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姿勢

2017-07-08 11:35:39 | 日記
「ヒザが曲がっていますよ!」、リハビリ先生のC子さんの声が飛ぶ。居間から廊下に向けて歩行訓練用の手すりが設置されている。丸く太い支柱が細い横棒をつないでいる。その横棒を使って、姿勢を正すトレーニングが行われる。ヒザ裏が痛いほどに脚をまっすぐに伸ばして、次に背骨を伸ばす。顔を上げる。腹に力を入れる。ラクではない。それだけで息が切れる。腰がもたなくなる。3分か5分ほどで椅子に座る。崩れ落ちるように座り込む。

「気をつけ!前へならえ!」、教師が大声で言う。戦時中の小学校の朝礼である。整列から始まる。「前へならえ!」できちんと並んでいるつもりなのだが、それがどうしても曲がる。「こら、山田!背中が丸くなってるぞ!」、教師の言葉も軍隊調になる。それが4年生の夏休みが終わると無くなった。戦争が終わった。「気をつけ!」の代わりに民主主義がやって来た。背中が丸くなっていても、怒声を浴びることはなくなった。

兵庫県芦屋市に初めてアメリカの進駐軍がやって来たのは、終戦から半月経った頃だった。米兵たちはグリーンの制服を着て、同じ色のトラックに乗って来た。1台に20人ほどいて、3,4人が立っていて、小銃を持っていた。銃口は、トラックを見に来ていた日本人に向けられていた。銃は肩からベルトで吊るされていて、兵隊はそれを片手で持っていた。「何かがあれば、いつでも撃つぞ」という感じがあった。トラックの列は長かった。見ていた大人たちは段々に減っていき、私達子供ばかりのような時間になったりした。「ごっついなぁ」と友人の誰かが言ったが、その通りだった。アメリカの軍人たちは巨体だった。「ごっつい」を、いまの言葉にすれば、「かっこええなぁ」である。小銃を抱えた兵隊は強そうに見えた。肩が張ってガッチリとしていた。日本人の大人たちには無い体格だった。長身がスッキリと見えた。素敵な姿勢だった。
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