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ちゃん、さん、さま

2017-01-06 21:51:06 | 日記
以前にも書いたが、小学校5年から高校1年までを過ごした茨城での私の呼び名は「ヤボ」だった。女性や下級生は、それに「さん」を付けた。近所の幼い子供達は「ちゃん」を付けてくれた。「ヤボちゃん、ラムネ(ビー玉のこと)ちょうだい」と言っていた。私はビー玉の名手だった。家にたくさんの在庫があった。中学3年の秋から男世帯になり、私の買い物の役がまわって来た。豆腐屋のオバちゃんが「ヤボさん、大変だねぇ。ガンモ1枚、おまけしとくべ」と言った。きちんと姓で呼ぶのは学校の教師ぐらいのものだった。

高校2年になるときに東京に転居した。世田谷の若林に新しい家が建った。叔父が、出来たばかりの日本開発銀行に入行した。医師の娘のK子さんと結婚した。叔父にとってはバラ色の人生の始まりだった。ついでに叔父が変なことを言い出した。K子さんは4人姉弟であって、彼女が一番上。3人の弟はすべて慶應ボーイだった。その中の下の2人が姉と兄を「お姉様、お兄様」と呼んでいた。私は叔父をただ「兄さん」と呼んでいた。叔父はK子さんの手前、「様づけ」を欲しがった。私はそういうのがイヤだった。平たく言えば、貴族でもあるまいし、である。叔父は有頂天になっていると思った。だから、私は無言で頷いた。叔父と話すときは、用事の部分だけを口にした。K子さんのことは、お姉さんと呼び、それでOKだった。叔父は翌年に肺結核のオペの際の輸血ミスで死亡する。お兄様と呼ばれることなく旅立ってしまう。

様づけは、郵便の宛名ぐらいのものかと思っていた。最近は病院で使われている。「サトウ様、サトウ様、整形7番(診察室の番号)にお入りください」と、マイクでの呼び出しがある。ま、世の中の大部分は、「さん」と「ちゃん」で済んでいる。我が家の仔猫も「ViViちゃん」である。私はその発音が下手なので、「ネコちゃん」と呼んでいる。

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