さぶりんブログ

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【読書録】日本史の謎は「地形」で解ける 文明・文化編

2017-07-22 22:03:14 | 読書録
竹村 公太郎 著/PHP文庫

前編に引き続き、大変説得力のある内容で、楽しく読んだ。

特に感銘を受けたのは、水道の話。

日本の寿命は明治末期から大正10年にかけていったん低下し、42.7歳まで下がるのだが、その後V字回復して今に至っているのだそうであるが、その大正10年に何が起こったか、そして誰のお陰かを、著者が解明していく過程が面白い。

竹村さんの本が面白いのは、誰かの本の受け売りではなく、ご自分の得意な地形・気象からのアプローチに加え、さまざまな統計資料から目を付けたところにぐいぐいと迫っていくところにある。

平均寿命は乳児の死亡率と密接な関係があるため、乳児死亡率で見ても大正10年までは死亡率が高まり、以降低下していくのだ。その大正10年というのは東京市で水道の塩素殺菌が始まった時だというのをまず、探し出す。

しかしそれまで何故塩素殺菌されてなかったのかというと、したくてもできなかったのであり、液体塩素がないと出来ないこと、その液体塩素は大正7年に開発されたことは、著者が重化学メーカーのエンジニアに頼んで調べてもらったことである。このように人脈を駆使していろんな人にいろんな調査を依頼している様子が分かるのもこの本の特徴である。

さて大正7年には何があったのかというと、シベリア出兵があった。シベリア出兵のための兵器に使うために液体塩素は開発されたのだ。ところがシベリア出兵があっという間に終了してしまったため、液体塩素は水道水の殺菌という民生利用に転用された。だが、軍事目的で開発された技術は本来は国家極秘事項であるはずなのに、そんなにすぐに民生利用が出来たのはなぜか。

それをまた突っ込んでいくと後藤新平の名が出て来る。きゃぁぁ~私が時々行ってる大学の先生ではないか!



後藤新平先生はまず医学博士であった。しかも細菌学の博士である。大正7年に外務大臣に就任しており、外務大臣としてシベリアにも行っていた。で、大正9年には東京市長になっていた。う~ん、後藤先生のお力なかりせば~~。何というご英断であろう。

その他、わが故郷の横浜の水の話とか、何故日本はモノをコンパクトにまとめるのが得意なのか(含む将棋の話)、ピラミッドの治水上の意義(からみとしての利用)の話、それぞれに本当に面白かった。将棋の話なんかは、私なりに突っ込んでみたい部分もあるのだが、後藤先生の話の感動ほどにはまとまらないので、とりあえずここらで筆をおく。
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