正直言うと、
日本の知識人を、俺は、まったく信用していない。
いや、世界的に見ても、
知識人ってのは、
そもそも信用できない。
そう思っている。
その証拠は山ほどある。
たとえば20世紀の初頭のことだった。
ヨーロッパのあるマスコミが、
ヨーロッパの知識人たちに、
「20世紀はどんな世紀になるか?」
と質問してみた。
一種のアンケートだ。
すると、大学教授などの知識人のほとんどは、
こう答えた。
「技術は進歩するが、
20世紀も、ヨーロッパの植民地時代は続くだろう。
そして植民地の配分が決まった以上、
平和な20世紀が続くだろう」
つまり、採点すると、
この答えは、ほぼ0点であった。
だって、このアンケートの数年後、
第一世界大戦が始まったからだ。
そしてさらに、25年後に、
第二次世界大戦が始まり、
その後も冷戦や宗教戦争、民族紛争、
領土紛争は続いている。
同じことは、太平洋戦争中の日本の知識人にも言えるし、
幕末の知識人たちにも言える。
戦後にアメリカ軍が日本に進駐したときの諸政策・・・・
この、ほぼ90%以上は、
知識人には、予想できなかったと言っていいだろう。
男女平等、
婦人参政権、
主権在民、
基本的人権の尊重、
平和憲法、
労働三法、
妻の財産権、
妻の親権、
学校教育法、
言論の自由、
集会の自由、
農地改革、
財閥解体、
生活権・・・
ずらずらずらと書いたが・・・・これらを、全然、日本の知識人たちは
予想すらできなかった。
その他、各種人権が保障され、
男女平等を実現する・・・さまざまな政策は、
知識人の予想だにしなかったものばかりだ。
知識人はいたずらに、「皇紀2600年」とか「満州10万体の英霊」とか
「国体の護持」とか「男はアメリカに連行され、黒人の奴隷になる」とか
「女は皆、アメリカの男にレイプされる」とか、
嘘っぱちを言って、
日本国民を騙し続けた。
幕末も同様で、
明治維新や文明開化を予想できた知識人は、
どのくらいいたんだろうか?
いても、ほんのわずかだろう。
彼らは、いたずらに、鎖国擁護や尊皇攘夷を唱え、
その結果、前途有為の人材たちが暗殺された。
あるいは斬首され、あるいは自ら切腹した。
(坂本竜馬、横井小楠、佐久間象山、渡辺崋山、高野長英、橋本左内など)
今のTPPについても、
ほぼ同様だ。
知識人や農業従事者は、
TPP参加後の素晴らしい日本を、
ほぼ誰も予想できないと言っていいだろう。
主として、
一握りのコメ農家や医療従事者などの抵抗勢力を守るため
TPP反対などと騒ぎ立て、
真の日本国民の国益を、
慮ろうとしない。
100人の日本国民に尋ねてみよう!
幕末の鎖国と開国がどっちが正しい選択であったか?
太平洋戦争の軍国主義や治安維持法と、戦後の民主主義はどっちが正しいか?
答えは明らかだ。
そう!
TPPは推進すべきなのだ。
しょせん、知識人などは、日本の真の国益を考えてもいないし、
考える能力もないからだ。
小規模コメ農家は放っておいても、滅び行くだろう。
時間の問題だ。
777%の関税を維持するのではなく、
彼らの生活を補償しながら、
雄雄しく、関税の撤廃を図るべきなのだ。
それが真に日本が進むべき道なのだ。
ついでに言えば、今更ながら、
小泉構造改革を非難する知識人も滑稽だ。
なぜなら、小泉純一郎が
首相になったときの日本の未来は、非常に暗かった。
公共事業費の増大
銀行の不良債権問題
官僚の横暴(特殊法人、独立行政法人、特別会計の問題)
産業の空洞化(企業が海外に逃げる)
韓国、台湾、中国(NICS)などの追い上げ
医療費が30兆円を超える
規制だらけの経済界(官僚の権益の温床になっていた)
特定郵便局の問題
国家財政の赤字
そういう「梅雨の時代」の未来を明るくしようとして、
小泉はがんばった。
不惜身命でがんばった。
そして結論は・・・・
自民党をぶっ壊す
聖域なき構造改革を行う
小さな政府を作り、できるだけ民間や地方にゆだねる(いわゆる規制緩和や民活導入)
・・・・などを基本政策として、
さまざまな抜本的な改革を行った。
その結果、多数の非正社員が生まれ、
格差社会が生まれ、
後期高齢者医療制度などで、75歳以上の高齢者の負担が増えるなどの批判を招いた
・・・とされる。
しかし!
「梅雨の時代」を放っておいたら、どうなっていただろうか?
日本は、今以上に、「暗~い」社会になっていただろう。
民間の企業は、さまざまな規制の中で
うめいただろう。
つまり俺が言いたいのは、
小泉改革が悪いのではなく、
日本が「梅雨の時代」に入りつつあった(あるいは入っていた)・・・
という事実が問題なのであって、
それを、「構造改革=小さな政府=民間活力導入=新自由主義経済」で乗り切ろうとしたわけだ。
言うまでもなく、「梅雨」は、小泉のせいではない。
「天気」のせいだ。
それを、いかにも小泉のせいにしている知識人たちは大笑いだ。
小泉は、「梅雨」の時代を、乗り切る諸政策を行った救世主と言うべきだろう。
だから、今も人気があるのだ。
TPPに関しても、
規制緩和にしても、
知識人は、まるで、何もわかっていない。
彼らは「世の悪」を、
「***のせいだ」と言って
気休めを言っているアホーだ。
あるいは「既得権益者」から、
お金をもらって、
彼らを擁護している「旧主派=抵抗勢力」だ。
あるいは、いたずらにアメリカを怖がっている者たちだ。
あるいは、巨人や阪神が優勝できなかったとき、
「**ヘッドコーチのせいだ」
「**助っ人のせいだ」
と気休めを言って、ファンの心を慰め、
金儲けをしている人たちだ。
もしも知識人の言うとおりにしたら、
日本は、収拾のつかない地獄に落ちるだろう。
むろん知識人に、行動力など、そもそもない。
今の知識人(十把一からげにして申し訳ないし、立派な知識人も、いるが)
おおむね戦前や幕末の知識人と似たり寄ったりだ。
彼らを信用するなんて、とんでもないぞ。
日本市民よ。
騙されるな!
日本は1億2千500万の人のためものだ。
(+動物や自然も含む)
一部のコメ農家や医療従事者、
保険会社のためのものではない!