背丈が半分くらいしか無い小型のものだった。しかし、花を見る限りでは全く同じ花だ。オニノヤガラの変種とも言われているが、真っ白な花を見る限りでは別物のように見える。

 なかなか出会うことが出来ない花なので、情報提供いただいたこの山の主に感謝である。
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青木鉱泉界隈を花散策  平成29年7月17日

2017年07月19日 | 花・花・花
 最近はロングコースの藪山中心の山行が多くて、日程的にも予定が合わず全く参加していなかった嶺朋クラブの山行だが、珍しく青木鉱泉界隈の花見山行を行うとのことで参加させていただいた。嶺朋クラブ以外の方の参加もあり、メンバーは総勢で8人ほどになった。先週行われた鳳凰山山岳レインジャー調査の際に青木鉱泉界隈でオニノヤガラを見つけたそうで、それを観察に行くのが一番の目的であるが、沢沿いのルート周辺にはそのほかにもいろいろな花があるはずだ。


    まず最初にお出迎えしてくれたのはクモキリソウ。少し時期を過ぎてしまっている。


    その先の森の中にも、あちらこちらで見かけられた。どれも青々とした葉で元気に育っているように見える。


    キツネノボタン


    キツリフネ


    青木鉱泉宿舎の前に咲いていたウツボグサ


    ウメガサソウ


    意外と近場で1本目のオニノヤガラを発見。少し遅かった。


    イチヤクソウ


    シナノナデシコ


    同上


    近くに別のナデシコ。茎を触るとベタベタしている。ムシトリナデシコ。


    オニルリソウと思われる。


    もうすぐ咲きそうなモミジガサ


    足元に咲いていた可愛らしい花、コナスビ


    途中で出会ったオニノヤガラ


    まだ蕾で、まさに鬼の矢のようだ。


    葉の名残り


    露出していた球根のような根


    最終目的地のオニノヤガラ。


    少し緑色がかった花が咲いていた。

 ちょうどお昼頃となって、沢沿いの少し広くなったところで休憩し、昼食となった。クモキリソウがたくさん咲いているところを見ると、花たちにとって居心地の良い場所なのだろう。帰りは別ルートで戻ることにする。


    河原に咲いていたオオビランジ


    ミミナグサ


    トリアシショウマ


    オトギリソウ(ではなくてトモエソウでした)。


    フタバアオイ


    シャクジョウソウ


    こちらにもウメガサソウ


    ベニバナイチヤクソウのようだが、花に比べて葉が小さく、おそらくはムヨウイチヤクソウ。


    こんなところにもこの花が咲くのか。


    ジガバチソウ

 さほどの距離ではないが、ほとんど私の花歩きピッチでゆっくりと散策していただき、三脚を出して存分に撮影させていただいた。想定していた以上に様々な花に出会うことが出来て有意義な花見山行だった。
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昨年出会えなかった花を探して甲州アルプス(大菩薩・小金沢連峰)へ  平成29年7月16日

2017年07月18日 | 花・花・花
 大菩薩・小金沢連峰は甲州アルプスという名前で呼ばれるようになりつつあることを最近知った。アルプスという名前が付くと何か凄い山を歩いているような気がする。

 昨年はこの山塊のニョホウチドリを見て廻ったが、いずれの場所も笹原に飲まれつつあり危険な状態にあるように見える。特に大菩薩嶺界隈は個体数がかなり減少しており、消滅するのは時間の問題のように見える。もはや柵で囲ってどうにかなるようなレベルでは無く、笹をなんとかしなければどうにもならないのではないだろうか?数を増やすのはかなり難しいように思う。今回はこの花を見たいこともあったが、もうひとつ昨年探してはみたものの全く出会えなかった花を再度探しに行ってみることにした。昨年探した場所で間違いないはずだが、個体数は少ないらしい。


    こんなところにエゾスズラン。花付きが悪くあまり元気には見えない。


    かなり大型だが、普通のマムシグサと思われる。


    苔の生した豊かな森に見え、イチヨウランやキソチドリがあっても良さそうなものだが、ラン科植物は全く見当たらない。

 前日の八ヶ岳13時間半が少しばかり足に堪えて、膝と足首が若干痛い。ふくらはぎも張っているが歩けないほどでは無い。とにかく歩幅を狭くしてピッチを上げずゆっくりと歩き、現地に到着した。


    ニガナとシロバナニガナが仲良く並んで咲いている。


    意外とあっさり見つかったこの花。昨年も同じ場所を歩いたはずだが?


