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全国老人保健施設協会主催~第4回中堅職員研修会~

2012-02-14 07:00:00 | 医療法人彌栄会
平成24年1月26日(木)27日(金)と鹿児島県にある鹿児島サンロイヤルホテルで開催されました『全国老人保健施設協会主催第4回中堅職員研修会』に当法人より原副班長と共に参加させて頂きましたので、ご報告させて頂きます。



研修1日目は講義のみで構成され、現在日本全国でご活躍されている全老健の素晴らしい先生方が様々な専門的見地から今後、超高齢化社会を迎える日本において、老人保健施設としての在り方や介護現場における最新情報等を講義して下さいました。




最初の講義は「介護保健制度と老人保健施設」というテーマで全国老人保健施設協会常務理事を務めて居られる江澤和彦先生が講演して下さいました。



講義の内容は平成24年1月25日に社会保障審議会において行われた介護報酬改定についてのお話も含まれ、今年(2012年)は3年毎に見直される介護報酬と2年毎に見直される診療報酬との同時改定となり、6年に1度訪れる節目の年ということで老人保健施設協会にとっても大変厳しい改定となった現状も講義して下さいました。



社会保障審議会においては2025年に地域包括ケアシステムの最終ゴールを設定し、“ストラクチャー、プロセス、アウトカム”という観点から介護サービスの質の評価を行っていく事や、在宅支援の強化、その中で老人保健施設の担うべき役割について地域のリハビリ拠点を目指す事、重度者のケアに対応する為、肝炎や尿路感染症等の疾患を老人保健施設内で治療が行える様になる事、今後全国3700の老人保健施設が在宅復帰率30%を目標に掲げ取り組んで行く事等の内容についてのお話しを下さり、江澤先生の講義は終了しました。



最終的に利用者様の尊厳の保障を目指す事が我々、老人保健施設の目的なんだという先生のお言葉にとても共感を覚えました。



次の講義は「リスクマネジメントについて」というテーマで、全国老人保健施設協会 管理運営委員会 安全推進部会 部会長を務めて居られる山野雅弘先生による講演でした。



この講義はセーフティマネジメントも含めてリスクマネジメントを考え、老人保健施設として、災害や事故等のリスク、経営リスク、社会リスクに備え、それらが発生する事を想定し、被害を最小限に抑える工夫、訓練、心構えについてのお話しでした。



また、感染症対策の徹底についてお話し下さった中には、スタンダードプリコーション(標準予防策)の徹底を図る必要性等を具体的に説明して下さり、その中には今まで大丈夫だと勘違いしていた事、例えば感染症対策にゴム手袋を装着していれば安心だと考えていましたが、そうでは無くノロウイルス等はゴム手袋でさえも目には見えない微少な隙間から通り抜ける可能性がある事等のお話しを下さり、大変勉強になりました。



今後も現場において先生の話しを参考にし、これまで以上にスタンダードプリコーションの徹底を意識付けて行きたいと感じました。



更に、先生の話しを通じて利用者様の家族様とのコミュニケーション、信頼関係の構築がリスクマネジメントにおいても、かなり重要になってくる事であると再認識する事が出来、今後の業務に繋げて行ければと考えています。



3つ目の講義は「最良のホスピタリティを求めて」というテーマについて、コーチングジョイのプロフェッショナルコーチ宮崎ひろみ先生に講演して頂きました。



講義の内容は、目標達成に向け、その人の中に眠っている答えを引き出し、自発的な行動を促進するコミュニケーションの手法として、コーチングコミュニケーションの手法を学ぶという物でした。



コーチングコミュニケーションの特長は、“目的がある事、双方向である事、継続する事”で、相手の話しを正しく聴くという行動がとても重要な事なんだと、二人一組の実践を交えて学びました。



聴く時の基本スタンスとしては、相手や内容への先入観を排除する事、自分の評価、判断を脇に置くこと、口を挟まず最後まで聞く事、沈黙したら待ってみるという事を守らなくてはいけないと学びました。



