中爺通信

酒と音楽をこよなく愛します。

世界に名だたる

2016-10-15 23:16:47 | 山形交響楽団
 昔、夜の報道番組にチェロのヨーヨーマがゲストで出て、演奏しているのを見ました。久米宏に「緊張しないんですか」と訊かれた彼はこう言いました。

「昔は、自分を証明するために弾いていたのでプレッシャーを感じました。しかし、その必要がなくなってからは、聴く人と一緒に音楽を楽しむために弾いているので緊張しません」

 わかる気がします。失敗して「なんだ、あいつもこの程度か」みたいに思われるのは、演奏家としてもっとも恐ろしい。仕事が減ってしまうのではという心配以上に、自分の存在価値そのものが薄れてしまうような気がするのです。

 逆に、周りからの評価が定まって、しかもそれに不満がないようになれば、余裕を持って音楽に集中できるし、そうすればさらに良い演奏になるという「好循環」が生まれる。これこそ、最も理想的なものです。つまり、演奏家というものは、それほどまでに評価を気にしてしまう生きものなのです。


 さて、今週末は山響定期。「世界一」と言っても過言ではないホルンの名手、バボラーク氏の指揮と「吹き振り」です。

 40歳という若さでありながら、もはやその評価には揺るぎがない世界的な名手ですから、やはり余裕が違う。ホルンのテクニックはもちろんですが、その音楽にも、指揮にも、穏やかな美しさがあります。

 これは、もちろん人柄や天性の音楽性による所もあるでしょうが、一番大きいのは例の「揺るぎない余裕」のなせる業だと思えて仕方がない。自分の評価に汲々としている普通の指揮者が、頑張れば頑張るほど到達できない境地にあると思います。


 初日の今日も、良い演奏会になりました。明日も頑張ります。

 テルサで午後3時開演。お時間のある方は是非。ちなみに、開演前のロビーコンサートは、山形Qが担当いたします。
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2 コメント

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楽しい演奏会でした (kikumimi)
2016-10-16 17:13:55
昨日拝聴しました。ホルンは包容力を感じるような穏やかな音色なんですね。改めて気がつくことが多かったです。どの曲もワクワクしながら集中して聴くことができました。ロビーコンサートも意外なプログラムで楽しかったです。おてもやんの影響…ではありませんが、終演後はキリンの熊本づくりを買って帰りました(笑)。素敵な演奏会をありがとうございました。
>kikumimiさん (中爺)
2016-10-17 21:30:08
 ご来場、ありがとうございました。
世界一のホルンの音色は、余裕にあふれた、スケールが大きいものでしたね。さすがの一言です。
 ロビーコンサートも聴いていただいたようでありがとうございます。

 山響は今後も、海外の一流が共演する演奏会がありますので、ご期待くださいね。

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