    予想していたよりも小さな花だった。


    今年は出会えました。ヤ・マ・トキ・ソウ。


    笹に負けずにニョホウチドリと向き合いながら咲いていた。


    ここは4株まとまって咲いている。笹と共生出来るのだろうか?

 昨年も全く同じ場所を歩いているはずだ。その翌日に私の所属する嶺朋クラブのメンバーが歩いてこの花を見ているので、見落としたのは間違い無さそうだ。数は少ないと聞いていたが、今年は20株近く見ることができ、さらに別の場所でも10株ほど出会うことが出来た。昨年は何を見て歩いていたのか?自分の花探しレベルの低さに呆れる。さらにニョホウチドリも狭い範囲だけだが見て廻った。


    笹薮の中に咲いたニョホウチドリ


    同上


    別の場所に咲いていたニョホウチドリ


    こんな笹薮の中で大丈夫なのか??

 ニョホウチドリは笹薮に飲まれて消滅(してしまったように見える)した場所もあるが、不思議と笹原の中に空いた草地の中には生えていない。そして部分的に柵で囲われた場所があるのだが、その中にも咲いていなかった。ひょっとしたら、私たちが思っているほどに笹との相性は悪く無いように見えなくも無い。これも何年か観察して個体数の変化を見て行かないとわからないのかも知れないが、個体数が減ってきた時にはもう手遅れになってしまうのかも知れない。植物の世界はわからないことだらけで、何をどうすれば本当の保護に役立つのか、良く考えて行動しなければならないと思う。

 帰りはいつもとは違う林道を歩いて戻った。


    林道沿いにはシロバナウツボグサがこれでもかというくらいにたくさん咲いていた。


    こんな環境の森ならばきっと居ると思っていた。


    クモキリソウ。林道脇に固まって咲いていた。


    最後は車道を歩いて駐車場に戻る。トリアシショウマ。


    キバナノヤマオダマキ

 笹に飲まれつつも、共生しているのか、それとも必死に咲いているのか、ヤ・マ・トキ・ソウもニョホウチドリも元気に咲いているように見える。これから先はどうなって行くのか、どこで笹刈りをはじめとする手入れが必要になるのか、慎重に見極めて行く必要がありそうだ。
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八ヶ岳に咲く稀少なラン科植物たち(権現岳続編)  平成29年7月15日

2017年07月16日 | 花・花・花
 八ヶ岳の山梨県側ルートにまだ出会ったことが無いラン科の植物が咲いているらしい。植物観察会が予定されていたのだが、諸般の事情で中止となってしまい、自力で探すことになる。そのほかにも、前述したタカネサギソウを含めて様々なラン科植物がこの山域には生育している。


    ヒメムヨウラン。時期が遅かったこともあるが、今年は数が少なく、2株しか発見できず。


    イチヨウラン。見かけたのは1株だけ。


    カモメラン。昨年に続いて咲いていたのは1株のみだった。葉の数も減少しており、この場所では絶滅寸前という気がする。


    タカネサギソウ。山梨県ではレッドデータブックに載っていないが、2年後の書き換えでは絶滅危惧種に入ってくると思われる。


    残念ながら蕾だった。

 ここまでの花は毎年行われている山梨県山岳レインジャー活動の調査で報告されているラン科の植物たちである。ここから先はまだレインジャー活動報告に載せられていない花たちである。


    ガッサンチドリ(おそらく)。私一人では判別できず、お会いしたランに詳しい方から教えていただいた。


    下手な写真でいまひとつ分かりにくいが、距がきわめて短い。


    こちらが良く見かけるキソチドリだが、距の長さが全く違い、別の花であることは明らか。


    アオチドリの緑花なのか、それともタカネアオチドリなのか?


