子育てカウンセラー・作家:山本勝美ブログ「子育ておしゃべりコーナー」

子育て・心理カウンセラー山本勝美のブログ。子育て・介護・障害者などの悩み相談も。

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鈴木さんへの回答

2011年08月24日 | Weblog
相談 (すずき)
2011-07-30 22:21:36
文面、読ませていただきました。

うちの娘は8歳、小学校の三年生なのですが。
最近眠りにつくまえに、枕を股にはさんだり、手を性器にあてています。

なにか、参考に。と読んで行くうちに、三歳頃の話しが多いので、
小学生はまた対処法や、理由が違ってくるのでしょうか。
生活環境的には最近変わったことはない気がします。私は週4回昼までパートで働いています。



(ぼくの考えたこと:山本勝美)

せっかくブログにご相談の書き込みをして頂きながら、
うっかり拝見し損ねておりました。申し訳ありません。

さて、確かにぼくのブログでは仕事の三歳児健診の相談員の経験から
お話していますので、幼児期のお話が多いです。

ただ、もう少し年上の子についても相談があります。
こんな例がありました。
幼稚園の年長組の女のお子さん(6歳)についてお母さんのご相談です。
ある日お父さんが、からかって女の子を自分の足の上に股を乗せて
振り回していたそうです。親子でけらけら笑いながら,楽しくです。

ところがそのあと、その子に自分の手で性器をさわるくせが始まったとのことです。
お母さんは、お父さんに子どもでも事と次第では感じると説明すると、
お父さんはショックを受けたとのことです。

さて、お母さんは「ばい菌が入るからやめよう」など
注意をしましたが、なかなか止まりません。
ぼくは、この点は3歳と同じく、くせを言葉で注意すると、
先ず、逆効果でしょうと申し上げました。
その後は、この方と相談する機会がないままに終わっています。

ここで要点をまとめますとーーー
(1)最初に、オナニーは、不道徳な恥じらうことでもなく、
心身に悪影響がでることでもなく、
そのまま気にせず放っておいても良いだろうと思います。
でも以下では一応、どう理解するか?何か止める手だてはないかと、模索してみましょう。

(2)小学生にもなれば、3歳とは多少は感覚的に感じる程度は違ってくるだろうと思います。
(3)くせをただ言葉で注意しても止めることは困難だろうと思います。
 かえって逆効果ではないかと思います。ブログに記した通りです。
(4)特に、眠る時というのは緊張感が解ける時ですから,
 指しゃぶりと同じような効果、つまり、からだのある特定の部分に注意を集めることで
 ほかの部分から緊張感が解けていくのではないかと思います。
 この点については、上記の、「くせ」について(第5話)ーーー「指しゃぶり」(その2)に記してあります。
(5)枕を股に入れるというのも,三歳には見られません。その年齢なりの快感を感じるのでしょうか。
(6)上記のお母さんがおっしゃった「ばい菌が入る」ということについては、
 考えにくいことですが、気になるようでしたら小児科にかかった際に一度お聞きになっては如何でしょう?
(7)小学低学年生なりの、気の紛らわせ方はないでしょうか?
 例えば、寝るとき好きな絵本を読んであげる。
 あるいは、子どもに対する指圧,マッサージは快適で寝付き易いと思います。
 うつ伏せにして、からだとくに背中をさする。
 次に仰向けにして、肩から腕を軽くもみながら手先まで進めていく、などできることがあります。
 
参考になると思われる本として、
山上亮著「子どものこころにふれる 整体的子育て」(クレヨンハウス発行・1,260円)があります。

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CMの時間です。ご無沙汰しました。

2010年02月20日 | Weblog
みなさん、お元気ですか?
このブログの第11話を綴ったのが、昨年5月でしたから、
9ヶ月も開店休業していたことになります。
このブログを期待しておられた方々には申し訳ありませんでした。

○実は、著作に専念していたからで、健康をそこねていた訳でも,続ける気がなくなった訳でもありません。
そして、その著作がようやく完成し、昨日2月19日に全国発売になったので、
ブログに再び向かうゆとりができたのです。

 今回の本のタイトルは、

     「自宅で親を看取る知恵ーー息子の介護実践の記録」(朝日新聞出版)

です。ぼくのホームページですでに紹介しています。
 この作品がこうして全国の書店に置かれるまでには、
実に4年近くの月日が流れました。それだけに、感慨もひとしおです。

○「子育ておしゃべりコーナー」というこのブログのタイトルとは無関係と
思われるかも知れませんが、
実はこの本を書いていて、

      「親子関係は一生続く」

ということを改めて深く感じた次第です。
育児書と言われるもので、そんなことにページを割く人はいないのではないでしょうか。
 でも、日々子どもと向かい合っているなかで、
組んずほぐれつ、かわいいと感じる時、いや,イライラしてひっぱたきたくなる時ーーー
今は今なりにそんなかかわり合い、そして、その時々の関わり合いが行き来しつつ、
実はこうして一生続くーー
今はまだそういう関係の始まったばかりなんだ、だからもっと長い目で子どもも自分もみていればいい、
というふうに見直す時があっても無駄ではないと思うのです。
すると、なにか子どもが、そんな自分が、ちょっとちがって感じられてくるかもね。

ではまた。


○そんな前置きをして、これからしばらくは、この作品から得たことなどをお話ししていきます。
その先に、再び「くせの話し」や子育ての話しに戻っていきたいと思っていますので、
どうかおつき合いをよろしくね。

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[性器いじり」(第5回)ーー「くせ」の話し(第11話)

2009年05月08日 | Weblog
(「性器いじり」(その1))のまとめ

○わが子のこの問題について多くの親はとまどう。
○男の子の場合は、おちんちんをいじくる、だんだん頻繁になる、
いじっているうちに大きく膨らんでくる
○女の子の場合は、おまたをさわる、机のかどなどにおなかを押しつける、
座布団やたたみの上にうつぶせになって全身に力をいれて固くなる、

