中爺通信

酒と音楽をこよなく愛します。

鳥とねずみ

2016-12-07 21:14:27 | 音楽
 今週はオペラ「魔笛」。

 魔笛は去年度にひきつづきですが、フィガロよりもコンパクトで、さすがは晩年の名作だと思います。

 ストーリー的には、王子のタミーノが主役のはずですが、実際はどう考えても「鳥男」のパパゲーノです。そこがこのオペラの最大の面白さでしょう。

 存在感とキャラの強さ、「善い者・悪者」の単純な判断ができないところ、そして人情味溢れる「意志の弱さ」が魅力なのです。この人がいないと、物語が締まらない。


 …まさに「ねずみ男」だと思います。「魔笛」のストーリーを知った時にピンと来ましたが、「ゲゲゲの鬼太郎」のねずみ男は、パパゲーノからヒントを得たに違いない。

 「正義の味方」と「悪の大首領」のどちらにも欠けているもの…それは「生活感」です。登場人物の、リアルさや共感を生むのは、生活感なのです。

 生きていれば、腹も減るし欲もある。正義だけでは飯を食っていかれない。人の見ていないところでする、ちょっとした不正も、それは生活の知恵です。生きていくのは、それだけでもいろいろ大変なのです。

 自分に危険が迫ると、日頃いろいろと世話になってる鬼太郎を、わりと簡単に裏切ろうとするねずみ男。パパゲーノよりややダーティーですが、しかしそれは、悪者だからではなくて、一生懸命切実に生きているからでもある。だから憎めない。


 さて、名場面の多いパパゲーノ。今年も良い演技が見られそうです。

 本番は10日、「飯豊あーす」ホールにて。お時間のある方は是非。
『音楽』 ジャンルのランキング
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« はやクリスマス | トップ | きよしこの »
最近の画像もっと見る

コメントを投稿


コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。

あわせて読む

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL
ブログ作成者から承認されるまでトラックバックは反映されません。
  • 30日以上前の記事に対するトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • 送信元の記事内容が半角英数のみのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • ※ブログ管理者のみ、編集画面で設定の変更が可能です。