昨年のお話しなのですが、マイMTB、アイアンホース・マーベリックを何か所か改造しました。作業自体は11月中旬にやったのですが、整理してアップするのが遅れました。何をしたかというと……。
クランクをシマノXT('09)にチェンジ
まず、マーベリックを購入した時点から延々予定していた、クランク交換を行いました。クランクというのは、自転車本体とペダルをつなぐ、あのクルクル回す細長い棒のことです。
実用車と違ってスポーツサイクルとなると、この部分は長さや素材、特性違いなどで様々な製品がリリースされていて、ペダリングの力を推進力に変える重要な部品として位置づけられます。
ぼくが昔からこのクランクに要求しているのは、長さとロスの少ない精度・剛性です。長さは誰もが想像できる要素で、短ければクルクル回しやすく、長ければ慣性はつきやすくなります。乗り方(=スタイル)にもよりますが、身長のある人(足の長い人)は長めが相性よく、低めの人は短めがというひとつの基準のようなものがあります。標準で付いてくるクランク長は170mmというサイズが一般的です。スキー板を選ぶときのおおまかな基準と似たようなもの、というイメージで構わないと思います(身長に近い板長が基準)。
で、ぼくの丈だと170mmよりは短い方が望ましく、それに対応した165mmという長さが用意されています。ただし、クランク長のラインナップを豊富に揃えるメーカーは数えるほどしかなく、また体格と踏力のある欧米人のことを考えて170mm以上の展開がほとんどです。さらに、当然ここまでシビアに考えるとなるとそれはコンペティション指向という位置付けになるため、安価な製品が存在しません。ここが、延々予定していたのになかなか購入できなかった大きな理由です。
それで、長さ(短め)をクリアし、かつ精度・剛性でも安心となると、そこはやはり自転車用部品で圧倒的シェアを誇る日本のシマノしかない、という答えになります。シマノのラインナップでは、165mm長のクランクはグレードでいうと(SAINT含んで)上から3番目のXTから設定があり、これは以前から変わらずです。165mm長での最安がこれなので、他所有のMTB3台もすべてXTクランクに変えています。
おもしろいのが、このXTのクランクにはプラスチックの裾巻き込み防止ガードが付く-Kモデルというものが存在します。コンペグレードなのにコンフォート使用も想定という変わった面を持っています。それなりの格好でいつも乗る人は普通のギア(歯)がバリバリ出ているタイプでいいですが、普段着でチョロッとその辺り乗ったり通勤に使うぼくは、この-Kモデル(FC-M771-K)を選びました。いちいちズボン止めを巻かなくていいのが楽で、過去にもこのガード付きをセレクトして具合良かったです。そのMTBはDHにも使用していますが、まったく問題ありません。
これがその、チェーンガード付きXTクランクです。どう、格好悪いでしょ?
おお、あたらしい規格いい!!
今回のクランク変更には、別の楽しみもありました。それは、最近のシマノは新しい規格として左右それぞれのクランクをつなぐBB(ボトムブラケット)という部品も専用品としたものを提唱していて、これをはじめて使うからでした。シマノはホローテックIIという名称をつけています。それまでの最も普及しているタイプとの違いは、軽さや強度と聞いていましたが、ホローテックIIが登場した頃にはすでに手持ちのMTBはすべて旧規格のクランク&BBに交換済みだったので、今まで使う機会がありませんでした。
それで、いよいよこの新規格のクランク(セット)にチェンジをしましたが、これが驚くほどいい!! 今までマーベリックに付いてた標準クランク&BBに不満があったとはいうものの、旧型ホローテック(I)も他のMTBで使用しているので、その比較論としてもカッチリとした剛性感の向上は凄まじいものがあります。踏んだ力がロスなく推進力に変わるような感覚。ホローテックIIはBB部品がフレームの外側に付くため、その装着が一目で分かりその点でも今まで憧れていましたが、効果は想像以上でした。クランク長も使い慣れた165mmとなり、不満ありません。
ただ、現行のXTガード付きモデルはダート走行よりもアスファルトでのクルーズ走行を重視しているため、チェーンリングのアウター側歯数(丁数)が48TとMTBでは大型の部類になってしまい、ペダルこぐのはとても大変です(44Tが標準)。MTBのルックスにも不釣り合いで、真横から見るとウルトラ格好悪いのも想像以上でした。
長さが165mmでもガード要らない人なら、同じXTグレードでFC-M770という44Tかつ軽量(一部カーボンを使用)な製品ありますし、170mmでOKなら下のグレードでホローテックIIの設定はたんまりあるので、そちらがお奨めです(ガード付きモデルあり)。世のほとんどのスポーツサイクルははじめから170mm長が付いているので、神経質にならず170を選択しても構わないと思います。身長うんぬんというのも、あくまでひとつの話しであって絶対の法則ではないでしょうし、そんなことばっかりネチネチやっても自転車乗るのが楽しくなくなってしまいますので。