○「性器いじり」の特徴は
1)3歳前後から本格化する
2)子どもなりに快感を感じる
3)多くの子(男の子は大半)が行う
4)何らかのストレスや鬱積があると、こだわりは強くなる
5)生活条件や環境が整いストレスが薄まるとやむ場合が多い
6)「くせ」の一つなので、やめさせようとしつける程かえって強まる。
  ”ごほうび”も無駄。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

(「性器いじり」(その2))のまとめ

今回から相談の事例から考えてゆきましょう。

事例1:「放っておいたら消えました」
3歳の女の子がお股をさわっているとお母さん。
子育て相談の基本は,
「子どもをしつけて親の願う方向に恣意的に向けようとするのではなく、
先ず子どもの気持をありのまま受け入れること」。
そこで「むりしないで見守ってゆきましょう」と伝えたところ、
一ヶ月後の面接では「やめました」と見事に効果が見られた。

事例2:「長い月日がかかって消えたケース」
3歳の男の子。2、3ヶ月前からおチンチンいじり。
そこで次のような助言をしました。
1)注意するとか叱るなどして止めようとするとかえってあおる結果となる
2)外で遊び、発散させてあげましょう。

1)については、その後お母さんは守っていました。
ところが2)については、当面近くにある公園は小さく子どもがいないため家の中で過ごす。
しかし数ヶ月後の面接で「大きな公園を見つけ、ほかの子と遊んでいるうちに消えました」

結論として
1)子どもにとっては,性器いじりも毎日の過ごし方次第で違ってくる。
2)3歳ぐらいからなら外遊びに夢中になる。友だちと遊ぶと一層はずむ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

(「性器いじり」(その3))のまとめ

事例3:「お母さんが日頃の生活を冷静に振り返り,気付きが深まり、おちんちんいじりが解消」

お母さんは自分を見つめ、日常生活を振り返り,ゆとりのない生活ペースに気付きました。
つまり、
1)自分がパートの仕事を増やしたので充分遊びの相手ができなくなっていたこと、
2)イライラして子に当たることが増えたこと、
3)性器いじりを止めようと叱り続けたこと、

このような気付きから時間のゆとりを作る工夫をしました。
そして以前のように一緒に遊ぶ時間を作ることで、
お母さん自身のぎすぎすした態度が薄らぎ、子どもも喜ぶようになりました。
その結果おちんちんいじりが3日目には消えてゆきました。

お父さんは大らか。[俺もさわるから心配ないよ」と。
このお父さんの態度もお母さんに取っては良きサポートになったと思います。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

(「性器いじり」(第4回))のまとめ

事例4:「お母さんは我が娘が汗をかきながら行っているのを見て”熱いでしょう”とうちわであおいで上げた」

3歳の女の子、よく座布団の上に腹這いになりからだを硬直させながら左右に揺さぶっている。
それがだんだん激しくなってきました。
でもお母さんは、一度も注意せず放っておいた。終わった頃には[もう終わったの?」
とさりげなく声をかける。子どものほうも「うん終わった」と応えておしまい。
夏には汗をかいて行うようになりました。するとお母さんのほうから、
タオルで汗を拭ってあげたり「熱いでしょう」とうちわであおってあげたり。
「ママ,来て!熱いから」と頼むようになる。
そしてこのくせは間もなく消えていったのです。

お母さん曰く「いつかは消えるのだから、とくに止める必要はないと思っていました。」
このお母さん、実はぼくが勤めていた保健所の保健婦さん、
お子さんのことには温かい心で、そして広い,大らかな視野で見守っていたようです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「性器いじり」(第5回)ーーー「くせの話し」(第11話)

事例5:「性器いじりへの抵抗感、親の問題という自責の念から放っておけない事例」

数年前の相談例ですが、4歳の男の子の親子で相談室に見えました。
そ時の様子ですが、お母さんはとても固くなっていました。
男の子も人見知りして緊張している感じが伺われました。

お母さんとテーブルをはさんで向かい合ってからしばらくは沈黙が続いていましたが、
やがてお母さんがうつむきながら小さい声でお話を始めました。

「あの・・・実はこの子のことで・・・気が付いたらおちんちんをいじくって遊んでいまして」
「ああそうですか。この年頃のお子さんはみんな行っていますよ」
「あっそうなんですか」
[ですからご心配はいりません。まあ,でもせっかくおいでになったのですから、
どうぞお気軽に。もう少しお話を聞かせて頂けますか?」
「はい。はじめは「かゆいの?」と聞いてみたり、お風呂でよく洗ったりしていたんですが一向にとまらないんです。
そのうち時々見るにつけ
「さわっているとばい菌が入るからやめようね」
と注意するようになりました。ところがだんだん膨らんでくるようになってきたのを見て、
もうびっくりしちゃって・・・」
「ええまあ、でもそれがふつうですけどね」
「男の子ってそうなんですってね。お父さんにもようやく思い切って話しますと
「ああ、オレは前から知っていたけど、別に。
男の子はみんなやってるんじゃないの?おれもやっていたから」
と平然としているのでさらにビックリしました。」


お母さんは三人姉妹の長女で、こんなことは知らなかったとのことです。
それからは、でも見るたびに
「ばい菌が入るからやめようね。お医者さんに行かなきゃならなくなるわよ」
とか注意し続けていました。
でも一向にやめないので不安になって、ついに相談室に来られたとのことです。


さて男の子は相談室の中の,少し離れたところでおもちゃを見つけて喜んで遊んでいました。
でもお母さんが時々大きい声で「おちんちん」という言葉を発するたびに
はっとしてお母さんを見つめます。
そこでぼくは、これは良くないと思い、おもちゃをしまってある隣の小部屋に連れて行き、
そこのおもちゃを見せて「どれであそんでもいいんだよ」と伝えました。
すると、そこに落ち着いて遊ぶようになりました。


お母さんもその場面を見て、それからは小声になりました。
そしてさらに一通り伺った後にぼくは説明しましたーーー

○「この年齢の子たちの大半は大なり小なりおちんちんに好奇心を抱いてあそび始めます。
でもほとんどの場合やがてほかの遊びに興味が移り消えて行きます。

○それから、かりに続けても、それによって何か心身に悪影響が起こるということはありません。

○ただ、これも仕方のないことですが、親御さん方は目に入るたびに
気になりますから、幾度も止めるようになります。

○その結果、注意がかえってお子さんの興味を呼び起こし、こだわりが強くなって行きます。
お子さんはある意味、自然な感じ、時には無意識に手が行って、いつもの習慣で繰り返しているぐらいのほうが多いのです。」


