けぶる稜線

ひいらぎのとげが語る

豚の体内で作られる人間の臓器

2023-12-13 10:37:05 | 日記
最新の遺伝子編集技術を駆使して生まれた優秀なスポーツマンの登場。DNAediting によるデザイナーベイビーの誕生。子供の能力向上を願うことに狂った世の親どもが競って大枚を積み上げる。身体的特徴だけでなく、各種の能力やスーパーマン的な体力を授けることも出来る。

半世紀以上も前、小学生向けの雑誌に未来のスポーツ選手はこうなる、という記事があった。それは、製薬会社お抱えの選手が勝つか、それとも、地道に練習した選手が勝つかという記事だった。明確な結論はなかったが、製薬会社の提供した薬(物)を服用したスポーツ選手に勝利の日が来るだろうという内容だった。

豚の受精卵に人間の細胞を送り込んで、豚の体内ですい臓などの人間の臓器を作る。そんな研究が米国で行われている。母豚の子宮内ですくすくと育っている。今現在では、豚の体内で育つ人間の細胞を持つ受精卵は28日目で廃棄される( BBCより)。十年程度で実現するだろうとの予測。さらに将来は・・・?

腎臓、肝臓へと豚の体内で作る臓器研究はとどまる所を知らないだろう。その時、人間の細胞を体内に持った子豚が人間の性格をも持ったとしたらどうするか、という問題が出てきた。1945年に刊行された ジョージ・オーウェルの小説「動物農場(Animal Farm)」になるのか。人間が変わるのか、それとも、豚が変化 (進化?) するのか。

古代の海から生まれ人間にまでなった進化は止まるのか。人間の手で人間を進化させるのか。それとも、別の種に変化してしまうのか。加齢黄斑変性症にiPS細胞を使う臨床試験がなされた。iPS細胞で作る研究か、それとも、豚の体内で作る人の臓器の方が安上がりで早く安全に作れるのか。正に、半世紀前に読んだ薬物スポーツマンの現代版だ。
(2017.12.15.投稿)




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