メンデルスゾーンについて考えてみましょう。音楽史に名を遺す他の大作曲家と比べて、彼が変わっているのは、とにかく「生まれつき大金持ちだった」という点です。
「メンデルスゾーン銀行」の御曹司として、何不自由なく最高の教育を受けて、留学もし放題、自宅のサロンで自分のためのオーケストラを指揮できるなど、ベートーヴェンやモーツァルトが聞いたら「ふざけるな!」と言いたくなるような恵まれた環境に育っています。死後、ワーグナーなどからひどい言われ方をしたのは、メンデルスゾーンがユダヤ人だったからだけではなくて、そういうありえないほど恵まれた環境に対する「ひがみ」があったのではないでしょうか。確かにうらやましい。
・・・それほど何でもそろってれば、誰だって一流の音楽家になれる。
そう思いますか?私はそれは絶対に違うと思います。むしろ、そういう環境でよくあんなに素晴らしい音楽が書けたものだと感心してしまうのです。
自分の名字の銀行があるような身分で、金と暇がいくらでもあったら、ふつう真剣に音楽なんかできない気がするのです。私などは、宝くじが当たっただけでも山響なんかやめてしまいかねない。そうして朝から晩まで飲んだくれ・・・はせずに、ヴァイオリンは続けるかも知れませんが、やはりそうなると「なにもそんなに頑張らなくても・・・今日は疲れたからもう飲みに出かけよう。金が使いきれないと困るし」みたいになってしまって、音楽家としてプラスには作用しないような気がするのです。まあ、これは私が自堕落だからでもありましょうが、つまりそれが「凡人」だということなのだと思います。
それが証拠に、音楽家とくに作曲家として大成した貴族は聞いたことがありません。その気になれば、ハイドンのような、お抱えの優秀な楽長からメンデルスゾーン以上の教育を受けることもできたはずなのに。やはり経済的な環境に恵まれていることは関係ない。むしろダメなのだということでしょう。
ああ、自分は貧乏で良かった。安月給に感謝しなくては。
・・・もちろんそうは思いませんけどね。どうせ天才でないのなら大富豪の方が良いに決まってます。
とにかくメンデルスゾーンは、貧乏を乗り越えて作曲家として大成した人よりもすごいのではないかと思うわけです。だからあれだけ純粋な響きがするのでしょう。モーツァルト以上に「スレてない感じ」がするのはそのためだと思います。
特に今度、山形Qで演奏する「第1番」はメンデルスゾーンが二十歳の時の作品です。欲が絡まない、「純粋な情熱」を表現できるといいですね。・・・「おじさん」には難しいところですが。
「メンデルスゾーン銀行」の御曹司として、何不自由なく最高の教育を受けて、留学もし放題、自宅のサロンで自分のためのオーケストラを指揮できるなど、ベートーヴェンやモーツァルトが聞いたら「ふざけるな!」と言いたくなるような恵まれた環境に育っています。死後、ワーグナーなどからひどい言われ方をしたのは、メンデルスゾーンがユダヤ人だったからだけではなくて、そういうありえないほど恵まれた環境に対する「ひがみ」があったのではないでしょうか。確かにうらやましい。
・・・それほど何でもそろってれば、誰だって一流の音楽家になれる。
そう思いますか?私はそれは絶対に違うと思います。むしろ、そういう環境でよくあんなに素晴らしい音楽が書けたものだと感心してしまうのです。
自分の名字の銀行があるような身分で、金と暇がいくらでもあったら、ふつう真剣に音楽なんかできない気がするのです。私などは、宝くじが当たっただけでも山響なんかやめてしまいかねない。そうして朝から晩まで飲んだくれ・・・はせずに、ヴァイオリンは続けるかも知れませんが、やはりそうなると「なにもそんなに頑張らなくても・・・今日は疲れたからもう飲みに出かけよう。金が使いきれないと困るし」みたいになってしまって、音楽家としてプラスには作用しないような気がするのです。まあ、これは私が自堕落だからでもありましょうが、つまりそれが「凡人」だということなのだと思います。
それが証拠に、音楽家とくに作曲家として大成した貴族は聞いたことがありません。その気になれば、ハイドンのような、お抱えの優秀な楽長からメンデルスゾーン以上の教育を受けることもできたはずなのに。やはり経済的な環境に恵まれていることは関係ない。むしろダメなのだということでしょう。
ああ、自分は貧乏で良かった。安月給に感謝しなくては。
・・・もちろんそうは思いませんけどね。どうせ天才でないのなら大富豪の方が良いに決まってます。
とにかくメンデルスゾーンは、貧乏を乗り越えて作曲家として大成した人よりもすごいのではないかと思うわけです。だからあれだけ純粋な響きがするのでしょう。モーツァルト以上に「スレてない感じ」がするのはそのためだと思います。
特に今度、山形Qで演奏する「第1番」はメンデルスゾーンが二十歳の時の作品です。欲が絡まない、「純粋な情熱」を表現できるといいですね。・・・「おじさん」には難しいところですが。
この記事、特に素敵です☆
「モーツァルト以上にスレてない感じがする」
長年の私のモヤモヤを吹き飛ばしてくれました。
なるほどね!(^^)
私は中学だか高校の頃、かの名曲に(誰もが出会うように)出会った時から、
メンデルスゾーン、どうもしっくりこなくて、ですね(^^ゞ
中爺さまの言葉に気持ちよく納得できたのでした!(^^)☆
素敵なコンサートになりますように☆☆☆(^^)
メンデルスゾーンは弾いてみるとまた印象が違いますね。ちょっとイヤになるぐらい実に緻密です。バッハやベートーヴェンなど、過去の大家の音楽をよく勉強していたからでしょう。
…できすぎた人ですね。
確かにユダヤ人をとりまく環境は、我々日本人には想像もできないような苛酷な部分もあったようですね。しかしメンデルスゾーンの一族はユダヤ人の中でもずば抜けて優秀です。祖父のモーゼスは哲学者として認められていましたし、家はフェリックスが生まれる以前にすでにドイツじゅうの知識人が集うサロンになっていたようです。ゲーテにも孫のように可愛がられ…本当に何もかも持って生まれてきた人ですね。
ますます深まったご回答、ありがとうございます!m(__)m☆
そして ますます納得できました!(^^)
さらにすっきり☆(^^)
この記事とは内容違いますが、
以前コメントでいただいたお言葉、
「才能」とは「性格そのもの」であるという事のような気がする、
をいただいてから、楽器が楽に弾けるようになりました。
15年くらい前、親切心から指摘してもらっていた課題にどこかつながっていて、ようやく乗り越えることができました。
ずっと糸口を探す努力をしていたのですが、なかなか…だったのですが、
中爺さまのおかげで!です。
私にとっては大きなことです。
助けてくださり、ほんとうにどうもありがとうございましたm(__)m☆(^^)☆
最初「性格そのもの」ってギクッとしたのはほんとうです(^_-)
でも、えいっ!と乗り(踏み)越えました。(^^)
ここは基本的に、酔っぱらいの独り言のコーナーなので、ほどほどに読んで下さいね。
はいっ!(^^)