さぶりんブログ

音楽が大好きなさぶりんが、自作イラストや怪しい楽器、本や映画の感想、花と電車の追っかけ記録などをランダムに載せています。

【読書録】鹿の王

2017-08-05 22:55:44 | 読書録
上橋菜穂子 著/角川書店

1年半前・・ちょうど引越し直前にこの本を買ったが、引越しで忙しくて読みそびれ、新居に持ってきては来たもののしばらく読書どころではなくて本棚に眠っていたもの。

ようやく取り出して読んでみるが、最初は読み進まなかった。

歴史ものが好きな私にとって、架空の国の架空の人物の話は、最初にその世界に入り込むのに大変疲れるのである。歴史ものだったら主要人物は名前は知っている人物だし、時代背景などは言われなくてもわかってるし。でも架空のファンタジーとなると、物語の背景や架空の国や架空の人物の関係がどうなっているのか、物語の前段階で把握しようと脳みそが働く。だが働かしたところで架空のお話でしょう・・という気持ちがどこかにあるものだから、読み進もうというモチベーションがなかなか上がらないのである。とくにこの話、登場人物がやたら多く、聞きなれぬカタカナ書きだし、変な漢字で当ててある人物名も沢山出て来るし、国も民族も沢山出て来るし、結構大変である。

しかしひとたびそれが頭に入ると、あとはこの本から離れられなくなる。1冊目の冒頭4分の1まで読み進んだあたりだったかな? 逆にこの本が手放せなくなり、先に読み始めていた別の小説を放り出して、この作品に集中して読んだ。

医術の話が出だしたころから面白くなってきたのである。細菌やウィルス、免疫という考え方をほとんどの人が知らないということが前提の舞台で、有能な医者がある恐ろしい病気に立ち向かうための解決策を探し出すために四苦八苦する部分・・その表現が非常にわかりやすく、さすがお医者さんによくレビューしてもらった作品であると思う。

物語の構成はさほど単純ではない。Aという国がBという国に侵略され、支配される過程で、元Aの国に強制移住させられる人も言えば、過激な行動を繰り返すもとA国人もいる。A国王は支配されながらもB国内で美味く立ち回る。B国の中にもA国とのかかわり方について様々な考え方の人がいる。A国・B国にとってC国という脅威が別途存在したりする。

B国人がバタバタと病にかかり、A国人はかかりづらい病気があった場合に、それをA国の呪いと考えてしまう人が存在する。それがそれぞれの思惑で動くものだから、だんだん化かし合いの様相を呈していく。

登場人物も彼らが所属する国・民族も多岐にわたっているが、それを上橋さんがよくまとめて説得力のあるストーリーを展開する。

そういう意味でとてもよく出来たファンタジーだと思うのだ。

ということで、ネタばれはしない方がよいと思われるので、書くのはこの程度にとどめようと思う。
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