山名美和子 著/集英社新書
国立歴史民族博物館で衝動買いした本の一つ。お城のことばかり書いてある本を読むのは初めてなので完読できるかどうか最初は不安だったのだけど、読みだすと意外に読みやすく、途中で女性が書いた本だと気がついた。
100名城巡りをしていると、スタンプを押すところで他の人と一緒になるが、7城回ってみて、いつも見るのは男の人なのでびっくり。鉄道ファンよりも女性比率が少ないんじゃないかと危惧していたけれど、こんな本を書いている人もいることが分かってホッとした。
この本は沖縄のグスクやアイヌの砦(チャシ)を含む100名城の一部や、都心の城址など網羅的にピックアップしているだけでなく、末尾に日本の城の歴史や基礎用語、石垣の積み方の解説などもあり、大変分かりやすい。
大河ドラマの読者も意識しているようで、井伊谷城についてもばっちり書いてある。またコラムで「荒城の月の城はどこか」「観光天守はなぜ造られるのか」「石垣の美しい城」等、日頃気になっていた城にまつわる事柄の解説もあり、とてもありがたかった。
城の解説の中で特に心に残ったのは「忍城おしじょう)」のこと。
秀吉の小田原征伐の際、周辺の支城をどんどん落城させていく中、忍城だけは落ちず、忍城攻撃の責任者だった石田三成に戦下手のレッテルが貼られることになった。水攻めにしよう
としたのに落ちず、逆に堤防が決壊して豊臣方が270人も死んだりして、1ヵ月以上の籠城戦に耐えた(豊臣方の死者は結局1700人余に達した)。結局小田原城が開城したので、こちらも開城したわけであるが、大河ドラマ「真田丸」には登場しなかったので知らなかったのだが、中では甲斐姫と呼ばれる女性が奮戦していたという。城主である成田氏長が小田原城に籠っていたので、氏長の妻や娘の甲斐姫が老臣と諮って策を練り、持ちこたえたのであった。
甲斐姫は関東一の美女と称えられ、おんな将軍の異名をとる武勇の者で、のちに秀吉の側室となったとか。その後は諸説あり、この本は大阪夏の陣では秀頼の遺児、奈阿姫を伴って脱出し鎌倉の東慶寺に入ったという説を取る。
こんな人がいたなんて知らなかったなぁ。忍城は100名城ではないけれど、いつか足を運んでみたいと思う。
国立歴史民族博物館で衝動買いした本の一つ。お城のことばかり書いてある本を読むのは初めてなので完読できるかどうか最初は不安だったのだけど、読みだすと意外に読みやすく、途中で女性が書いた本だと気がついた。
100名城巡りをしていると、スタンプを押すところで他の人と一緒になるが、7城回ってみて、いつも見るのは男の人なのでびっくり。鉄道ファンよりも女性比率が少ないんじゃないかと危惧していたけれど、こんな本を書いている人もいることが分かってホッとした。
この本は沖縄のグスクやアイヌの砦(チャシ)を含む100名城の一部や、都心の城址など網羅的にピックアップしているだけでなく、末尾に日本の城の歴史や基礎用語、石垣の積み方の解説などもあり、大変分かりやすい。
大河ドラマの読者も意識しているようで、井伊谷城についてもばっちり書いてある。またコラムで「荒城の月の城はどこか」「観光天守はなぜ造られるのか」「石垣の美しい城」等、日頃気になっていた城にまつわる事柄の解説もあり、とてもありがたかった。
城の解説の中で特に心に残ったのは「忍城おしじょう)」のこと。
秀吉の小田原征伐の際、周辺の支城をどんどん落城させていく中、忍城だけは落ちず、忍城攻撃の責任者だった石田三成に戦下手のレッテルが貼られることになった。水攻めにしよう
としたのに落ちず、逆に堤防が決壊して豊臣方が270人も死んだりして、1ヵ月以上の籠城戦に耐えた(豊臣方の死者は結局1700人余に達した)。結局小田原城が開城したので、こちらも開城したわけであるが、大河ドラマ「真田丸」には登場しなかったので知らなかったのだが、中では甲斐姫と呼ばれる女性が奮戦していたという。城主である成田氏長が小田原城に籠っていたので、氏長の妻や娘の甲斐姫が老臣と諮って策を練り、持ちこたえたのであった。
甲斐姫は関東一の美女と称えられ、おんな将軍の異名をとる武勇の者で、のちに秀吉の側室となったとか。その後は諸説あり、この本は大阪夏の陣では秀頼の遺児、奈阿姫を伴って脱出し鎌倉の東慶寺に入ったという説を取る。
こんな人がいたなんて知らなかったなぁ。忍城は100名城ではないけれど、いつか足を運んでみたいと思う。