「それじゃ、とめてもとまらないんですか?」
「そうですね。くせはだいたいどんなことでもそうですが、
大人が言葉で”やめようね”と言ったり、厳しく叱ったりと、
いろんなやり方で繰り返していてもやめないばかりか、、
それまで半ば無意識に自然に繰り返していたことにハッと気が付き、
かえって余計に興味を強め、やろうという気にさせられます。
つまり逆効果になるばかりなんですね。」


「あのう、それで、このくせは親の育て方に何か問題があったからでしょうか?
うちでは二人が仕事で忙しく、あまりゆとりのない生活をしてきましたし、
よく夫婦のいさかいも起こりましたからそういう余裕のない生活が
何か響いているんじゃないかと気になっているんですが・・・」


その時ぼくの胸には「事例3」のお母さんのことが思い出されました。
ご自分の日頃の様子を相談の中で振り返り、今ゆとりを失っている自分、
以前のように子どもと遊ぶ時間がなくなってきていること、
そしてその頃からくせも始まったこと、などに気付いて,
それ以降ゆとりのある生活のリズムを取り戻す努力を可能な範囲で工夫してみたところ、
3日程のうちにくせが解消した、というお話のことです。

「こんなお話もあるにはあります。あるお母さんがご相談に見えて、
ご自分の日常生活を振り返り、ゆとりのなさに気付いたので、工夫してみたところ、間もなく消えました」

ここまでお話しするとこの方は
「えっ、じゃあ、やはり親の問題なんですね!」
とショックを隠せずに叫んでおられました。
「そういう点をお伝えしたい訳じゃないんです」

ぼくは、この方にはゆとりをもって冷静に振り返ることが今は無理と悟り、
事例3のことについてはそれ以上のお話しを避けました。


(まとめとその後のこと)

後日の面接でのことですが、性器いじりをしている場面が目に入ったとき、
ただ注意し続けるということではなく、
その場面でほかに何かできることはないか、ということについて話し合いました。

確かに、ただ見過ごしにしているということは、通常の感覚や気持ちからすると
なかなか困難なことだと思われます

お子さんはその時、気持ちがすさんでいるとか,物足りない時やストレスが強くなった時ではないかと思われます。
(ちょうど「指しゃぶり」のところでお話ししたように,
夕どきに、指しゃぶりをしたくなる時の心境に似ているようです。)
そうすると、さりげなく抱っこをしてあげるのも一つではないでしょうか?
あるいはほかの好きなおもちゃや絵本、ビデオなどに注意を向けて一緒に遊ぶなどはいかがでしょう?とお勧めしました。

その後の経過では,このお母さんもそのことは実行できたようです。
ただ注意することはやめられず,ますますきつくなって行きました。

その後の永い月日にわたる経過については伺っていません。



(振り返って)
○この事例のように、
潔癖な抵抗感と生真面目な自責の念からは、
性器いじりがふつうのくせであると受け止めること、
また干渉せずにおく、という対応は残念ながら困難だと思われます。

同じ相談とアドバイスをしても、
そのことから、自分と自分の家族全体を冷静に振り返り、気づきが生まれる方と、
抵抗感と自責の念でかえって混乱する方とでは,
基本的に方向が違ってくることがおわかりでしょう。





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「性器いじり」(第4回)ーー「くせ」の話(第10話)

2009年04月29日 | Weblog
(「性器いじり」(その1))のまとめ

○わが子のこの問題について多くの親はとまどう。
○男の子の場合は、おちんちんをいじくる、だんだん頻繁になる、
いじっているうちに大きく膨らんでくる
○女の子の場合は、おまたをさわる、机のかどなどにおなかを押しつける、
座布団やたたみの上にうつぶせになって全身に力をいれて固くなる、

○「性器いじり」の特徴は
1)3歳前後から本格化する
2)子どもなりに快感を感じる
3)多くの子(男の子は大半)が行う
4)何らかのストレスや鬱積があると、こだわりは強くなる
5)生活条件や環境が整いストレスが薄まるとやむ場合が多い
6)「くせ」の一つなので、やめさせようとしつける程かえって強まる。
  ”ごほうび”も無駄。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

(「性器いじり」(その2))のまとめ

今回から相談の事例から考えてゆきましょう。

事例1:[放っておいたら消えました」
3歳の女の子がお股をさわっているとお母さん。
子育て相談の基本は,
「子どもをしつけて親の願う方向に恣意的に向けようとするのではなく、
先ず子どもの気持をありのまま受け入れること」。
そこで「むりしないで見守ってゆきましょう」と伝えたところ、
一ヶ月後の面接では「やめました」と見事に効果が見られた。

事例2:「長い月日がかかって消えたケース」
3歳の男の子。2、3ヶ月前からおチンチンいじり。
そこで次のような助言をしました。
1)注意するとか叱るなどして止めようとするとかえってあおる結果となる
2)外で遊び、発散させてあげましょう。

1)については、その後お母さんは守っていました。
ところが2)については、当面近くにある公園は小さく子どもがいないため家の中で過ごす。
しかし数ヶ月後の面接で「大きな公園を見つけ、ほかの子と遊んでいるうちに消えました」

結論として
1)子どもにとっては,性器いじりも毎日の過ごし方次第で違ってくる。
2)3歳ぐらいからなら外遊びに夢中になる。友だちと遊ぶと一層はずむ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「性器いじり」(その3)ーー[くせ」の話し(第9話)

事例3:「お母さんが日頃の生活を冷静に振り返り,気付きが進み、おちんちんいじりが解消」

(相談を振り返って)
お母さんは自分を見つめ、日常生活を振り返り,ゆとりのない生活ペースに気付きました。
つまり、
1)自分がパートの仕事を増やしたので充分遊びの相手ができなくなっていたこと、
2)イライラして子に当たることが増えたこと、
3)性器いじりを止めようと叱り続けたこと、

