けぶる稜線

ひいらぎのとげが語る

汝、姦淫することなかれ!  もう、遅 ぃ!?

2019-11-19 11:32:02 | 日記

蹴る靴底から乾燥した土が舞うようなムンムンする蒸し風呂のような夏日の上野動物園にいた。猿山の近くにある売店前の広場で、衣服で全身をすっぽり覆っているすらりとした女性二人と、これまた対照的に、半ズボンにサンダルTシャツ姿の若い外国人。男はフセイン大統領の息子兄弟に似ている顔付きだった。女性二人と男の目がこちらを見た。彼女らの目は妖しく光り、落ち着いてこちらを真っ直ぐに見ていた。切れ長の目だった。湾岸戦争(2003年)の一年前頃だったろうか。

熱帯モンスーンの国まで来て、目の部分だけを出した服装 (ブルカ) をしていなければいけないとは。宗教上の戒律に金縛りになっているのであろうが、全身を覆う衣服の下に隠れている輝く大理石のビーナスを想像してしまった。そんな全身を覆うブルカを脱ぎ払ったら超ビキニの肢体が現れるのだろうか。

こんな格好の女性が夏の銀座を歩いたらどんな衝撃が走るだろうか。哀れみか、怒号か、無視か、興味シンシンか、それとも、日本に生まれてよかった、という偏狭な愛国心が鎌首を持ち上げるのだろうか。そして、そんな集団が2・30人だったらどう反応するだろうか。三年後の東京五輪が来る前からワクワクと想像力が湧き上がってくる。

高等教育を受けた人達がイスラム教という宗教を生活の最前面に置きそれに基づいて行動している。彼らの母国ではエリート層だろう。現地の一般的標準よりも高度な教育を受けたであろう人々がこうだから、イスラム問題は複雑になる。

フランスの自治体が禁止して議論を呼んだイスラム教徒の女性向け水着と称する「ブルキニ」。バルス元仏首相は地元紙に「ブルキニは新しいタイプの水着やファッションではない。政治的意図の表明であり、反社会的で、とりわけ女性の隷属に根ざしている」と語ったという。

考案者ザネッティ氏は、親と共に2歳のとき豪州へ移住したイスラム教徒であるが、当然のこととしてオーストラリアの教育を受けているはずなので「女性の隷属の象徴だ」の意味するところを理解しているはずだ。彼女はルモンド紙にこう語ったという。「フランスの市長や政治家が禁じたいのはブルキニですか、それともイスラム教ですか」と。が、彼女は論点を故意に曲げそらしている。

女性を従属するモノ ( 物 ) ≒ 子供を産む機械、と見なす考えに加担しているだけだろう。個人の生きる、活動する選択の自由を奪っておいて、論点をブルキニかイスラム教かと二者択一的に迫っている。滑稽だ。
宗教上の理由という理由で、そんなものを被って (着て) 海に入る女性はどんな心境なのだろうか。楽しみのためでもあるまい。乾燥した空気や強い日光から肌を守る機能も持っていると公に強弁するイスラム教徒もいるらしい。それなら、湿度満点の夏に来日するイスラム教徒の女性は、Tシャツ姿で町を闊歩する自由を享受出来るのではないか。
(2017.10.14.投稿)



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