さぶりんブログ

音楽が大好きなさぶりんが、自作イラストや怪しい楽器、本や映画の感想、花と電車の追っかけ記録などをランダムに載せています。

【DVD鑑賞録】ドニゼッティ/歌劇 《連隊の娘》

2017-07-13 23:34:06 | 映画・DVD等、各種鑑賞録
ずっと心理的な余裕がなくて、積読ならぬ積視のDVDに手を付けれなかったが、勉強のために少しずつ観て行こう。

まずはどんな作品なのかすごく気になっていた「連隊の娘」。

観たのは以下のDVD。
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マリー           マリエッラ・デヴィーア
ベルケンフィールド侯爵夫人 エヴァ・ポドレシ
スュルピス         ブルーノ・プラティコ
トニオ           ポール・オースティン・ケリー ほか
指揮:ドナート・レンツェッティ
ミラノ・スカラ座管弦楽団&合唱団
1996年6月25・28日/7月1日
ミラノ・スカラ座におけるライヴ収録
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舞台は、1815年頃におけるナポレオン戦争の時代。チロルの山地とあるのだが、まずここで引っかかる。1815年ってナポレオンが一度エルバ島に流されたのがもどって来て、100日天下の頃だよね。ナポレオン戦争時代の末期中の末期とはいえ、ずいぶん微妙な年代を採り上げたものだ。チロルはナポレオン戦争以前はハプスブルグ家統治下にあったが、まず1805年、フランス帝国の同盟国であるバイエルン王国へ割譲され、1810年に南チロルはナポレオンのイタリア王国に譲渡された。ナポレオンの没落後、ウィーン会議(1814-1815)によってチロルはオーストリア帝国へ復帰したという経緯をたどる。1805年の時点でチロルはフランスやバイエルン王国に対して猛反発し、その際の反乱軍は英雄視されているのに、そういうチロルの反フランス的な要素はほとんど書かれていない。冒頭にチロルの民衆が出て来るが、彼らは退場してしまったらほとんどオペラの筋には関係なくなってしまい、あとはチロル人なのにフランス女性に恋をしてしまう、フランス大好き男と、フランス軍(連隊)と、連隊で育ったフランス娘と、フランスやドイツのおばさんたちである。パリではフランス人とドイツ人は極めて仲良くやっていることになっているらしい。

ということで、史実を考え出すと頭が痛くなるので、やはりオペラにあまり時代背景を求めてはいけないようである。しかもこのオペラが初演されたのはパリのオペラ・コミック座。後年ビゼーがカルメンを初演して失敗するところだ。つまり深刻な話よりも、軽く笑い飛ばせる作品が好まれる、良家の子女がお見合いに使ってたような場所だ。そもそもパリだから、フランス万歳っていう歌詞がいっぱいでてくれば盛り上がるよねぇ。

そもそもドニゼッティはこのオペラをナポリで上演することを考えていたが、不愉快なこと(他のオペラが政治的理由によって当局の検閲に引っかかる)があったため、パリに逃れて、原詞のフランス語のまま作曲したのだ。そんなこともあり、猛烈にフランスに媚びているのかなぁ。

1幕目はなんだかテイストが後代のオッフェンバックの「ジェロルスタン大公妃殿下」に似ている部分があるなぁ。オッフェンバックが真似したのかもしれないけど。

マリー役のマリエッラ・デヴィーアと、スュルピス役のブルーノ・プラティコは素晴らしかったんだが、トニオ役のポール・オースティン・ケリーが気に入らなくて。この男が何を言っても、何を歌っても軽薄に見える・・・とイライラしていたところ、1幕の終盤で聴きなれたメロディが出てきた。「みなこの素晴らしい日に!」と言われる部分だが、これはパバロッティが得意にしていたレパートリーだな。35年前にアメリカのレコード店で何買っていいかわからなくて、とりあえずクラシックコーナーで買ったカセットテープがモツレクとパバロッティだったが、そのテープは何度も聴いた。だが、英語だったしオペラにも詳しくなかったので、どのオペラのどの場面の歌なのかということは全く気にせずに当時は聴いていたが、また「あぁ~あの曲はこれだったのか」というのを発見したよ。でもパバロッティを聴きなれた耳にはポール・オースティン・ケリーの歌声は物足りないことこの上ない。そんなに悪くはないのだが、演技が軽薄なので、歌にもそういう印象が付きまとってしまう。

2幕目に入ってちょっと面白くなった。パリの名家に引き取られたマリーは退屈な踊りの練習だの、歌の練習だのをさせられるのだが、そこは物まねの上手いドニゼッティのこと、モーツァルトをどん臭くしたような音楽を持ってきて、貴族の雰囲気を出してるんで笑った。同門の友人が歌っていた「フランスに敬礼!」もここで出て来るのかということがよくわかったし、勉強になった。
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