このような気付きから時間のゆとりを作る工夫をしました。
そして以前のように一緒に遊ぶ時間を作ることで、
お母さん自身のぎすぎすした態度が薄らぎ、子どもも喜ぶようになりました。,
その結果おちんちんいじりが3日目には消えてゆきました。

お父さんは大らか。[俺もさわるから心配ないよ」と。
このお父さんの態度もお母さんに取っては良きサポートになったと思います。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「性器いじり」(第4回)--「くせ」の話し(第10話)

今回も事例から考えてゆきましょう。


事例4:「お母さんは我が娘が汗をかきながら行っているのを見て
    ”熱いでしょう”とうちわであおいで上げた」

今回は女の子の例。
3歳の女の子、このところよく座布団の上に腹這いになり、
からだを硬直させながら左右に揺さぶっています。
しかもそれがだんだん激しくなってきました。

でもお母さんは、一度も叱ったりやめなさいと注意したことがなく、
放っておきました。
終わった頃になって、
[もう終わったの?」
とさりげなく声をかけることもあったとのことです。
すると子どもさんのほうも
「うん終わったの」
と応えておしまい、といった調子です。

さて季節は夏にさしかかってきました。
そうなると実演中にかなりな汗をかいて行うようになってきました。
するとお母さんのほうから、タオルで汗を拭ってあげたり、さらには
[熱いでしょう」
と言ってうちわでからだをあおってあげていたとのことです。
すると、やがてはお子さんのほうから
[ママ,来て!熱いから」
と頼むようになりました。
こう呼びかけられるとお母さん、
「はい、わかった!」
と応えながらうちわを持って行き、あおぎ続けたとのことです。

さてその結果はどうなったでしょう?
このくせは間もなく消えていったとのことです。

お母さん曰く
「いつかは消えるのだから、とくに止める必要はないと思っていました。
ですから、その間ただ普通の出来事として見過ごしてきました」


この事例はもう30年程も前に当のお母さん自身から伺ったお話です。
そして、このお母さんは実はぼくが勤めていた保健所の保健婦さんだったのです。
当時、保健所でも中心的な位置にあった気さくな方、
またお子さんのことは温かい心で、そして広い,大らかな視野で見守っていたようです。

このエピソードを伺って以来、ぼくはこの保健婦さんを深く尊敬するようになりました。
そしてまた、このエピソード自体もこうして忘れられない良き事例として
ぼくの胸に生き続けています。
げらげら笑いながらこのエピソードを話してくださった時の保健婦さんの様子が
今も記憶に残っています。


それにしてもこのお母さんは、
また何と大胆な優しさでお子さんに関わっておられたことでしょう!



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「性器いじり」(その3)ーー[くせ」の話(第9話)

2009年04月20日 | Weblog
前々回(「性器いじり」(その1))のまとめ

○わが子のこの問題について多くの親はとまどう。
○男の子の場合は、おちんちんをいじくる、だんだん頻繁になる、
いじっているうちに大きく膨らんでくる
○女の子の場合は、おまたをさわる、机のかどなどにおなかを押しつける、
座布団やたたみの上にうつぶせになって全身に力をいれて固くなる、

○「性器いじり」の特徴は
1)3歳前後から本格化する
2)子どもなりに快感を感じる
3)多くの子(男の子は大半)が行う
4)何らかのストレスや鬱積があると、こだわりは強くなる
5)生活条件や環境が整いストレスが薄まるとやむ場合が多い
6)「くせ」の一つなので、やめさせようとしつける程かえって強まる。
  ”ごほうび”も無駄。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

前回(「性器いじり」(その2))のまとめ

事例1:[放っておいたら消えました」
3歳の女の子がお股をさわっているとお母さん。
子育て相談の基本は,
「子どもをしつけて親の願う方向に恣意的に向けようとするのではなく、
先ず子どもの気持をありのまま受け入れること」。
そこで「むりしないで見守ってゆきましょう」と伝えたところ、
一ヶ月後の面接では「やめました」と見事に効果が見られた。

事例2:「長い月日がかかって消えたケース」
3歳の男の子。2、3ヶ月前からおチンチンいじり。
そこで次のような助言をしました。
1)注意するとか叱るなどして止めようとするとかえってあおる結果となる
2)外で遊び、発散させてあげましょう。

1)については、その後お母さんは守っていました。
ところが2)については、近くにある公園は小さく子どもがいないため家の中で過ごす。
しかし数ヶ月後の面接で「大きな公園を見つけ、ほかの子と遊んでいるうちに消えました」

結論として
1)子どもにとっては,性器いじりも毎日の過ごし方次第で違ってくる。
2)3歳ぐらいなら外遊びに夢中になる。友だちと遊ぶと一層弾みます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「性器いじり」(その3)ーー[くせ」の話し(第9話)

今回もまた参考になる相談ケースをご紹介しましょう。

事例3:「お母さんが日頃の生活を冷静に振り返り,気付きが進んだことにより
     おちんちんいじりが解消した事例」
ある日,相談室に一人のお母さんが見えました。
30代の方で、もの静かな感じ。
全体としてあまり緊張した感じがなく、
何だかとても落ち着いた態度が印象的です。

その静かなご様子のうちにも、お話が始まりました。
「実は3歳の男の子なんですが、あの、おちんちんを・・・」
と初めはさすがうつむき加減で小声でおっしゃいます。
「ああそうですか。わかりました。おちんちんをいじっておられるのですね」
とぼくはとっさにおっしゃりたいことを汲み取ってあげました。
「はい」とうなずきます。

[いつ頃からですか」
「1ヶ月ぐらい前からです」
「そうですか。そのご心配で見えたんですね」
「はい。それで見つけるたびに”やめようね”と言い聞かせているんですが、やめないんです。
何だかだんだんこだわりが強くなってきているように思いまして・・・。
主人は、おれもさわっているから,別に心配しなくても大丈夫だよって言っているんですけど・・・
本当にこのまま放っておいても良いものなんでしょうか?」
「そうですねえ、もしこのまま続いたとしても特に心身に問題は起きません。
お父さんがあたたかく、”大丈夫”とおっしゃっているのは
焦らなくて済みますからとても温かい言葉ですね。
ただもう少し様子をごいっしょに振り返ってみませんか?
1ヶ月前頃には何か変わったことでも起こりましたか?」