    背丈は10~15㎝ほど。


    こちらはやや大型の株。この鈴生りにたくさん花を付ける姿はアオチドリとは別物のように思う。


    これは三ツ峠で見かけたアオチドリ。


    こちらは櫛形山のアオチドリ。

 三ツ峠および櫛形山のアオチドリと比べると、八ヶ岳のアオチドリは花の付き方が鈴生りにたくさん付いている。タカネアオチドリの特徴として小型であることと唇弁が短いことがあるが、画像を見比べてみると八ヶ岳のものは唇弁が短い。さらに、この花の付き方を見る限りではいつも見ているアオチドリとは別物、タカネアオチドリで間違いないのではないだろうか。


    そしてこれが今回探していた花、琥珀のラン。


    折角見つけたのに踏み倒されている。ここは登山道では無いので動物の仕業か?


    しかし、別の場所でも発見。


    琥珀色の輝き、琥珀ラン。

 権現岳往復で13時間半という長時間を要したのは、このような希少な花たちの探索と撮影に多大な時間を要したためである。予定通りのタカネサギソウ、見つかるかどうか分からなかった琥珀のラン、そして何年振りかのケブカツルカコソウにも出会えた、充実した八ヶ岳花山行だった。
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花咲く権現岳へ  平成29年7月15日

2017年07月16日 | 花・花・花
 昨年も訪れている権現岳であるが、訪れた時期が早かったようで見つけられなかった花があり今年こそはと意気込んでいた。心配なのは天候で、ここ数日間きわめて暑い日が続いており、午後からゲリラ豪雨に遭ってもおかしくない天候である。天気予報を見ても夕方には雨が降る予報である。天候の変化を見ながら、場合によっては途中で引き返すことも考えつつ、朝6時に天女山から出発する。


    朝6時スタート。前日は中央道八ヶ岳サービスエリアで車中泊した。


    朝の天気は良好、南アルプスがくっきりと見える。


    雲海に浮かんだ富士山。


    目指すは右側の鋭鋒権現岳だが、場合によっては途中で引き返す。


    朝日射すゼンテイカ(ニッコウキスゲ)


    朝露に濡れるウツボグサ


    イブキジャコウソウは登山道沿いにたくさん咲いている。


    蕾のエゾスズラン(アオスズラン)。咲いた頃にはうまくすれば南アルプスを背景に撮影出来るかもしれない。


    ニシキウツギ(と思われる)。本日も超ゆっくり歩き。登山者には皆追い越してもらう。


    前三ツ頭への急登。ここは何度通っても辛い。


    前三ツ頭付近に咲いていたヨツバシオガマ。まだ蕾が多かった。


    ハクサンチドリは鹿にやられたか、数が激減している。


    前三ツ頭のこの草地とその周辺にはかつてはたくさんハクサンチドリが咲いていたが、ほとんど見かけなくなってしまった。


    樹林帯の中で見かけたイチヨウラン。


    これはヒメハナワラビか?


    ヒゴタイの葉も何種類か見かけた。これはコウシュウヒゴタイか?


    形の違うこの葉はやや薄く見え、ヤハズヒゴタイではないだろうか?


    さらに権現岳山頂付近で見かけたものは総苞が黒ずんでおり、タカネヒゴタイではないかと思う。いずれも花が咲いてみないとわからない。


    前三ツ頭から、雲の切れ間に姿を現した富士山。

 前三ツ頭で富士山が姿を現したところで休憩し、昼食をとる。心配していた天候は今のところ大丈夫だが、権現岳側は雲が巻いており時折黒っぽい雲が流れてくる。ゴロッと鳴ったら速攻で撤退だが、もし権現岳山頂あたりで雷雲に出会ってしまったら三ツ頭に登り返すまではほぼ森林限界を超えているので雷雲の避けようが無い。最悪の場合は権現小屋に一晩ご厄介になるしか無いだろう。前三ツ頭で休憩した後は、休憩無しで権現岳まで登る。


    三ツ頭。権現岳は雲に巻かれている。


    三ツ頭のチシマギキョウは咲き始めたばかり。


    葉っぱがランのようだったので、何だこれは?と思ったのだが。


    落ち着いて良く見ればタカネシュロソウ。周辺にも同じような葉がたくさん出ていた。


    まだ蕾のタカネシュロソウ。花期になるとこのあたりでは普通に見られそうだ。


    ミヤマクロユリ。


    咲き始めたばかりのコゴメグサ

 さて、権現岳の鎖場を越えていよいよ核心部の権現岳直下の岩場にさしかかる。この界隈は高山植物の宝庫である。時折雲に巻かれて視界が遮られることがあるが、予想していたよりも天候は持ちそうである。これならば・・・思う存分写真を撮って午後3時までに下山を開始すれば大丈夫そうだ。


