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遷移

2016年10月15日 | 樹木の基礎知識に関するお話

 Aという植物群落が時間の経過とともにBという植物群落に変化していく現象を遷移(せんい)といいます。

 簡単にザックリ言うと、何も生えていない裸地に草が生え、やがて木が生え、森になって、その森に生えている樹種が時間の経過ととも別の樹種に変わる現象・・・的な感じです。

 人が造成した所や火山が噴火した跡地など地上の木も地中の種もなくなり、他所から種が運ばれ、それが芽吹いて始まる遷移を「一次遷移」といいます。

 伐採跡地のように地上に木がなくても、切り株からの萌芽や地中にある種が芽吹いて始まる遷移を「二次遷移」といいます。

 

 でわ、一次遷移に沿って、遷移の流れを簡単に説明します。

 まず、裸地。

 草が生えます。


 一番早く生えてくるので「草」。

 環境によっては、コケが生えて、その上に草が育つというパターンもあります。

 コケが、草が育つための土台となるので「苔」。

 

 次に、茨やつる性植物が生えます。


 次に生えるので「茨」。

 

 やがて陽当たりを好む樹木が生えます。

 陽当たりを好む樹木を「陽樹」と言います。
 裸地や伐採跡地に真っ先に生える樹木を「先駆性樹種」とか「パイオニア」と言います。

 代表的な先駆性樹種として、アカマツ、クロマツ、アカメガシワ、カラスザンショウ、クサギなど。

  

 こうして、陽樹が優占する山が出来ます。

 

 陽当たりが良かった環境が、陽樹に占有されて、林内が薄暗くなります。

 すると、鳥などが林内へ運んできた種の内、薄暗い環境でも発芽できる種が発芽します。

 薄暗い環境を好む樹木を「陰樹」と言います。

 (ちなみに、薄暗い環境でも発芽するが、成長にはある程度の光を欲しがる・・・というような、陽樹と陰樹の間の樹木もあります。今回は、便宜上、陽樹と陰樹に分けて説明します。)

 陰樹はどんどん成長し、陽樹よりも大きくなります。

 大きな陰樹によって、陽当たりが悪くなった陽樹は、やがてその姿を消していきます。

 

 陰樹が優占する山になります。

 林内も陰樹の稚樹が、さらに生えます。

 最終的に、樹種が入れ替わることなく、安定した状態を「極相」と言い、この状態の山を「極相林」言います。(一応、濃い緑を極相種としています。)

 極相を作り上げる樹種を「極相樹種」といい、シイやカシ、ブナ、ツガなどがそれにあたります。

 最後に森林を支配する最強の樹木ですね。

 

 裸地 → 草 → 茨、つる性植物 → 陽樹 → 陰樹 → 極相 の順に移り変わります。

 

 しかし、極相林も台風などによって、一定の空間が倒木により崩壊することがあります。

 台風などで一斉に倒木したり、干害などで一斉に枯死したり、森林内に空間ができる現象を「攪乱(かくらん)」といいます。

  

 人為的な伐採も攪乱の1つです。

 

 

 これまで鬱蒼としていた林内が、攪乱によって、光が当たる明るい環境が出来ます。

 下から見上げると、こんな感じに。

(ちょっと、弱い攪乱・・・というか、すでに遷移が始まっています。)

 光が当たるようになると、再び、陽樹が生えてきます。

 

 こうして、再び、遷移が始まります。

 至る所で、小さな攪乱が起こり、遷移が始まることで、様々な林齢、様々な樹種、様々な樹高で構成された複雑な森林が出来上がります。

 こうした複雑な森林が、それぞれの環境に適した様々な生き物達を育むことで、多様な生態系が出来るということです。

 天然林も樹種・林齢・樹高が同一で単純な天然林よりも、多種多様で複雑な天然林が好ましいといえます。

 人間社会も少子高齢化で問題になっていますが、森林も同じで、子供から高齢者までバランス良く生えている方が良いというわけですね。

 

 先駆性樹種や極相樹種は、それぞれ一長一短の特徴を持っています。

 これらの説明は、次(別?)の機会に。 

 天然更新を実施するには、これら樹種の特徴や特性、種子の散布方法、更新地の環境を加味する必要があります。

 一言に天然更新と言っても、結構、奥が深いです。

 なるべく、分かりやすいように、数回に分けて、説明したいと思います・・・が、今回はここまでです。m(_ _)m。

 

 ※記事「埋土種子」へ続きます※

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1 コメント

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Unknown (兼六園 )
2016-10-17 19:14:45
森林の遷移がすごく理解しやすく感動しました。
新人への教育のひとつとして、ここのページを見させます!

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