「そうですねえー、わたしがパートの仕事を増やして、
保育園にお迎えに行く時間が1時間遅くなりましたし、
週3日の勤務を5日にしたんです。
それで生活にも何だかゆとりがなくなって,毎日あたふたしている感じです。」
「それは大変ですね。お疲れでしょう?」
「ええ、私も疲れますし、子どももそのせいでストレスがたまってきていると思います」
「なるほど、その辺をもう少し詳しく」
「はい。これまでは保育園から帰宅すると家の周りで一緒に遊びました。
近くに川がありますから川まで行ったり、公園でボール遊びをしたり」
「それならお子さんも喜んでいたでしょうね」
「ええ。わたしも一緒になって遊びを楽しみました。
それが1ヶ月前から遊びもそそくさとして家に入って,
晩ごはんの準備を始めるようになりました。
それから以後はしょっちゅういらいらしていて、何かにつけ叱ることが増えてきて、
おちんちんのこともその一つです。
ですから子どももストレスがたまってきているだろうと思います」
「なるほど」

「今こうしてお話していると,子どももこんなゆとりのない毎日に、
鬱積してきているっていうことがわかってきましたわ」
「うーんそうかもしれませんね。そこでおちんちんに刺激を求めて
うさを晴らしているのかも知れませんね」
「そうでしたか。そんなことが原因になっているなんて今まで考えても見ませんでした」
「ですから、まあ何とかもう少しゆとりのあるペースを工夫できるといいですね」
「そうですね。お迎えに行く時間を少し早めにして、遊ぶ時間をもっとゆっくり取って見ます」

さて,1ヶ月後の面接で明らかになったことは,
初回面接の翌日からお母さんが保育園に少し早目にお子さんのお迎えに行き、
帰宅したとき家に入らないでそのまま家の周りで外遊びをするようにしたところ、
子どもは大喜び。3日目にはもうおちんちんのくせは消えたとのことです。


(相談を振り返って)
お母さんの冷静な、自分をよく見つめる態度から、面接のなかで日常生活を振り返り,
ゆとりのない生活ペースに対する気付きが進みました。
つまり、
1)自分がパートの仕事を増やしたので充分遊びの相手ができなくなっていたこと、
2)イライラして子に当たることが増えたこと、
3)性器いじりを止めようと叱り続けたこと、
などに気付いてゆきました。

このように、お母さん自身の生活状況とお子さんに対する対応ぶりについての気付きから,
少し時間のゆとりを作る工夫をしました。
そして以前のように一緒に遊ぶ時間を作ることで、
お母さん自身のぎすぎすした態度が薄らぎ、子どもも喜び,
それらの結果としておちんちんいじりが消えてゆきました。




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「性器いじり」(その2)ーー「くせ」の話(第8話)

2009年04月13日 | Weblog
前回(「性器いじり」(その1))のまとめ

○わが子のこの問題について多くの親はとまどう。
○男の子の場合は、おちんちんをいじくる、頻繁になる、
いじっているうちに大きく膨らんでくる
○女の子の場合は、おまたをさわる、机のかどなどにおなかを押しつける、
座布団やたたみの上にうつぶせになって全身に力をいれて固くなる、

○「性器いじり」の特徴は
1)3歳前後から本格化する
2)子どもなりに快感を感じる
3)多くの子(男の子は大半)が行う
4)何らかのストレスや鬱積があると、このくせへのこだわりは強くなる
5)生活条件や環境が整いストレスが薄まるとやむ場合がある
6)”くせ”の一つなので、やめさせようとしつける程
  かえって強まる。”ごほうび”も無駄。



「性器いじり」(その2)ーー「くせ」の話(第8回)

今回から相談の事例を通して考えてゆきましょう。


事例1:[放っておいたら消えました」
もう40年ほども昔の例です。
ぼくがまだ子育て相談に不慣れな時代のことでした。
3歳の女の子がお股をさわっていると洩らすお母さん。
その時のお母さんは緊張そのもので、
不明瞭な表現でしかも小さな声でようやく話ができたといった感じ。
でもその態度から「この不謹慎な問題には困ったもの」
という気持が充分伝わってきました

その頃のぼくにもとまどいがありました。
でもせっかく思い切ってご相談をされたのです。
その真剣なお気持ちに何とか応えたいとその時思いました。

当時ぼくにはこの問題に関する知識が全くありませんでした。
でも子育て相談の基本は,
「子どもをしつけて親の願う方向に恣意的に向けようとするのではなく、
先ず子ども自身の気持をありのまま受け入れること」
です。

この信念を頼りに
「むりしないで、見守ってゆきましょう」
と手探りするような気持で伝えました。


さて一ヶ月後の面接時にはどうだったでしょう。
それが皆さん、見事に効果が見られたのです!
「やめました」というお話を伺えたときは嬉しかったです。

以降、性器いじりの相談には自信が着きました(!?)が、
でも相談の実際場面では、なかなかそううまくはゆかないことの方が多いです。
相談に駆けつける短い期間ではこのくせがやまない例は多いのです。


事例2:「長い月日がかかって消えたケース」
3歳の男の子。
地方から都市部に転居してきたケースですが、
すでに転居する2、3ヶ月前からおチンチンを
いじりを始めていたというのです。

そこで次のような助言をしました。
1)注意するとか叱るなど止めようとするとかえってあおる結果となる
2)外で遊び、発散させてあげましょう。
 3歳児は公園などで友だちと夢中になって遊べば発散できる

1)についてはその後お母さんは守っていました。

ところが、2)の「外で遊び,発散させてあげましょう」については、
都市部の、このご家族が住んでいる地域には満足な公園がありませんでした。
近くに小さい,狭い公園があるのみ。
その上,少子化が進んで公園に子どもの姿を見たことがないとのことです。
住まいはマンションで,子どものいないご家族が多い、とのこと。
ですからどうしても一日中親子で家の中で過ごすことが多くなるという生活の毎日です。