その後、実践を交えたワークの後、実際のコーチング会話例を学び、コーチングコミュニケーションの講義は終了しました。



相手の話しを聴くという事の大切さ、相手を承認する事の大切さに気付き、今後も自分なりにスキルを磨き続けて行きたいと感じさせて頂いた講義でした。



続いての講義は「摂食嚥下」というテーマについて全国老人保健施設協会常務理事を務めて居られる本間達也先生に講演して頂きました。



講義の主な内容は、要介護高齢者に多い誤嚥性肺炎窒息を如何に防ぐかといった物で、嚥下内視鏡検査を使用した評価の実例や、経口移行への取り組み実例を通じ、誤嚥の実態を学んで行くという内容でした。



現在、日本人における死因の第4位が肺炎で、その9割以上が65歳以上の高齢者となり、その中の6割以上にが嚥下性肺炎だということです。



それらの嚥下性肺炎を無くす為には、様々な配慮や努力が必要になってくる事を学びました。



食事の姿勢は勿論の事、“食べる”という摂食嚥下運動の仕組みを理解し、食べ物を認識し口まで運ぶ“先行期”口腔内へ食べ物を取り込み、呑み込める状態にする“準備期”が高齢者にとって、かなり重要になる事を知りました。



食事介助の場合でも、食事が困難になっている要因を考え、その人にとって苦痛の無い食事となる様、介助方法をほんの少し見直すだけで実際にムセが起きなくなったりする等、様々なアプローチ方法がある事を学び、今後、現場での食事介助において、是非とも実践して行きたいと思う、大変勉強になった素晴らしい講演でした。



次の講義は「リハビリテーション」について全国老人保健施設協会副会長を務めて居られる浜村明徳先生がお話しをして下さいました。



リハビリテーションとは《リハビリ=機能訓練》だと思われている方のほうが多い様ですが、単なる機能回復訓練では無く、心身に障害を持つ人々の全人間的復権を理念として、潜在する能力を最大限に発揮させ、日常生活における活動を高め、家庭や社会への参加を可能にし、その自立を促すものであるそうです。



その中で、やはりリハビリ専門職だけでは無く看護、介護等、様々な職種がそれぞれ利用者様の目標を共有し、個々の職権のアプローチを明確にして利用者様と関わって行く事が重要となって来る事、地域連携での取り組みの大切さを教わりました。



1日目最後の講義は「ケアマネジメント」について介護老人保健施設若宮苑 副施設長安藤繁先生により講演をして下さいました。



ケアマネジメントとは、福祉・医療・保健・就労・教育など、人々の生活ニーズと地域にある様々な社会資源の間に立って複数のサービスを適切に結び付けて調整を図り、包括的かつ継続的なサービス提供を可能にする援助方法を指すそうです。



そのケアマネジメントの成果を産む為には、チームワークが最も重要で、チームアセスメントでのアプローチが必要となって来る事を学びました。



この“多職種協働ケア”においては、チームアセスメントとプランニング、その為のカンファレンスが如何に重要かといったお話しを頂き、適切なケアマネジメントによって利用者様と関係者、スタッフ、施設、地域のエンパワメントが成されるという事を学びました。



2日目の研修はグループワークとなり、先ず始めに「認知症の理解とケア」という内容で全国老人保健施設協会常務理事稲庭千弥子先生に講演して頂いた後に、アルツハイマー型認知症の事例について、グループ毎に分かれ様々な議論を交わしました。




その後も、他の事例検討をいくつも重ね、グループワークを通じてチームディスカッションを学びました。



今回の中堅職員研修会に参加させて頂き、全国老人保健施設協会の会長や副会長など、日本の介護業界を実際に支えて居られる様々な先生方に直接お会いし、お話しを聞く事が出来、介護に携わる者として、大変嬉しく、また、光栄に思えました。



今回の研修で得た知識、経験を少しでも多く現場に反映させ、周りのスタッフに伝えて行きたいと思います。



そして、介護老人保健施設やよい苑で働く者として、社会における当法人の役割や機能を再認識し、地域包括ケアシステムの拠点となるべく、スタッフ一丸となって今後も頑張って行きたいと感じています。



最後に、この様な素晴らしい研修会に参加させて頂く機会を作って下さった当法人の皆様に心から感謝の気持ちを込め、報告を終わらせて頂きたいと思います。



本当に有難う御座いました。



投稿者:デイケア班長・木村
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