    権現岳山頂と阿弥陀岳、赤岳。これほどの眺望が得られるとは思ってもいなかった。


    ムシトリスミレ。草地の中よりこんな岩の間に咲いているこの花のほうが似合っているように思う。

    
    クモマナズナと権現岳


    イワベンケイと権現岳


    ミヤマオトコヨモギと編笠山


    ミヤマダイコンソウと編笠山


    ハクサンシャクナゲと編笠山


    ミヤマシオガマと編笠山


    ミヤマダイコンソウと・・・もう言うまでも無し。

 権現岳山頂付近を右往左往しながらたくさん写真を撮った。しかし、なかなかお目当ての花が見つからない。ようやくそれらしき葉を1枚だけ見つけたので、その界隈を探してみると・・・あった。本日の目的の花、タカネサギソウ。しかし、折角出会えたのにまだ開花していない。1週間ほどフライングだったようだ。今年は花期が遅れているのを配慮のうえでこの日を選んだのだが、それでもまだ早かった。


    やっと出会えたタカネサギソウ。


    しかし、残念ながらまだ蕾。


    下山途中の登山道脇にも何株か咲いていた。しかし、開花している花には出会えなかった。

 時間は午後2時40分になった。天気はまだ持ちそうだが、とりあえずは目的の花に出会えたことだし、写真も存分に撮った。下山開始する。

 もうひとつ、平成25年にその花を最後に見て以来、その後訪れるたびに探しているもののどうしても見つからない花があった。登りながらじっくり探してきたつもりだったがやはり見つからず、絶滅危惧種の花なのでもはや絶えたのではないかと思っていた。しかしもしかしたら?と、登りの時とは反対側の草むらを覗き込みながら歩いていると・・・!奇跡的にその花と出会うことが出来た。4年ぶりの再会である。1ヶ所でしか見つけることが出来なかったが、とにかくまだ残っていてくれたことがとても嬉しかった。


    日没間近、最後の最後で出会えたこの花。


    初めて見た時は変わり者のジュウニヒトエ?と思っていたが・・・。


    あまりお目にかかることが無いケブカ・ツル・カコソウという花。

 他にもいろいろと探し物があったため、下山は日没過ぎの7時半になり、ヘッドライトを点灯しての下山となった。実に13時間半も山の中に居たことになる。単純に権現岳往復だけであれば、ゆっくり歩いても10時間はかからない。そのほかの3時間以上(実際はおそらく5~6時間)は花探しと撮影に費やしていたということである。天候に恵まれて、これだけの花が見られただけでも十分満足であるが、その他にも様々な花に出会うことが出来た。(続編に続きます。)

   
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静岡県側の冨士南麓の森を訪れる  平成29年7月9日

2017年07月13日 | 番外編
 山梨県県南部のラン探しで良い思いをしたので、気分が良いところでそのまま帰ったほうが良かったかも知れなかったが、まだ時間が早かったので訪れたことが無い静岡県側の富士山南麓の森をちょっとだけ散策に立ち寄ってみた。

 駐車場に到着すると、親子連れの小学生と思われる大人数の団体さんが2組森から出て来た。総勢50~60人は居るのではないだろうか。この場所はそんなに簡単に行ける場所なのか? 登山フル装備でスパッツまで装着している自分の格好が浮いて見える。森の中に入ってみて納得した。綺麗に整備された遊歩道のようになっていた。