ところがその後数ヶ月して今度は別の問題でそのお母さんとおこなった面接で
「その後おチンチンの方はいかがですか?」とうかがうと、
「えっ、ああ、あのことですね?まあすっかり忘れていました。もうやめました。
少し離れたところに大きな公園を見つけました。
そこで少し年上の男の子と出会えて、遊んでいるうちに消えていきました」
とのことです。

結論として
1)子どもにとって,毎日の過ごし方は大きな意味をもたらします。
特に3歳頃なら遊びが楽しくて夢中になる。
また、友だちを求める時期です。友だちと遊ぶと一層弾みます。
こうして発散できれば、このくせが消えていくということが言えそうですね。

2)それから,問題そのものをすっかり忘れていたとのこと、
それほどに親が意識しないで放っておいたことが良かったようです。



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性器いじり」(その1)ーー「くせ」の話(第7話)

2009年04月05日 | Weblog
「性器いじり」(その1)ーー「くせ」の話(第7話)

○このテーマは、ほかの「くせ」と比べてひと味違っています。

○相談に見える方,特にお母さんには、
わが子のこうした問題を口にするのに
ちょっとしたとまどいが伺われます。

「こんな小さい子がもう性に目覚めてきたのか?」
といった恥じらいのようです。
もっとも、とまどいにも個人差があります。
「しかたがないわねえ,この子ったら」といった程度から、
「もうショックを受けました」
と驚きを隠せない方までさまざまです。

相談室のいすに座ったところでお話しをうかがうのですが、
その説明の仕方がどうも歯切れのよくない言い回しだったりして、
それをうかがった瞬間、だいたい察しがつきます。

○おそらくその日まで、叱ったり、
「やめたら良いものあげるから」
とかいろんな工夫をこらしながら、それでもぜんぜん決め手が見付からず、
思いあぐんだ挙げ句相談に見えたのでしょう。


○男の子の場合なら、子どもがおちんちんをよくいじっている、
それがだんだん頻繁になってきた、
更にはいじっているうちに大きく膨らんでくる、といった訴えですし、

○女の子の場合なら、おまたに手で触れる、机のかどにおなかを押しつけている、
あるいは座布団やたたみの上にうつぶせになって全身に力をいれて固くなっている、
また、暑い日には汗をかきながら続けているという毎日です。

それについて、こちらが
「おちんちんに触れているんですね?」とか
「おまたに触れているんですね?」
と尋ねるのに対して,
「はい」という返答が返ってくる場合だけでなく、
「ええっ、そうなんですか?」
意外だったという驚きの返答が聞かれる場合もあります。

この問題について相談に見えた場合の、”ひと味”違う面接風景は、
まあだいたいこんなところでしょうか。


○では、男の子女の子を通して言えることをここで少しまとめてみますと
1)だいたい3歳前後から本格化する行為です

2)その行為によって子どもなりに快感を感じていること,
 子どもの性器でも、その点ではからだのほかの部所とは違って、
 すでに一定の鋭敏な感覚が生じる器官です

3)でも同時に大人の性感とは違います。快感の高揚には限度がありますし、
 まだ性的な欲求は発達していません。
 この点で大人の”オナニー”とは質的に、そして強度において差異があります。
 ですから、子どものこの行為を”オナニー”という用語で呼ぶことは
 受け止め方,理解の仕方にずれを生じるもとになり,不適切です

4)この行為は多くの子が行っている。
 そして男の子の場合には、程度の違いはあれ、ほとんどの子には
 おちんちんに好奇心、興味を持っていじくる時期があります。
 これは男子の場合は、女の子と比べて、性器は突起している点で、目につく、さわりやすい、
 などの物理的な条件がまさっていますから。

5)これまでの臨床経験からすると、何らかのストレス、鬱積があることで、
 このくせにこだわる傾向が強くなる場合が多いようです。
 言い換えれば、これらのストレスや鬱積が解消する生活条件や環境が整うと,
 消える場合が見られるのです。
 (この点については後に具体的な相談例を挙げてご説明します。)

6)そして,最後に強調しておきたいことは,
 性器いじりもまた、”くせ””習癖”の一つです。
 ですから、これまでにも明らかにしてきたように,
 「くせ」は、やめさせようと思って,叱る、説得するなどの方法でしつけようとする程、
  かえって余計にこだわります。
 ”ごほうび”も先ず無駄だと思われます。

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「指しゃぶり」について(完結編)---「くせ」の話(第6話)

2009年02月16日 | Weblog
「指しゃぶり」について(完結編)---「くせ」の話(第6話)


「指しゃぶり」について前回までの話をまとめますと、

(第1回)について
○くせ全体に共通することとして
1)指しゃぶりによって当のご本人には得るものがある
2)指しゃぶりもやめさせようと努力するほどかえって強化される

○指しゃぶり独自の特徴ですが、
1)90%の赤ちゃんがおこなっています
2)1歳以降では年齢とともにやめてゆく
3)指しゃぶりの原因はほとんどの場合特にありません


(第2回)について
1)指しゃぶりは見かけによらず、根が深い
  A)指しゃぶりする場所、姿勢が一定している(ワンセットということ)
  B)指しゃぶりの時間もだいたい一定している
   ○夜寝るとき
   ○夕方,疲れて家の中でごろごろしているとき
   ○もっとこだわる子は日中遊んでいる時も
   *こだわりの違いはさまざまです

2)指しゃぶりの子どもたちにとっての効用は
  A)「気持ちがおちつく」「情緒安定につながる」
B)指をしゃぶることで注意をそこに集め、からだ全体のリラクゼーションを計っている

   *年齢とともに消えてゆくのは、ほかにもっとその年齢に合った
    何か気持ちが充たされるものを見つけてゆくからなのでしょう。

○<結論として>無理にやめさせようと努力して、かえって強めるよりも
月日をかけて自然に解消するのを待つことでしょう。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

さて、今日は最終回ですから、
指しゃぶりについて、多分皆さんが最もお知りになりたいこと、
1)本当に原因がないのか?
2)本当に害がないのか?
3)とめる方法はないのか?
の3点に焦ってお話しましょう。


