中爺通信

酒と音楽をこよなく愛します。

貴重な香り

2017-03-15 23:46:21 | 危機管理
 このあいだ、家族で鰻を食べに行きました。山形の老舗「あげつま」さんです。テーブル脇の窓の外に見える日本庭園におじけづく、格式の高いお店です。もちろん高いのは格式だけではない。…山形Qにも協賛してもらっているので、たまには大奮発もありかと。


 ところで、
「鰻でもとりましょうか」
…というフレーズに懐かしさを感じませんか?

 子供の頃、家にお客さんが来ていて、食事時を挟む場合の基本でした。関係ない私たち子供も、お相伴にあずかれる。2〜3ヶ月に一度あるかないか。今より高くはないが、やはり特別な食べ物でした。華やいだ気分になる。日常では許されないことが許されているようなプレミアム感がありましたね。

 考えてみれば、「お寿司」はさらにレアでした。年に1〜2回。酢飯の香りは「お祝い」の匂い。みんなが嬉しくて楽しい、特別な香りなのです。


 科学の進歩とデフレのせいで、私のような庶民でも、今では日常的に寿司を食べられるようになりました。実に嬉しいことです。

 しかしあの、ゾクゾクするような晴れがましさが失くなったのは、かすかな寂しさも感じる。そして、今の子供たちには、もともとそういう感覚もない。豊かになって失うもののひとつです。


 そういう意味では、鰻は健在ですね。いや、ますますプレミアム感は高騰しています。恐ろしくてなかなか口にできない。

 久しぶりに大奮発(しつこい)した鰻重は、実に美味かった。

「ああ、こんなものが日常的に食べられる身分になりたいなあ」

…いやいや、貴重な贅沢の「香り」として、大切にとっておきましょう。
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