矢嶋武弘の部屋

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佐藤栄作さんとワイフ・ビーター

2016年12月29日 14時45分52秒 | エッセー・私事など

<以下の記事を復刻しますが、お手柔らかにお願いします。>

今日は女性から叱られることを覚悟の上で、話をしたい。ワイフ・ビーター(Wife beater)とは「妻を殴る夫」のことである。こんな言葉は今や死語だろうが、昔、佐藤栄作さんという総理大臣がいた。7年8カ月の長期政権と沖縄返還の実現、ノーベル平和賞受賞などで有名だが、実は佐藤氏は総理に就任した直後、アメリカなど外国に「ワイフ・ビーター」として知れ渡ってしまった。
 これは芳しいことではない。日本の首相は妻を殴るのかということだが、逆に言えば、佐藤さんご夫妻は正直に告白したということだ。明治生まれれの日本男児は妻をよく殴った。私の父も佐藤さんより少し年上だが、母をよく殴っていたようだ。まあ、亭主関白を示す行為だろうが、もちろん良いわけではない。
 佐藤氏の次男・信二氏がある週刊誌に載せた記事を読んだことがあるが、若い頃の佐藤さんと妻の寛子(ひろこ)さんの夫婦喧嘩の凄まじさに笑ってしまったことがある。双方とも激しくて、物がどんどん壊れていくのだ。まあ、そういう話は止めておこう(笑)。
 とにかく、佐藤栄作氏は癇癪持ちで短気だったようだ。大変なギョロ目で“政界団十郎”とも呼ばれ、威圧感があったので睨まれると誰もが委縮したそうだ。あの田中角栄氏も、まずい話をする時は睨まれると怖いので、壁に向かって言い放っていたと述懐していた。
 
すっかり佐藤栄作氏の話になってしまったが、実は私も若い頃はワイフ・ビーターであった。“自己弁護”するために、わざわざ佐藤栄作元首相の話を持ち出したようなものだが、それで私の「非」が許されるわけでもない。私も短気で癇癪持ちだったから、妻が生意気なことを言おうものなら、つい手が出てしまったようだ。
 それに、口喧嘩になると女の方が男より達者である。女の方が理屈、屁理屈を問わずベラベラとまくし立てるのだ。女は1時間でも2時間でも平気でしゃべる癖があるから、口ではたいていの男は敵わない。しかも、喧嘩になると女は男の過去の「非」を洗いざらいぶちまけるのだ。「あの時、あなたはこうだった」「その時、あなたは冷たかった」などと、過去のことを何もかも持ち出してくる。これには敵わない。そうなると、ついカッとして手が出てしまう。
 
私が結婚した直後、親しい某先輩がアドバイスをしてくれた。「女はずるいからな。何かあるとすぐに泣くもんだ。涙は女の武器だからな。それに騙されるなよ」
 この忠告は今でもよく覚えている。そこで新婚当時から、妻が生意気なことを言うとガツンとやっていたが、やはり妻は顔をゆがめて泣いたりしていた。少し乱暴だったかと反省したりしたが、ワイフ・ビートは止めなかった。
 ところが、少し卵巣機能不全でなかなか子供が出来なかった妻が、2年余りしてめでたく懐妊した。もちろん嬉しかったが、その頃何かのことで夫婦喧嘩になった。私は例によって殴ろうと拳を上げたのだが、妻のお腹に赤ちゃんがいると思った瞬間、殴れなくなった。あれは不思議な体験だ。妻を殴ることは赤ちゃんまで殴ることになると感じたのか、拳を下ろしてしまった。殴れなかったのである。
 あれは男親の本能と言うものだろう。妻が女というより“母体”に見えたに違いない。結局、赤ん坊が誕生するまで私は妻を殴ることはなかった。
 
殴るというのは野蛮な行為である。これは好ましいことではない。しかし、男が結婚して家庭を持つと、それは「家長」になるということではないか。昔はたいていの男がそう考えた。だからワイフ・ビーターになっても良いということではないが、最近の男どもを見ていると、どうも軟弱で優し過ぎるような感じがしてならない。逆に、妻に罵倒され殴られているのではと疑ってしまうほどだ。これも時代の変化なのだろう。今の若い男たちは結婚して「家長」になるという意識、自覚があるのだろうか。
 どうも“古い人間”の話になったようだが、昔は、たとえ吉永小百合さんのような女性を妻にしても、夫は妻を殴ったと思う。そういう時代だったのだ。
 最近、1984年の中国映画『黄色い大地』をDVDで見ていたら、陝西省の俗謡に「嫁は殴れ、麺はこねろ」という歌詞があったので思わず笑ってしまった。映画はこうした封建的な風習を改めさせようと、中国共産党が努力するという自画自賛のストーリーだったが、たしかに“ワイフ・ビーター”は古い風習の一つかもしれない。 今日は女性の読者から反発を買いそうだが、お手柔らかにお願いしたい。(2010年8月11日)

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