1)90%の赤ちゃんがしゃぶる、また胎児期から指しゃぶりは
始まっているのですから、特別な原因を求める方に無理があります。
 ただ5歳を過ぎてますますこだわりが強くなる,
あるいはほかにも様々なくせ、こだわり、落ち着きがない、
などの問題が見られる場合には、
信頼のおける子育ての相談員、できれば適切な子ども専門の心理相談員の方と
ご相談をなさるのも一つでしょう。
また同時に小児歯科専門の先生に診ていただく事をお勧めします。


2)指しゃぶりに害があるというご指摘は、
歯科医師とくに矯正歯科の先生方から多くうかがっています。
つまり「”歯並び”(歯列)に及ぼす影響は大変」とのお話です。
確かに、矯正歯科の患者さんがたの「歯並び」は並ではないようです。
咀嚼(そしゃく)が困難などさまざまな影響があるそうです。

ただここで申し上げたいのは、
指しゃぶりする子が全員そうなる訳ではないということです!

その比率については統計的データーの問題になりますが、
少なくとも、指しゃぶり自体は,途中で無理な働きかけをしなければ、
年齢とともに大半の子がやめてゆきます。


さて次に、ぼくが小児歯科の先生から直接伺った大事なお話として
A)指しゃぶりの結果、歯並びに影響の出る幼児は約25%ぐらい
B)また影響が出ても、成長の過程で、歯の並びは歯の根から自然に戻る傾向にある
との事です。

この2点は大半の方々にとって安心材料になりますね。
またもし心配な方は、時々小児歯科専門の先生に
診ていただく事でしょうね。

3)止める方法ですが、
○先ず、できるだけ外で遊ぶ時間をつくってあげる事で発散できる。
これは子育て生活の基本的なこと、
つまり指をしゃぶりしていない子にも良いことです。

○次に、ちゅっちゅっと指しゃぶり真っ最中のお子さんには、
どんなに工夫しても止める手立てはなく,逆効果になるばかりですが、
< あくまでもこだわりがゆるくなって来た段階ならば>
時と場合によっては効果のある方法が考えられます。 

(その1)3歳児健診や歯科医院へ行った時、
歯科の先生に「今日からやめましょうね」と言って頂きながら、
赤チンキを少し、いつもしゃぶる指に着けていただくと
効果が出ることがあると言われています。
でもこれも、”だめもと”と覚悟はしておくことですね。

(その2)夜寝るときに、絵本などを読んであげながら、
しゃぶる指をそーっと親御さんの手のひらで包むようにして暖め続けている事です。
でも寝てからやはり口に入れたというお話もありますから、
これも”だめもと”が肝心です。

(その3)お子さんが親指をしゃぶろうとしたときに、
ママが「あっ、パパを見てごらん。
いたい、いたいって泣いてるよ」と言ったら、
パパが気を利かせて「いたい、いたい」と演技をした。
それを見てビックリしてその日からやめたというご報告があります。
”ビックリ”は少し気になるところですが・・・


もしほかに方法をご存知の方はぜひ、このブログの書き込みで教えてください。


(これで「指しゃぶり」のお話はおしまいです。
 次回はまた「CMの時間です」です!?
「10代の視覚障害ミュージシャン・木下航志さんのこと」を予定しています.お楽しみに!)

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くせ」について(第5話)ーーー「指しゃぶり」(その2)

2009年02月03日 | Weblog
くせ」について(第5話)ーーー「指しゃぶり」(その2)

前回の話をまとめると、

○まず、くせ全体に共通することとして

イ)指しゃぶりによって当のご本人には得るものがある。
心理相談では「気持ちがおちつく」と考えられている。

ロ)指しゃぶりも、やめさせようといろんな努力を重ねるほど
かえって強まります。
「注意していましたが、かえって余計にやめなくなるようで注意をやめました」
というお話を幾人もの方から聞いてきました。

○指しゃぶり独自の特徴ですが、

1)90%の赤ちゃんがおこなっています。

2)幼児期(1歳以降)になると、
年齢とともに次第にやめてゆく。
「5歳までに約90%がやめる」
という研究結果があります。

3)なぜ指しゃぶりをするのか?
ほとんどの場合原因は特にありません。
「欲求不満の表れでしょうか?」は
先ず当たっていません。


さて,今日のお話は

1)指しゃぶりは、「見かけによらず、根が深いのです」。

指しゃぶりにまつわる特徴として、
大人は、簡単なくせだと勘違いして、いろんな方法でやめさせようとしてきました。
叱る、反対にごほうびをあげる、包帯をする。
ほかに昔は「唐辛子を塗る」といった強制執行!?もありました。

でも近年、ある心理相談員の仲間が,2年かけて
指しゃぶりの科学的研究を続けた結果いろんなことがわかってきました。

結果は,一言で言って「見かけによらず、根が深い」ということです。
つまり簡単に取れるものではないのです。

大人は小さな指だけに気を取られることから,
簡単にやめさせられるという誤解を生むのでしょう。

指しゃぶりは、ちょうど芝生の一枚の葉っぱに例えられます。
葉っぱをちぎってもすぐ生えてきます。
そして葉っぱの根は地中でその辺り一面に広がっています。

仲間の研究では、保育園と施設の子8人について
長期間フォローしてみたところ、
指しゃぶりはいつもの決まった場所で一休みをするときに始まる、
しかも同じ場所に同じ姿勢で座ってから指を入れることがわかったのです。
つまり姿勢と指を口に入れているという行動がワンセットになっていると言うのです。

多分,どっかと一休みして「気持ちがおちつく」ひとときなのでしょうね。
大人ならお茶を入れる、煙草を吸うなど一服するときにあたるのでしょう。

ここで,1)の「指しゃぶりは、見かけによらず、根が深い」ということを
まとめますと
A)以上のように場所、姿勢が一定している。それらとワンセットになっている。
指しゃぶりはそうした根っこの上に育った葉っぱなのです。

