おはようございます、社会保険労務士の山田透です。
ライフ・ワーク・バランスの一環として、残業時間を代休で相殺することで、健康で豊かな生活のための時間の確保ができる企業運営を図ろうと考えています。このことを実行するについて、労働基準法上問題がないか検討していきたいと思います。
「代休」と「振替休日」の関係について復習します。
「代休」とは、休日労働や残業が長時間行われた場合に、その代償措置として以後の特定の労働日の労働義務を免除するものです。
「振替休日」とは、あらかじめ休日と定められた日を別の日に振り替え、その代わりに、あらかじめ休日と定められていた日を労働日(出勤日)とすることです。このように、事前に振替休日をした場合は、本来の休日と労働日を入れ替えたことにより、休日労働としての割増賃金の対象にはなりません。
「代休」と「振替休日」とは、すごく簡単に要約すると割増賃金が発生するか否かという違いがあります。
例えば、1日の所定労働時間8時間の会社で、残業時間が8時間を超えたとき、月1回に限り本人の希望で休める代休制度を創設しようとしました。
労基法上は、時間外労働割増賃金が法定どおり支払われ、かつ、残業時間と代休を相殺することを労使間で定めている場合には、特に問題はないものと思われます。
土曜日と日曜日が休日の会社で、土曜日に8時間勤務させ、月曜日に代休(就業規則で無給と定めている)を与えた場合について考えてみます。
土曜日の8時間の勤務に対しては割増賃金を含めて8時間 ×125 %の賃金を支払った場合、月曜日の代休に対しては、1日分の賃金(8時間 ×100 %)を差し引くことができます。その結果、一給与計算期間で見たときには、通常の賃金は支払われることになり、かつ、2割5分の割増賃金も支払われることになります。
同一の給与計算期間中に代休が取得され、2割5分増の割増賃金を支払う限り、法律上特に差し支えないものと考えられます。
労使間で合意していても、個々の労働者が代休を取得する意思がないのに一方的に代休として取扱うなど、従業員の意思に反して残業時間と代休を相殺することはできません。従業員が代休を取得するかどうかの選択権を有し、また、代休を取得しない場合には、割増賃金だけでなく通常の賃金も支払うようにすることが必要です。
代休は法律で規定されている制度ではなく、労使の合意に基づく制度ですので、運用に際しては、十分注意をして下さい。
著作権:山田 透
ライフ・ワーク・バランスの一環として、残業時間を代休で相殺することで、健康で豊かな生活のための時間の確保ができる企業運営を図ろうと考えています。このことを実行するについて、労働基準法上問題がないか検討していきたいと思います。
「代休」と「振替休日」の関係について復習します。
「代休」とは、休日労働や残業が長時間行われた場合に、その代償措置として以後の特定の労働日の労働義務を免除するものです。
「振替休日」とは、あらかじめ休日と定められた日を別の日に振り替え、その代わりに、あらかじめ休日と定められていた日を労働日(出勤日)とすることです。このように、事前に振替休日をした場合は、本来の休日と労働日を入れ替えたことにより、休日労働としての割増賃金の対象にはなりません。
「代休」と「振替休日」とは、すごく簡単に要約すると割増賃金が発生するか否かという違いがあります。
例えば、1日の所定労働時間8時間の会社で、残業時間が8時間を超えたとき、月1回に限り本人の希望で休める代休制度を創設しようとしました。
労基法上は、時間外労働割増賃金が法定どおり支払われ、かつ、残業時間と代休を相殺することを労使間で定めている場合には、特に問題はないものと思われます。
土曜日と日曜日が休日の会社で、土曜日に8時間勤務させ、月曜日に代休(就業規則で無給と定めている)を与えた場合について考えてみます。
土曜日の8時間の勤務に対しては割増賃金を含めて8時間 ×125 %の賃金を支払った場合、月曜日の代休に対しては、1日分の賃金(8時間 ×100 %)を差し引くことができます。その結果、一給与計算期間で見たときには、通常の賃金は支払われることになり、かつ、2割5分の割増賃金も支払われることになります。
同一の給与計算期間中に代休が取得され、2割5分増の割増賃金を支払う限り、法律上特に差し支えないものと考えられます。
労使間で合意していても、個々の労働者が代休を取得する意思がないのに一方的に代休として取扱うなど、従業員の意思に反して残業時間と代休を相殺することはできません。従業員が代休を取得するかどうかの選択権を有し、また、代休を取得しない場合には、割増賃金だけでなく通常の賃金も支払うようにすることが必要です。
代休は法律で規定されている制度ではなく、労使の合意に基づく制度ですので、運用に際しては、十分注意をして下さい。
著作権:山田 透