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アリス・イン・腐敗惑星ー寂寥王の遺産ー第28回

2018年01月14日 | アリス・イン・腐敗惑星ー寂寥王の遺産

アリス・イン・腐敗惑星ー寂寥王の遺産ー第28回
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
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 独立装甲兵団の兵士は、寂寥王によって血祭りに上げられていた。
16面体のやりを寂寥王が利用したのだ。
 16面体が意識を取り戻してきた。16面体と寂寥王は戦おうとする。
 「もう、おやめ下さい。寂寥王よ。いさぎよく、あなたの間違いを
認めて下さい」

ゴーストトレインが後にいた。中にはチャクラの中枢頭脳がのっている。

 「おお、お前たちが、お前たちも手伝ってくれ、はやく」
が、ゴーストトレインとチャクラは、その命令には従わない。
 「寂寥王よ、お気づき下さい。戦闘16面体が何かを……」
 「何だというのだ」
 「彼らはあなたの良心じゃ」
 「あなたが古代に構成した機械良心です」
 「何。何を世迷い事を言っているのだ。二人とも」
 「覚えておられないのなら、お見せしましょう。しかたがない」
ゴーストトレインの眼から、映像が上空に写しだされていた。チャ
クラの中枢頭脳が覚えている古代の記憶だ。
寂寥王と16面体はその映像に見いる。

 「ああっ」
寂寥王は叫び、泣き出していた。
16面体はただただ見とれている。

突然、寂寥王の体が激動した。

 寂寥王の体が三つに分離する。
寂寥王と一角獣にされていたレムリア、それに世界子であるトリニティ。

 トリニティは三身一体だった。
いままでのレムリアの体、一角獣は霊体であった。
ちょうど一角獣レムリアが駆け込んでくる。
二つの体が一体化する。

 「私は、私は一体今まで何をしていたのだ……」
寂寥王の顔から血の気がひいていた。
 「寂寥王よ、ワシラは、この姿に形を変わり、あなたの分身がかえ
 って来られ、この星を元に戻していただけることを長い間まってお
 りましたのじゃ」

「私のおかげでこの世界が腐敗したのだな」
 「また、お前を一角獣に変えたのも私だというわけか」
レムリアに向かって言った。
 「なあんだ。ユニって、あたしのお母さんだったのか。ああつまら
ない」

 「トリニティ、あなたこそ何を言っているの。あなたは世界
子よ。もっとそれらしく勉強しなさい」
 「ああ、また、勉強か」
 「寂寥王よ、ワシラが、過去に一つの共同体の船であったことを思
い起こしてくだされ。機械城が船のメインボディであり、ワシ、チ
ャクラが、他の我々が、一体何であったかを。そうすれば、我々が
何を目的としていたかお解りになるはずじゃ。この船を中心コアと
してこの星を作られた。ワシラはあなたから、切り捨てられた手足
じゃ。ただ、レムリアさまは、ワシ、チャクラに子供を預かるよう
にいわれましたのじゃ。それがトリニティさまじゃ」

チャクラが言う。

 「そして、16面体は、あなたが、この腐敗惑星を作られたときに破
棄された機械良心体です。

機械にあなたの良心を移植し、埋め込んでおかれたのです。
ただ、16面体はその良心のゆえに、あなたの行動に我慢できなかっ
たのです。
この腐敗惑星の残酷さゆえに。それに機械砂によってこの16面体の
意識がおかしくなりました。
切り離されたがゆえ、あなたを憎むようになったのです。
彼らはあなたを憎み、トリニティのコピーである、アリスまで作って
しまいました。
この星を改造しようとしてね」

がっては船の付属生体宇宙艇であったゴーストトレインが、続けて言った。
 「そうだ。残念ながら、そいつらが教えてしまったが、その最初か
らの歴史を知り、私は監視機構を作り上げたのだ」
ラフラタであったものが言った。
 「寂寥王よ、お目覚めください。あなたは1人ではない。我々とい
う味方がいるのです」
16面体が言った
「寂寥王よ、我々らも、目覚めました。どうか、我々を臣下として、
お許しください。この我々の機械城を、この腐肉どもとの戦いにお使いください」

「ワシの水羊宮とこの機械城があれば、鬼に金棒じゃ」
 「オット、わたしも忘れちゃ困りますよ」
ゴーストトレインが言った。
「私もいるわ」
 一角獣の姿から元の姿に戻ったレムリアが言った。
「それにあたしもね」
トリニティもこわごわ言う。
「我々のファミリーがあれば チャクラが言う。
何を恐れることがありましょうや」

 「皆許せ。私は1人ではないのだな。許してくれ。反省する」
寂寥王は皆の前にひざまずいた。
そして、腐肉のかたまりにたいしていった。

「生き物だちよ、許してください。私がすべて悪いのだ」

「寂寥王よ、何を言われる」
(続く)
1975年作品 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
アリス・イン・腐敗惑星ー寂寥王の遺産ー
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