B)さて、次に指しゃぶりの時間もだいたい一定している。
これはぼくの長年の相談経験からの結果です。

○時間は先ず,夜寝るときです。指しゃぶりのくせがある子のほとんどがそうです。

○もう一つには、夕方,疲れて家の中でタタミやソファの上で
ごろごろしているとき、うつろなひとときです。
テレビを見ながらの子もいるでしょう。

○ほかにもっとこだわる子の場合は日中遊んでいる時もおこなっています。
こだわりの違いはさまざまです。


2)子どもにとって指しゃぶりの持つ効用についてですが、
これまですでに、ご本人にとって「気持ちがおちつく」「情緒安定につながる」という事を上げました。

ところでもう一つ、いま、眠くなる時やうつろな時に多いと言いましたが、
ぼくはこの点から指しゃぶりは眠りにつきやすくする、
あるいは疲れを直すのではないかと思っています。

これは、じつはぼくのヨーガ体操の経験から思いついた事です。
ぼくは40才のときから極度に体調を悪くし、
一時はもう寿命かなと悲観的になったことがあります。
やがて48才になってからヨーガ体操に遭遇して
今日まで22年ほぼ毎日続けています。ですから今はすごく快調です。

さて、そのヨーガは、緊張する体操とリラグゼーションとを交互に行いますが、
このリラグゼーションとは,仰向けに大の字になって寝ながらゆっくり呼吸するのです。
でもその時ただ漫然と休んでいるのではなく、
おなかとか足のふくらはぎとか、からだのどこか一点に注意を向け続けているのです。
つまりある一点に意識が集中していると、ほかの部分は緊張から解けるのです。
それで疲労回復し易くなるのです。

子どもたちは指をしゃぶっていることによって、注意をそこに集め、
からだ全体のリラグゼーションを計っているのだと思います。
また唇の周りは神経が集中していますから、
指を当てている分だけ口と唇の神経自体も休まるのです。
そういう意味で,最も効率の良い休息法なのです。

「全身の緊張を一点に集中させることでからだ全体が弛緩する」という
ヨーガの原理が指しゃぶりに立派に生きているのです。

さて,以上のことから、指しゃぶりはどれだけ根のふかいものかがお分かりでしょう。
それほどに.その子には生活に密着した日常の必需品、楽しみなのです。

これがやがて,年齢とともに消えてゆくのは、
ほかにもっとその年齢に合った何か気持ちが充たされるものを
見つけてゆくからなのでしょう。


さて今日の結論として、
「指しゃぶりを無理にやめさせようと努力して、かえって強めるよりも
月日をかけて自然に解消するのを待つこと」
でしょう。

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「くせ」について(第4話)ーー「指しゃぶり」(その1)

2009年01月24日 | Weblog
「くせ」について(第4話)ーーー「指しゃぶり」(その1)

さあCMの時間など頂きましたから、
今日からまた気持ちを新たにして「くせ」の話をつづけましよう。


では「指しゃぶり」のお話ですが、
その特徴を一つずつ取り上げてゆきましょう。

○まず、くせに全体に共通することとして

イ)指しゃぶりによって当のご本人には得るものがある。
そう意味で良いものです。

 「何を得ているか」って?
そのことは、そばにいるご本人に聞いてみたいところですね。
と言ってもお子さんは言葉ではなかなか表現できないですからたとえば、
「ゆびっておいしい?」とか
「ゆび、だいすき?」なあんて
聞いてみると
きっと笑いながら
「うん」とうなずくでしょうね。

少なくとも、しかめっ面して
「ゆびしゃぶり、ほんとうはやめたいの。ママたすけて!おねがい!」と泣き出す!?
なんてことだけはないでしょう。

冗談はさておき、
心理相談員の業界では、”情緒安定”につながる
と言われてきました。
平たく言えば「気持ちが落ち着く」ということです。

でも本当のはなしですが、
「指っておいしい?」というタイトルの立派な本があります(注)。


ロ)指しゃぶりも、やめさせようといろんな努力を重ねるほど
かえって強まります。
「注意していましたが、かえって余計にやめなくなるようで注意をやめました」
というお話を幾人もの方から聞いてきました。



さて、では指しゃぶり独自の特徴ですが、

1)たいがいの子は赤ちゃんの頃から始めています。

上にあげた「指っておいしい?」の本によりますと、
・生後3ヶ月から5ヶ月の間には90%の子に見られますが、
 6ヶ月以降は次第に減ってくる。

・幼児期(1歳以降)になると、
いろんな研究から10%~40%と結果はさまざまです。
でも年齢とともに次第に減ってくる
ということを示しています。


2)このように年齢とともに次第にやめてゆくということが指しゃぶりの特徴です。

東京都中野区鷺の宮保健相談所のデーターではーーー
「5歳までに約9割がやめる」
という結果が出ています。

1985年の調査になりますが、
○1歳半健診を受けた448人の中で
108人が指しゃぶりをしていた。
その半数は3歳までに、
約9割の子が5歳までにやめていた、
となっています。


3)では、なぜ指しゃぶりをするのか?
という点ですが,
多くの場合、実は原因は特にありません。
90%の赤ちゃんが行っていることですから、
特別な原因などない訳です。

これまでよく
「欲求不満の表れでしょうか?」
というご質問を受けてきました。
でも逆に、欲求不満が何もない子という子も
これまたいませんね。

ただ、ご質問の意味は、
「うちの子になにか特に強い不満があってのことでしょうか?」
と言うことだと思います。

確かに例えばしつけがとてもきびしいとか、
ストレスが極度にたかまっているなどの場合には
それなりの影響として表れていることがあります。

でもこういった場合には、
ほかにもいろんなくせや行動などの特徴が
いくつもある場合が多いです。


(注)
井上美津子著「指っておいしい?ーー母と子の指しゃぶり教室」(ささら書房・1994年)

著者の井上美津子先生(昭和大学歯学部教授)は小児歯科の権威です。
この本は歯科学のお立場から指しゃぶりについて詳しく書いておられますので,
指しゃぶりについて関心のある方にはご一読をお勧めします。
先生とぼくたち乳幼児心理相談員との研究会を3回ほど開いています。
その内容についてもこれからご紹介します。

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