中爺通信

酒と音楽をこよなく愛します。

全開

2009-04-15 09:04:00 | 雑記
「いち早く来た春」

 喜びの日よ。早くも来たか。
 暖かい太陽はわがそぞろ歩きのために、丘と森を返してくれるか。

 小川は雪解けの水をうけて、いともゆたかに流れる。
 これが去年の秋見た草原か、これが去年の秋見た谷か。

 青い色のみずみずしさ!空よ丘よ!
 金色に輝く魚は、みずうみに群がる。

 色とりどりの鳥が森の中で羽音を立て
 いとも妙な歌がその間に響いて来る。

 いきいきともえる緑の花やぎわたるなかで、
 みつばちがうなりながらみつを吸い取っている。

 かすかな動きが大気の中にふるえて、
 うっとりする気配、眠りを誘うかおり。

 やがてやや強いそよ風が起こるが、
 すぐにまた茂みの中に消えうせてしまう。

 だが、そよ風はわが胸に帰って来る。
 詩の女神よ、この幸を歌い伝える力をかし与えよ。

 言ってごらん、きのうから何がわが身に起こったか。
 わが姉妹たちよ、いとしい人が来たのです。        ゲーテ


 山形もようやく桜が満開。ずいぶんあったかい日が続いたので、三分咲きとか五分咲きが無くて「いきなり全開」という感じです。散る花がなくて全部が咲いているので、本当にそこらじゅうが明るくなったように見えます。

 上の写真は、そこらへんの小さいお寺の桜ですが、「桜の名所」みたいに見えます。いつも車でその前を通っていましたが、失礼ながらそこにお寺があったことに初めて気がつきました。桜が咲くと、そこにスポットライトが当たったように見えますから「こんな所あったんだ…」と、初めてしげしげと見たりします。見慣れた風景が新鮮に感じられるのは、そのせいかも知れません。

 野球のユニフォーム姿で歩いていた小学生3人組が
 「あっ、さくらさいてるじゃん。みてく?」
 「いいねえ」
と入っていきました。桜は人を風流にするもんですね…。

 

 
コメント
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