    綺麗に遊歩道が整備されている冨士南麓の森。


    苔生した倒木やブナの木があり、豊かな自然を感じさせる森。


    山頂付近には祠が立っていた。


    林床にはツルシロカネソウがたくさんある。


    この季節でもまだ咲き残っているツルシロカネソウ。


    ヤマトウバナ


    サワギク


    もうすぐ咲きそうなモミジガサ


    ウバユリ


    ナルコユリ

 これだけ綺麗に遊歩道が整備されていると、花探しのためとはいえさすがに遊歩道を外れて森の中へ踏み込む気にはなれない。見たかったのは先日富士山北麓の森で出会えなかったキバナノショウキランだったのだが、残念ながら発見できなかった。この日は既に運を使い果たしている感もあるが、初めて訪れる森でほとんど情報も無く花を探し当てるのはやはり難しい。今回は時間も遅かったのでさっと歩いて来ただけだったが、機会をみてじっくりと再訪してみたいと思う。
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山梨県南部でラン蘭  平成29年7月9日

2017年07月11日 | 花・花・花
 八ヶ岳か、山梨県県南部に行くか迷ったが、高速道路に乗ってから県南部に行くことに決める。おそらくは一昨年訪れたものの既に花期を過ぎていた紅色の蘭が咲いている頃だろう。それともうひとつ、場所がわからないが見ておきたい着生植物がある。見つかるかどうかは勘とほとんど運試しのようなものだ。さて、いかに?


    道路脇の草むらに奇怪なテンナンショウの葉が出ていた。これは??


    フイリスルガテンナンショウではないかと思うのだが、花の時期に付属体の先端部の形を見ないとわからない。

 現地に到着し、苔の生した岩壁がある場所に行ってみると・・・咲いている。しかもちょうど見頃の満開!予想していた以上にたくさん咲いている。


    居ました。紅色のシュスラン。


    花も葉もなんと綺麗なランなのだろうか。感動!


    くちばしのように細長い花だが、唇弁があり確かにランの形をしている。


    2年後の山梨県レッドデータブック書き換えの際には確実に絶滅危惧種に入ってくるであろう花。


    終わりかけたユキノシタ。その周辺にも咲いている。


    場所を移動して同じような環境の別の岩壁を探してみると、数は少ないながらそこにも咲いていた。

 この地域の苔生したややジメジメした岩壁にはどうやらこの美しいランが生育しているらしい。

 この花を存分に楽しんだ後に、今度はあまり慣れていない着生ランの観察に出かける。川沿いで空気湿度が高く、ノキシノブやマメヅタがたくさん着生しているような木を探し、双眼鏡や望遠レンズを使って幹や枝を覗き込んでみる。果たして見つけられるかどうか?運試し!!


    何かバルブのようなものが出ているが? どうやらこれはマメヅタの胞子。


    この木にはカヤランが着生している。


    同じような木にヨウラクランが着生していた。


    ヨウラクラン。花は終わり結実間近。


    何かツル性植物の葉。


    こんなものも着生(?)していた。


    こんなカエデの木が怪しいと思うのだが??


    美しいシダが着生している。


    この木にはカヤラン。

 車で移動しては三脚と望遠レンズと双眼鏡を担いで怪しい場所を点々と歩き、10ヶ所近く歩いたところで何やら青々とした葉がびっしりと着生している木を発見した。望遠レンズを装着して覗き込んでみると、マメヅタとは明らかに違うものがノキシノブと一緒に着生している。種のようなものも付いている。これこそは・・・!


    ノキシノブ一緒に何やらマメヅタとは違う葉が着生している。


    手前の木にも、向こうの木にもビッシリ。


    間違い無さそうだ。これこそが運試しで探していた着生ラン。

 200㎜最大望遠ズームでも距離が遠くてズームが足りない。車に戻って300㎜望遠レンズと2倍エクステンダーを持って来てさらにズームをかけて覗き込んでみる。


    400㎜ズーム。やや光沢のある大きな葉がたくさん着生している。


    種らしきものがたくさん着いている。


    さらに600㎜ズーム。間違い無し。これこそが運試しで探していた麦の蘭。


    トリーミング


    場所によっては着生ランらしく長い根を張り、昨年の種らしきものも着いている。

 どうやら今日は天が味方してくれたようだ。情報が少なく出会うのは困難であろうと思っていた麦のランに出会うことが出来た。大満足である。

 ついでに、と言ったら花に失礼だが、そろそろ開花するであろう蜘蛛のランも見に行ってみた。


    上にクモラン、下にはカヤランが着生している梅の木。


    クモラン。


    小さな小さな花穂を出しているが、どうやらまだ蕾だ。

 満開の紅のシュスラン、そして探すのは困難と思っていた麦のランにも出会うことができ、この日はたいへん良い日となった。麦のランは花が咲く季節に再訪してみて、どんな花が咲くのか是非とも見てみたい。