ただ、クランク周りの部品を変更することで、よりペダリングが楽になるというのは絶対です。
新規格のホローテックIIは、BBをフレームのフェイス面に取付けるため、ここの面精度がとても重要になります。そこで、このように専用のリーマーでフレームをすこし削ります。アルミはバンバン削れるそうですが、クロモリは硬く別の専用歯もすぐにダメになるそうです。
最初の写真と見比べてください。緑の塗膜がだいぶ削られてなくなっているのが分かります。そんなわずかな凹凸もアウトなのです。
しっかりと面取りが済んだところにBBを取り付けます。この銀色のパーツが新しい規格のもので、以前はパイプの内側に入っていました。もしスポーツサイクルをお持ちでしたら、チェックしてみてください。
ちなみに、この作業の時に過去、こちらの記事でお伝えした不具合の原因を発見しました。
記事中で、Day2のパンクした時の作業で「このMTB・アイアンホースの後輪を外すのははじめてだったのですが、リアディレーラー(変速機のこと)が今まで使い慣れていたシマノ製ではなくてスラム社のものだったせいか、ホイールをフレームから外すのにやや苦労。」とありますが、実はそうではありませんでした。
下の写真を見てください。このリアディレーラーを固定するディレーラーハンガーという部品が、かなり曲がっていました。これが原因で後輪が外しにくかったのです。ただ、通常このハンガーは横方向に曲がることはあっても、今回のように進行方向側に曲がることは希有です。これは自転車屋店長さんも言っていました。例えばチェーンに強い衝撃が加わりリアディレーラー全体が前方向に引っぱられてもこうはなりにくいです。
思い当たる節としては、同じくDay1で「ゆるーく走っていたら、途中の小さなダブルのあと気持ちよーく前転ロケット発射しました! もう一瞬のこと。アッと思ったらもう、転がって→後からマイMTBが飛んできて→ヘルメットを強打→そのままの勢いで立ち上がって→MTBを引き起こして→何事もなく再走。」という表記があります。後ろから進行方向側に飛んでたMTBがヘルメットを強打した時に曲がったのかもしれません。確かに、その後の確認でMTBのどこにもキズが発見できず、さらにリアディレーラーの変速がおかしかったので、可能性は大です。いやー、恐ろしい。
ディレーラーハンガーの正しいカタチはこうです。発見したときはビビリました。
やかん
クランクをシマノXT('09)にチェンジ
まず、マーベリックを購入した時点から延々予定していた、クランク交換を行いました。クランクというのは、自転車本体とペダルをつなぐ、あのクルクル回す細長い棒のことです。
実用車と違ってスポーツサイクルとなると、この部分は長さや素材、特性違いなどで様々な製品がリリースされていて、ペダリングの力を推進力に変える重要な部品として位置づけられます。
ぼくが昔からこのクランクに要求しているのは、長さとロスの少ない精度・剛性です。長さは誰もが想像できる要素で、短ければクルクル回しやすく、長ければ慣性はつきやすくなります。乗り方(=スタイル)にもよりますが、身長のある人(足の長い人)は長めが相性よく、低めの人は短めがというひとつの基準のようなものがあります。標準で付いてくるクランク長は170mmというサイズが一般的です。スキー板を選ぶときのおおまかな基準と似たようなもの、というイメージで構わないと思います(身長に近い板長が基準)。
で、ぼくの丈だと170mmよりは短い方が望ましく、それに対応した165mmという長さが用意されています。ただし、クランク長のラインナップを豊富に揃えるメーカーは数えるほどしかなく、また体格と踏力のある欧米人のことを考えて170mm以上の展開がほとんどです。さらに、当然ここまでシビアに考えるとなるとそれはコンペティション指向という位置付けになるため、安価な製品が存在しません。ここが、延々予定していたのになかなか購入できなかった大きな理由です。
それで、長さ(短め)をクリアし、かつ精度・剛性でも安心となると、そこはやはり自転車用部品で圧倒的シェアを誇る日本のシマノしかない、という答えになります。シマノのラインナップでは、165mm長のクランクはグレードでいうと(SAINT含んで)上から3番目のXTから設定があり、これは以前から変わらずです。165mm長での最安がこれなので、他所有のMTB3台もすべてXTクランクに変えています。
おもしろいのが、このXTのクランクにはプラスチックの裾巻き込み防止ガードが付く-Kモデルというものが存在します。コンペグレードなのにコンフォート使用も想定という変わった面を持っています。それなりの格好でいつも乗る人は普通のギア(歯)がバリバリ出ているタイプでいいですが、普段着でチョロッとその辺り乗ったり通勤に使うぼくは、この-Kモデル(FC-M771-K)を選びました。いちいちズボン止めを巻かなくていいのが楽で、過去にもこのガード付きをセレクトして具合良かったです。そのMTBはDHにも使用していますが、まったく問題ありません。
これがその、チェーンガード付きXTクランクです。どう、格好悪いでしょ?
