気楽に山歩き

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『方丈記と徒然草』 三木紀人著 (青春出版社)

2017年11月01日 | 
方丈記と言えば「行く川のながれは絶えずして、しかも本の水にあらず。よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて久しくとゞまることなし。・・」という書き出し。
徒然草は「つれづれなるままに、日くらし硯にむかひて、心にうつりゆくよしなし事を、そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ。・・」ですが、方丈記も徒然草もちゃんと読んでいませんで教科書で習ったこの冒頭が微かに記憶に残っている程度です^^;

ここで説明するまでもない古典で清少納言の『枕草子』とあわせて三大随筆といわれています。

この本は要点がまとめられ、その成り立ちなど書かれていて分かりやすく、興味深かったです。

鴨長明が方丈記を書いた時代は鎌倉時代初期、卜部兼好(吉田兼好)が徒然草を書いたのは約百年後の鎌倉時代から室町時代初期といいます。
それぞれ時代背景は天災や政治の乱れで騒乱が絶えず、人々の生活は大変な時代でした。

鴨長明は京の上賀茂神社、下鴨神社の禰宜職の家系。
兼好は吉田神社をあずかる支流の家系。
どちらも立派な家柄に生まれながら諸事情で継ぐことなく、いづれ隠遁生活を送るようになるのですが、知性、教養豊かでしたから、趣味を楽しみながら世情を見つめ、それぞれの思いを書き記したのが方丈記と徒然草。

幾多の天災や戦禍によって、人も花も自然はすべて変化して同じ状態であり続けないということから、執着の心を捨て、何事にもとらわれなければ心の安楽が得られるという考え方を実践した長明と兼好の生き方がまとめられているといって、いいでしょうか?

どうにもならないという「無常観があきらめのよい日本人の国民性を育んだといわれている」と書かれてますが、騒乱や天災などは世界中どこにでも起きているのに何故だろう?とも思います。
限りある命や花鳥風月という自然を愛でる思いと、その無常観が結びついて独自の文化が築かれたということらしいですが、日本の気候なども関係してるのでしょうね。

現代の日本はここ70年あまり戦禍もなく安定していますが、大地震や津波など大きな天災は時折起っていますね。
事故やら事件やらも常に起きている世の中で、平和にも関わらず何不自由のない暮らしから突然暗転することもあるわけで、一人一人の内面は今の世も様々だと思います。

そんなはかない世の中だからこそ、無常の中でも積極的に生きることを考えていたといいますから、今風でいえば前向き、ポジティブですよね。

現代にも通じる生き方かもしれません。

でも私には隠遁生活は到底無理です・・・^^;


養老孟司さんの『バカの壁』の流れでこの本を読んでみました(^^ゞ
本来は『方丈記』も『徒然草』も原文を読めばいいのでしょうけど・・・^^;

簡単に覚書まで。


※三木紀人(みき すみと) 1935年生まれ 

2011年発行
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