摩耶舞薮露愚

日々是口実日記(スパムメールの情報など)

男性被害のDV

2015年09月14日 | 男女の心象風景
茨城県や栃木県に大きな水害を齎した秋雨前線と温帯低気圧が去り、ようやくお天気も安定してきた。
それにしても、ひどい雨だった。
鬼怒川の決壊では、ソーラーパネルを設置した業者の無理な工事(自然堤防を高さ2m幅150mにわたって切り崩したという)が原因ではないかと被災住民が話しているが、もしもそうであれば行政側の責任も重大だ。
まだ行方不明の方がおられ、警察や自衛隊が昼夜を問わぬ捜索を重ねているという。
実に頭の下がる思いだし、多くのボランティアも駆け付けたという報道もあった。
農作物にも甚大な被害が出ているそうで、大きな被害を受けている常総市では、復旧の見込みもなかなか立たないらしい。
そんな中で、住民やそれを支える人たちの懸命の努力が続いている。
一日も早い復旧を、と願わずにはいられない。

ドメスティック・バイオレンス(DV)の問題。
これまでは女性が受ける被害の方ばかりがクローズアップされてきたおり、ときおり散発的に男性側の被害が取り上げられたりしてきた。

罵倒されても蹴られても…妻からのDV、口閉ざす夫たち

この記事もその一つなのだろうが、深刻さは男女を問わないのだなということを、改めて教えてくれる。

最初の事例も実に悲惨で、根本的な原因が、精神的に不安定で目の前で手首を切られたこともある女性を「自分が支えなければならない」と思い込んだことにあるのだとすれば、この被害者男性の立つ瀬がない。しかも、浮気をされたうえ、開き直って暴力を振るわれている。
「慰謝料は請求できたが、一刻も早く離婚したくて諦めた」というが、警官に出会って聴取を受けるまで何故に我慢を重ねていたのか、やはり理解に苦しむところがある。

次の事例も象徴的だ。

 神奈川県内で働く30代後半の会社員の場合、DVの被害を訴えられないままでいる。妻の暴言が始まったのは長女が生まれてから。「バカがうつる」と言われ、母親との絶縁など無理な条件が並ぶ誓約書を書かされ、まもなく自宅を追い出された。それから2年。会社員は今も月収の半分を超す30万円を毎月の養育費として支払い、自分は風呂なしのアパートで暮らす。

 「『子どものため』と言われれば養育費を払うしかない。プライドが邪魔して、相談もできない」

月収の半分を超す30万円を養育費として払っているそうだが、30代後半でこれだけの月収のある男を「バカがうつる」と罵り追い出す妻の気がしれない。
嫌な言い方だが、子供はすでに妻にマインドコントロースされていて、この夫は子供からも軽んぜられ忌避されているのではないか。
もしもそうだとするのであれば、そんな家族関係は子供共々絶縁し、一刻も早く解放されるべきだと思うが如何。

男性がDV被害を訴えないのは、社会的立場を前提とする「プライド」故のことと分析されているが、これは確かに頷けるところだ。
男は体面を気にするから、家庭での位置が地に落ちていて妻の暴力(言葉を含む)に晒されているなどということは、口が裂けてもいえないのだろう。
しかも、世間の目も、男性がDV被害に遭っているという実態に必ずしも理解があるわけではない。
ともすれば、加害者である妻の言い分を優先的に聞いてしまうこともあるのではないか。

オレの周囲にも、いわゆる「恐妻家」と思しき連中がいる。
もちろんそのほとんどは惚気話と裏腹だが、中には本当に深刻なものある。
職場結婚などに比較的多いが、妻が「自分の方が仕事はできた」と思っていて、結婚を機に仕事を辞めたり一線から退いたのち、夫の仕事ぶりが無能に見えて仕方がない、というものだ。
件の亭主たちは皆好人物で、何れもそつなく仕事をこなし、職場でも取引先からも信頼されている。
共通点を敢えてあげるとするのであれば、オレがオレがと人を押しのけてでも出世に血道を上げるようなタイプではなく、相手の気持ちを忖度して物事を穏便に進めようとする点か。
これが「やり手」を自認してきた妻たちをイラつかせるのだろう。

尤も、自己顕示欲や出世意欲が強く、それなりの地位を次々に手にしているいわゆる「勝ち組」の男連中は、別の意味での苦悩もあるらしい。
そのほとんどは家庭崩壊に陥っており、離婚してしまった夫婦も結構いたりする。
連中は家でも家族を支配下に置こうとし、「誰に食わせてもらっていると思っているんだ!」と高圧的態度に出、挙句の果てに耐えきれなくなった妻や子供に三下り半を突きつけられる、というものだ。
その段階になって初めてことの重大さに気付くというのだから、それはそれで哀しい。
いざとなれば、妻の方がこうした決然たる行動に出る、ということなのだろう。
ある意味では、男も見習ってほしいものだ。
この記事の最後にあるように、「男が被害を訴えるのは決して恥ではない」のだから。
コメント
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