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花咲く櫛形山へ(後編) ~復活したアヤメ~  平成29年7月8日

2017年07月11日 | 圏外編
 先行している山梨県山岳レインジャー隊から約3時間遅れの11時半に池の茶屋登山口を出発し、管理歩道を歩いて裸山には午後3時に到着した。この時間になるともはや人は少なく、裸山山頂から下りてきた7~8人のグループを見送った後はもう誰も居なくなった。三脚を取り出して思う存分復活したアヤメのお花畑を撮影させてもらう。


    復活した裸山のアヤメ。昨年以上に咲いている。そしてまだ花を咲かせない若い葉もたくさん出ている。


    アヤメ。まだ蕾もたくさんある。


    アヤメ


    2年前に新たに囲われた場所はキンポウゲが復活。


    オオヤマフスマが群生


    アヤメとキバナノヤマオダマキが仲良くたくさん咲いている。


    裸山山頂。もう誰も居ない。


    山頂付近もアヤメが復活しつつある。アヤメを前景に富士山を撮影できる日もそう遠く無いかもしれない。

 アヤメが復活した裸山のお花畑を十分に満喫し、裸山の裏側からもみじ谷側の周回歩道に下りて西側からアヤメ平に入る。時間は午後4時を過ぎ、アヤメ平にも誰も居なかった。


    西側からアヤメ平に入る。


    アヤメ平のお花畑。青々と茂った草むらの中にキンポウゲやテガタチドリ、グンナイフウロなどが咲いている。


    テガタチドリは咲き始めたばかり。


    遊歩道脇に元気に咲いた色の濃いテガタチドリ。


    キンポウゲの中に咲くテガタチドリ


    白花のエゾノタチツボスミレ


    平成峡側の草地もキンポウゲがたくさん咲き、アヤメも復活し始めている。


    アヤメとキンポウゲ、テガタチドリの姿もある。


    今回のアヤメ平で一番見たかったのがこの花。


    ずっとシナノキンバイだと思っていたのだが、それにしては背が高いし、葉も小さい。


    調べてみると、これはキンバイソウであることがわかった。望遠レンズを持って行ったのはこの花が撮りたかったからだ。

 キンバイソウはシナノキンバイよりも標高が低い場所に咲いており、背が高いのが特徴である。10年前の古い画像を見ていたら、甲府市北部にある曲岳・黒富士界隈の草地の画像に偶然このキンバイソウが写っていたが、おそらく今では見ることが出来ないであろう。シナノキンバイよりも見ることが難しい花になっている。

 時間は5時を過ぎてしまった。もちろんもう誰も居ない。櫛形山を十分に楽しんだことだし、写真もたくさん撮った。そろそろ下山だが、ひょっとしたら夕暮れの頃にもうひとつ良い景色が見られるかも知れない。時間調整をしながら、故意にゆっくりと歩き、富士山の見える場所に移動する。


    十四夜の月が昇って来た。しかし・・・富士山は霞の中にうっすらとしか見えない。


    月が富士山の上まで昇った頃には金色に輝く月になるだろうと狙っていたが・・・富士山があまり見えない。

 もう少し富士山が鮮明に見えていたならば月が富士山の真上に昇るまで待ったのだが、この霞は消えそうも無い。あきらめて下山して行くと、その後富士山の姿は見えなくなってしまった。この季節は雲や霞が多くて富士山を撮影するのはよほどの幸運が無いと難しい。

 アオバヒョウタンボクは来年への宿題となってしまったが、復活したアヤメのお花畑、クサタチバナ大群落、キンバイソウと、櫛形山の魅力を存分に楽しんだ1日となった。午後7時、下山。
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花咲く櫛形山へ(前編) ~クサタチバナのお花畑~  平成29年7月8日

