さぶりんブログ

音楽が大好きなさぶりんが、自作イラストや怪しい楽器、本や映画の感想、花と電車の追っかけ記録などをランダムに載せています。

【読書録】ヒトラーとナチ・ドイツ

2017-06-12 23:39:21 | 読書録
石田 勇治 著/講談社現代新書

「なぜ文明国ドイツにヒトラー独裁政権が誕生したのか?」という副題をもつこの本はKindle版で、スマホで読んだ。

日頃スマホとお友達の私でさえ、このような内容の濃い本だと、スマホより紙の方がよいなぁと思う。タブレットで読むとまた違うのかもしれないけど。

それくらい中身の濃い本であった。

ヒトラーが政権を握り、ホロコーストへと突き進んでいく姿は、まるでオセロゲームが上手な人と対戦して、あれよあれよという間に自分の石を裏返されていく不快感に似たような気分を味わった。

そう、このあれよあれよという間に・・・というのが怖いところなのよ。何故止められなかったのか・・・と思わざるを得ない。でも、止められなかったんだ・・・そして、それはどこの国でも、そういう状況に置かれれば、そうなってしまうんだ・・・そういう感情を強く持った。

ヒトラーはとにかく弁舌が巧みだった。だが、それだけではない。ヒトラーを首相に任命したヒンデンブルク大統領の罪は大きいな。当時は国会第一党とはいえ3分の1議席しか持たず、しかも低落局面にあった党の党首を首相に任命したのだから。

でも国会に多数派を持たない少数派政府を率いたのはヒトラーが初めてではなく、かつ法律に変わるものとして「大統領緊急令」を使ったのも、ワイマール憲法下の他の内閣と同じである。だからあまり警戒感を持たれなかったのか。

かつ前政権が取り組んでた経済政策がヒトラーが首相になってから花開いたこともあり、少なくともヒトラー政権の前半はうまく行っていたかのような錯覚を覚えやすいこと・・、ま、止められなかった理由は色々あるようであるが。

いつまでも大統領緊急令に頼ってばかりもいられないので「授権法=全権委任法」を成立させた・・・これがまさにオセロで角地を取られるようなもんだ。

そのあとは大方、広く知られている通りだ。

人は、渦中にいると、その異様さを感じないものなのかもしれない。そして気付いた時には後戻りできなくなっている。

この本を読むと、遠いドイツの話ではないような感覚を、誰しも抱くであろうと思われる。
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1 コメント

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『天上の葦』おすすめです (リンデ)
2017-06-14 05:06:54
 太平洋戦争とこの現代もまた「オセロがひっくり返されていくような時代」です。それに警鐘をならすすぐれたミステリーが、ウルトラシリーズや相棒の脚本家、太田愛さんによって上梓されています。
『天上の葦』超おすすめです。

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