おお、あたらしい規格いい!!
今回のクランク変更には、別の楽しみもありました。それは、最近のシマノは新しい規格として左右それぞれのクランクをつなぐBB(ボトムブラケット)という部品も専用品としたものを提唱していて、これをはじめて使うからでした。シマノはホローテックIIという名称をつけています。それまでの最も普及しているタイプとの違いは、軽さや強度と聞いていましたが、ホローテックIIが登場した頃にはすでに手持ちのMTBはすべて旧規格のクランク&BBに交換済みだったので、今まで使う機会がありませんでした。
それで、いよいよこの新規格のクランク(セット)にチェンジをしましたが、これが驚くほどいい!! 今までマーベリックに付いてた標準クランク&BBに不満があったとはいうものの、旧型ホローテック(I)も他のMTBで使用しているので、その比較論としてもカッチリとした剛性感の向上は凄まじいものがあります。踏んだ力がロスなく推進力に変わるような感覚。ホローテックIIはBB部品がフレームの外側に付くため、その装着が一目で分かりその点でも今まで憧れていましたが、効果は想像以上でした。クランク長も使い慣れた165mmとなり、不満ありません。
ただ、現行のXTガード付きモデルはダート走行よりもアスファルトでのクルーズ走行を重視しているため、チェーンリングのアウター側歯数(丁数)が48TとMTBでは大型の部類になってしまい、ペダルこぐのはとても大変です(44Tが標準)。MTBのルックスにも不釣り合いで、真横から見るとウルトラ格好悪いのも想像以上でした。
長さが165mmでもガード要らない人なら、同じXTグレードでFC-M770という44Tかつ軽量(一部カーボンを使用)な製品ありますし、170mmでOKなら下のグレードでホローテックIIの設定はたんまりあるので、そちらがお奨めです(ガード付きモデルあり)。世のほとんどのスポーツサイクルははじめから170mm長が付いているので、神経質にならず170を選択しても構わないと思います。身長うんぬんというのも、あくまでひとつの話しであって絶対の法則ではないでしょうし、そんなことばっかりネチネチやっても自転車乗るのが楽しくなくなってしまいますので。
ただ、クランク周りの部品を変更することで、よりペダリングが楽になるというのは絶対です。
新規格のホローテックIIは、BBをフレームのフェイス面に取付けるため、ここの面精度がとても重要になります。そこで、このように専用のリーマーでフレームをすこし削ります。アルミはバンバン削れるそうですが、クロモリは硬く別の専用歯もすぐにダメになるそうです。
最初の写真と見比べてください。緑の塗膜がだいぶ削られてなくなっているのが分かります。そんなわずかな凹凸もアウトなのです。
しっかりと面取りが済んだところにBBを取り付けます。この銀色のパーツが新しい規格のもので、以前はパイプの内側に入っていました。もしスポーツサイクルをお持ちでしたら、チェックしてみてください。
ちなみに、この作業の時に過去、こちらの記事でお伝えした不具合の原因を発見しました。
記事中で、Day2のパンクした時の作業で「このMTB・アイアンホースの後輪を外すのははじめてだったのですが、リアディレーラー(変速機のこと)が今まで使い慣れていたシマノ製ではなくてスラム社のものだったせいか、ホイールをフレームから外すのにやや苦労。」とありますが、実はそうではありませんでした。
下の写真を見てください。このリアディレーラーを固定するディレーラーハンガーという部品が、かなり曲がっていました。これが原因で後輪が外しにくかったのです。ただ、通常このハンガーは横方向に曲がることはあっても、今回のように進行方向側に曲がることは希有です。これは自転車屋店長さんも言っていました。例えばチェーンに強い衝撃が加わりリアディレーラー全体が前方向に引っぱられてもこうはなりにくいです。
思い当たる節としては、同じくDay1で「ゆるーく走っていたら、途中の小さなダブルのあと気持ちよーく前転ロケット発射しました! もう一瞬のこと。アッと思ったらもう、転がって→後からマイMTBが飛んできて→ヘルメットを強打→そのままの勢いで立ち上がって→MTBを引き起こして→何事もなく再走。」という表記があります。後ろから進行方向側に飛んでたMTBがヘルメットを強打した時に曲がったのかもしれません。確かに、その後の確認でMTBのどこにもキズが発見できず、さらにリアディレーラーの変速がおかしかったので、可能性は大です。いやー、恐ろしい。
ディレーラーハンガーの正しいカタチはこうです。発見したときはビビリました。
やかん
ディレーラーハンガー問題はマウンテンバイクではよくある話で。
アイアンホースは、本国のゴタゴタと代理店のやる気なさで、ストレートには難しいと思います。
以下のお店を紹介します。
・風魔プラスワン吉祥寺
・重力技研
・玄武
TELで訪ねてみてください。
純正でなくとも何かしら持っていたり解決できる可能性、高いです。
一応、心配しているのだが……。