2017年07月10日 | 花・花・花
 この日は山岳連盟レインジャー活動の一環で、櫛形山の植物観察会および鹿食害調査が行われたのだが、当直疲れや仕事の都合等で集合時間には間に合わず、一人遅れて11時半に池の茶屋から入山した。花の咲くこの季節は登山者も多く駐車場は満車で一旦は路上に駐車したが、準備している間に2台の車が帰って行って、都合良く駐車場に止めることが出来た。レインジャー隊はおそらく周回コースだろうが、どちら周りで行ったのかは不明である。しかし、私が行くのはあまり人が歩いていない管理歩道なのでまず会うことは無いであろう。もちろん、裸山のアヤメを見たいのが一番の目的ではあるが、そのほかに見ておきたいものがいくつかある。その一つが6月に櫛形山を訪れた際に発見したアオバヒョウタンボク(スルガヒョウタンボク)と思われる木の確認である。咲いている花を確認できれば、ヒョウタンボクかどうか、アオバかどうかもわかるはずだ。


    管理歩道沿いに咲いていたマムシグサ。普通のマムシグサと思われる。


    タカネグンナイフウロ


    ヨツバムグラだが、この株は葉が5枚の変わり者。


    クモキリソウ属の葉を見つけたが花は咲いておらず。周辺も探したがあったのはこの株とその後ろ側の葉だけ。


    前回見つけたアオチドリの咲き残り。ずいぶん数が減っていると思えば・・・


    草むらを探してみればこの有様。鹿に食べられている。


    クサタチバナが満開になっている。


    開けた草地に出ると、そこはクサタチバナだらけ。


    圧巻のクサタチバナお花畑


    これだけ咲いているならば、いっそクサタチバナ平という名前でも付ければ良さそうだ。


    天気が良ければ、このクサタチバナ畑を前景に富士山を撮影することも可能だ。


    道を短絡してバリアンスルートを稜線の登山道に抜け出る。お決まりのマルバタケブキ群落。


    今度はカニコウモリ群落。いずれも鹿が食べない植物ばかり。


    バラボタン平のマルバタケブキ群落。花が咲けばこれはこれで圧巻である。


    標高が上がりツガやカラマツの森に入ると、林床にはユモトマムシグサが生えている。数は思ったよりもたくさんありそうだ。

 さて、問題の管理歩道沿いで見つけたアオバヒョウタンボクらしき木の正体はどうなのだろうか?木の周りをぐるりと1周してみたが、花が咲いていない。かろうじて花の散った後の花帆らしきものがあったが、これはヒョウタンボクなのだろうか??


    管理歩道沿いのヒョウタンボクらしき木の葉。花が付いていない。


    良く探してみると、花が散った後の花帆らしきものが付いていた。ヒョウタンボクは2つ連なったひょうたんのような実が成るのが特徴だが、違うように見える。

 樹林帯の中の登山道沿いには保護柵で囲われたアオバヒョウタンボクがある。その木を覗き込んでみると、同じように花が付いていない。良く探してみると、似たような花穂が付いている。


    登山道沿いの保護柵内にあるアオバヒョウタンボク。やはり花が付いていない。


    良く探すと先ほどと同じような花穂が付いている。

 どうやらこのアオバヒョウタンボクは花付きが悪いらしく、もっと早い時期に咲くようだ。花穂の付き方を見る限りではおそらくは管理歩道沿いの木もヒョウタンボクで間違い無さそうだが、何のヒョウタンボクかは花を見てみないとわからない。来年への宿題となってしまった。ちなみにアオバヒョウタンボクは山梨県では絶滅危惧ⅠB類に属する稀少植物である。

 さて、時間は午後3時、ようやく裸山に到着した。途中では20人連れくらいの団体さんとすれ違ったが、この時間になるとさすがに人も少ない。まだ蕾の花も多いが、今年もアヤメがたくさん咲いてくれている。


    裸山のアヤメ


    毎年の定点からの撮影。昨年以上に増えているように見える。

 アヤメは増殖力が強いようで、昨年以上に咲いているように見える。まだ蕾も多く、来週あたりが盛期になりそうだ。


 前半見てきたクサタチバナの大群落を含め、マルバタケブキもカニコウモリも鹿の食べない植物ばかりで、場所を変えるとバイケイソウの大群落やトリカブト群落も見られる。鹿の食害を受けた成れの果てを見ているのだと思うが、これはこれで見事な群落だと思う。こういうお花畑も悪く無いのかも知れない。(後編に続く)
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