御鏡壱眞右往左往

繰言独言、謂いたい放題・・・

遺伝子組み換え作物は危険という論の背景がわからない

2005-12-23 11:27:24 | 環境・農業


GMOの問題は何処にあるのか。
冷静に考えてみれば、品種改良のための交配もまた遺伝子組換え技術である。
現代の農業が弛みない品種改良の努力の精華であることを
知らない(意識しない)ひとがあまりに多いのではないか。

「解らない」ということを表明するのは良いことだろう。
問題は、解ろうと努力をしたのだろうか?
「解らない」ことを楯にとって拒絶するというのであれば
自分が何を本当に知っているのか、自問してみるといい。
殆ど何も知ってはいないことに気付いて愕然とするはずだ。

今回の論拠は以下の2点であるという。
(1)農場近くの在来品種が交雑の被害や風評被害を受ける
(2)耐性菌が出現し、ヒトや動植物中の抗菌物質が感染症に効かなくなる危険がある
最初の理由については、まあ理解できなくは無い。
これは人が起こす被害だからである。
交雑による被害(収穫が損なわれる等)があるとは思わないが、
交雑したから問題があるという風評が流れるによる被害はあるかもしれない。
この場合、直接の原因は風評を流した者である。
後の方の理由については・・・絶句するしかない。
耐性菌の出現って、遺伝子組換えとは何の関係も無い話ではないだろうか
況してカラシナ由来のディフェンシン遺伝子を導入したからといって
動物や、あまつさえ「ヒトの抗菌物質が感染症に効かなくなる」とは・・・
本当に義務教育を受けてきたのだろうか?

毎日新聞の記事と併せ、あらためて、メンバーを見る。
ちばてつや氏、加藤登紀子氏と、実験が予定される地域の農家15名ほどらしい。
曰く、「安全な米を食べる消費者の権利を侵害」する、と・・・。
彼らの言う「安全」とは何だろう。
殊更に「安全」を言うからにはその裏には「危険」が想定されていると思われるが
その「危険」というのはまさか
「遺伝子組換え操作によって未知の毒性物質が生み出される」だの
「本来無い筈の遺伝情報が食物を通じて人体内に取り込まれる」といった
与太話のレベルではないと思いたいものだが・・・

今回の遺伝子組換えの狙いは明らかである。
それは、作物自身にガードさせることで病害の発生を防ぎ
農薬の使用を抑制することにある。
反対している15人の主張が、
「そんな得体の知れない方法で健康に育ったコメよりも
 正体のわかった農薬できちんと防除された安全なコメの方がいい」
というものならそれなりにも評価できるが
同時に「農薬も使うな」というんだろうなあ。

自分の考えとしては
昨今流行のドラッグデザインのノリで
遺伝子情報の合成だの設計だのをやられるのはちょっとまだ抵抗があるが
既存の遺伝情報を切った貼ったしているレベルなら
それほど問題は無いと思っている。
アメリカ産牛肉と同じで、
消費者に理解できるレベルできちんと分類され表示されていれば
使うも使わないも個人の判断だ。
「予防原則」を錦の御旗に感情論でありもしない「完全なる安全」を求めて
殊更にあるかどうかも解らない「危険」を騒ぎ立てないで欲しいものだ

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3 コメント

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ううーん。 ()
2005-12-25 01:58:43
うーん、どうなんでしょ・・。

遺伝子組み換えの問題は、根本に「遺伝子の働きが完全には解明されていない。」って所にあるんで・・。

巨大なシステムのプログラムと同じで、どこにバグが潜んでいるか分からないってところが一般人の恐怖を呼ぶところ。



まあ、この話は長くなるんで、OFFで会った時にでも。
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まあね・・・ (壱眞)
2005-12-25 09:13:29
全てが掌のうちにあるなどとは間違っても思わないが

何というか、生命の可塑性とでもいうのかな

生命というのは意外に?強靭なのだと思い知らされることも多いのでね…



まあ言いたいのはGMOだからNo!というのは

ロジックとしてどうよ、ということ。



OFF、楽しみにしてまっせ
返信する
以前書いた記事ですが... (空楽)
2006-05-22 23:12:02
 以前書いた記事ですが、トラックバックさせていただきました。



 しかし、kojidoi君(新・非公正ブログ)は、私の素朴な疑問に答えないままに、言いたい放題ですなぁ。

 ( ̄へ ̄|||) ウーム
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