山脇内科小児科医院

医療・医学情報

産前産後のうつ病

2009-04-13 19:47:56 | Weblog
糖尿病女性患者では、血糖値異常のない女性に比べ、妊娠中および産後のうつ病発症リスクが2倍高いことが、米国の調査で明らかになった。妊娠中および産後うつ病は米国でも深刻な問題で、分娩後1年以内のうつ病発症率は10人に1人と言われる。分娩後2-6カ月ごろに発症することが多く、適切なケアを受けずにいると、母子関連だけでなく児の発達にも深刻な影響を及ぼす。米ハーバード大学医学部では、糖尿病が産前産後のうつ病の要因となるか否かを評価するために、2004-2006年間に出産を経験した1万1,000例超のデータが分析された。その結果、糖尿病女性患者の15.2%が妊娠中あるいは産後にうつ病を発症していた。非糖尿病女性のうつ病発症率は8.5%だった。うつ病の既往歴のない女性でも糖尿病患者では9.6%がうつ病を発症していたのに対し、血糖値異常のない女性での発症率は5.9%だった。研究では、糖尿病とうつ病発症との潜在的な関連理由については検討されていないが、糖尿病により生じる生物学的な変化がうつ病リスクを高めるとともに、慢性疾患管理のストレスがうつ病リスクとなる可能性が指摘されている。産後には糖尿病もうつ病も治療可能であり、糖尿病女性の産後うつ病に特に注意を払う必要がある。


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1 コメント

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Unknown (軽い産後うつに悩む主婦)
2009-04-25 20:55:37
ブログ拝見いたしました。
勉強になります。