gooブログはじめました!

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

2017-03-11 13:37:55 | 日記
戦時中は各家の門前に、防火用水と称するコンクリート製の水槽が置いてあった。畳1枚分に満たない広さ、高さは1メートルあるかないか程度のものであって、常に水が満ちていた。不潔だった。ボーフラが水面と底とを往復していて、蚊を生産しているようなものだった。ごく稀に消防訓練があり、モンペ姿のオバさん達がバケツリレーを試みていたが、実際の役には立たなかった。B29から投下される焼夷弾による火災には水槽の水では間に合わなかった。多少というか、わずかに役立ったのはツルハシだった。ツルハシで家と家の間にある板塀を破壊し、延焼を止めるのがせいぜいだった。もちろん消防車は無かった。

東京大空襲のときも、ヒロシマ、ナガサキの原爆のときも川で亡くなった方が多かった。猛烈な火勢と熱さから川に逃れた。それでもダメだった。私が住んでいた兵庫県の芦屋ではそこまでの猛火はなかった。川よりは山の方へ逃げた。これは後になってわかることだが、米軍は戦争が終わって日本を占領したとき、自分たちが利用するために芦屋の山の手にある豪邸は焼かなかったのである。

ウィスキーの水割りを呑むには氷が要る。できれば、より旨い氷がほしい。氷屋さんの氷に近い味のものがほしい。私もアレコレと試してみた。水道水を熱湯にする。ガンガンに沸かす、それを覚まして冷凍庫に入れる。この方法は家人が誰かから教わってきたものだったが、水道水と大差なかった。市販の水でもやってみた。××の天然水、〇〇の渓谷水といったレッテルにつられてトライしてみたが、ダメだった。スーパーで売っているブッカキ型の品だと旨いが、これは水割り専用とはならず、家人と娘のコーヒーやジュースに使われてしまうので、モッタイナイ気持ちが先だってしまう。どこかの企業が、水割り用アイスを作る水を発明してくれないかと願っている。

この世のどこにも水はある。何万年も前から水はある。戦時の水もあったし、平和な日の水もある。防火用の水もある。猛火の中の川の水もあった。そして、今、私は、水割り用の氷のための水を探している。

コメントを投稿