政治の季節【稗史(はいし)倭人伝】

稗史とは通俗的な歴史書等をいいます。
現在進行形の歴史を低い視点から見つめます。

冗談でなくなってきたたばこ一箱1000円

2008-06-20 07:37:17 | 自民党
たばこ1000円、消費税に影響も 基礎年金財源捻出が焦点  (産経ニュース 6/18)

たばこ税の増税論議が本格化している。「1箱1000円」も視野に入れた議員連盟も発足したが、焦点は福田康夫首相が「不可避」と表明した消費税増税への影響だ。平成21年度に予定される基礎年金国庫負担引き上げの財源は消費税増税が有力視されてきたが、議連にはたばこ増税でこれを賄う思惑が透けてみえる。衆院選前に消費税増税を打ち出せない空気が与党内で強まれば、たばこ税での財源捻出(ねんしゅつ)に傾く可能性も出てきそうだ。(高橋寛次)


このアイデアの恐ろしいところは、増税反対の声をあげにくいところだ。喫煙の有害性は受動喫煙も含めすでにだれもが承知しているところ。増税によって喫煙者が減れば医療費抑制にもプラスに働く。消費税増税も避けられるかも知れない。八方いいことずくめ?

しかし、笑う人あれば泣く人あり。
全国2600万の愛煙家は当初は大迷惑。だが、少なくともその半数はたばこをやめられて、結果的に喜ぶことになるかもしれない。残りは、値上がりを恨みながら、多少本数を減らしながらもたばこを吸い続けるのだろう。まあ、健康被害も自己責任。世の同情も集まらないだろう。
深刻なのはJT(日本たばこ産業)。あがるのは税金部分。JTの取り分は据え置き。収入は激減。医薬品・食品部門の売り上げはまだ全体の1割程度。たばこの国内販売が7割。2割が輸出用。製造本数は3割程度に落ちるだろう。会社の存続が危ぶまれるところまで追い込まれる。連結の従業員数4万人。外注・下請けを含めれば膨大な数の雇用に影響がでる。

たばこ農家数[組合員数]   13,132名
葉たばこ売り上げ 700億円
この人達も影響を受ける。

たばこ販売店  30万店。
タスポ導入で全国60万台の自販機の入れ替えがほぼ終わったと思われるが、以後の伸びは期待できない。自販機製造会社も影響は大きい。

実質的に税制改正を取り仕切る自民党税制調査会の幹部は、たばこ増税論議に「動機が不純だ」と不快感を隠さない。議連を主導する中川秀直元自民党幹事長が、これまで税調の路線と対立し、消費税増税に反対してきたからだ。中川氏はたばこ税引き上げの“大義”として健康増進を掲げているが、その裏には消費税増税を含む税制抜本改革を先送りする意図があるとみている。

自民党内での主導権争いも現実味を帯びてきた。
しかし、そろばん勘定に励むだけではなく、その陰で泣く人がいることを忘れずにいてほしい。

実際にたばこ税引き上げによって、税収は大きく増えるのか。20年度の税収見込みから試算すると、1箱(20本入り)300円のたばこが1000円になれば、たばこ税収は8兆円以上増える。増収分にかかる消費税額も増えるため、国・地方で9兆円規模の税収増となり、消費税を3.5%以上引き上げた効果が期待できる。

 ただ、これは同じ需要が継続した場合。8割の喫煙者が1000円以上になれば禁煙すると答えた調査もあり、増税となれば販売量の落ち込みは必至だ。日本たばこ産業(JT)は「大規模なたばこ離れを引き起こす」と、産業衰退につながると反対する。

過去の増税は1本1円前後で、単価が数倍に跳ね上がる大増税の「税収予測は困難」(財務省幹部)だ。大増税となれば、政府が50%を保有するJT株が暴落し、政府資産の価値下落につながる可能性もあるだけに、簡単には決着しそうにない。


世論は概ね値上げに賛成のように思われる。反対の声は今後もそう大きくなりそうにはない。どうやら値上げ幅はともかくとして、何も無しで終わりそうにはなくなってきた。
政府保有株の時価はほぼ2兆円。紙くずになっても増収で簡単にカバーできる。

愛煙家としては値上げは困るが、禁煙の好機にもなるし、いささか複雑な心境である。


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ジャンル:
政治
キーワード
日本たばこ産業 たばこ離れ 税制調査会 自民党幹事長
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