日々の逃避

ある大学教員のひとりごと。某大学の准教授みたいです。バイオマテリアルの研究をしている・・・かも。

授業評価アンケートの結果

2016年09月20日 | いろいろ

前期に担当した科目(3年生向けのバイオマテリアルの科目)の授業評価アンケートの結果が届いた。このアンケートは、すべての項目が「5点満点」で採点されている。

3つの数字の列は、左から順に、「この科目の点数」「学部の全科目の平均点」「学科の全科目の平均点」だ (正確には、「アンケートを実施した全科目」の平均点)。そのうち、「学部の全科目の平均点」「学科の全科目の平均点」の2つは、自分のデータではないし非公開だろうからぼかしてみた。

自分が担当したこの科目の点数(3つの得点列のうち、一番左)は、例年通り、ほぼ全項目で4点以上の結果だった。Q4の「授業外学習」の点数だけが4点より低くて2.95点だけど、これは教員としてはどうしようもない項目なので、個人的には興味がないなぁ ・・・極端な話、「授業外学習はしなかった(=1点)」でいいと毎年思っている(大学設置基準の規定には反するけれど)。学生の本分は勉強、と理想論ばかり言う大人は多いけど、単位数で決まっている時間をかけて授業外に勉強したら、他のことをする時間がなくなってしまう。「学生なんだから勉強だけしていればいいんだ」という論理もあるかもしれないけど、それは違うと思う。少なくとも自分は、大学の外にいる時は(テスト前以外は)ほとんど勉強しなかった学生時代を過ごしたので、「授業中にわかるような授業」「出席したくなるような授業」をすることを目標にしたい気持ちがとても強い。「2単位の授業は、授業30時間の他に予習30時間・復習30時間が必要」という大学設置基準の規定は机上の空論であって、あの規定によって「わからない授業をやってもいい」というくだらない言い訳をする大学教員が増えてしまっていると思う。

自分が一番重視している3つの項目については、「授業内容は良く理解できた」が4.59点、「授業内容に興味・関心を持てた」が4.72点、「教員の授業に対する意欲・熱意を感じた」が4.68点だった。この3つの項目は、例年通りどれも4点後半。

授業評価アンケートについては、いろいろなご意見をお持ちの先生方がどこの大学でも多いみたいだ。うちの大学に限らず、いろいろな他大学の先生たちから、そんなご意見を聞くことがある。特に、「学生は教員を不当に低く評価するから、授業評価アンケートは信じない」という声もよく聞く。たしかに、「あの教員が嫌いだから」「つまらない授業しやがったから」みたいな理由で低い点数を付ける不真面目な学生もゼロではないだろうから、そんな教員のみなさんのご意見も一理あるのかもしれないけれど、自分はやっぱり賛同できない。

自分はいつも、「学生は教員のことを、素直に、(ほぼ)正しくシビアに評価している」と思っている。自分にとっては、「学生」=「素直」=「真っ正面から誠実に向き合う必要がある存在」という図式が(講義中であっても、研究室内であっても)いつも成立している。わけがわからない講義をやれば気持ちが離れるし、難しい内容でも興味が高まるように授業を工夫すればついてくる ・・・ そんな素直な人たちなんだと思う。試行錯誤を毎年繰り返してみると、授業評価アンケートの点数が変わる(上がる)ことからもそれがわかる(まぁ、逆に言うと、試行錯誤しながら毎年授業をバージョンアップさせない先生は、点数の変化を見ることができないわけだけど)。

「講義」は、大学が学生に提供するほぼ唯一の「商品」である以上、その商品の販売員である大学教員は真剣に商品を提供する必要がある。「大学は義務教育じゃないんだから、穴だらけの講義をやったって、それを学生に埋めさせりゃいいんだよ」というご意見もよく聞くし、それも一理あるかもしれない(全国的にこのご意見は多いかも)。でも、学問への興味が高まるように方向性を示してあげることは「商品」に当然含まれるので、もし「穴」が「方向性」を示していないのであれば、その穴は無意味だと思う。「大学は義務教育じゃないんだから、穴だらけの講義をやったって、それを学生に埋めさせりゃいいんだよ」というセリフを吐く資格がある大学教員は、「適切な穴」を「正しく」開けられる人だけでしょ。「適切な穴」を正しく開けられない人の「穴だらけの講義」は、商品として提供してはいけないと思う。それが大学が提供する商品としての講義の本質。

「客」である学生は、売り手(大学、大学教員)のことをかなりシビアに見ていると思う。そんな学生たちに対して、「あの客は商品の価値がさっぱりわかってない」という「上からの」意見を持つことは、大学教員としてやってはいけないことでしょ。少なくとも、それは自分が目指す大学教員像ではない。でもこれは講義に限らず、研究室運営についても同じで、学生としっかりと誠実に向き合うことが大切なんじゃないかなぁ。

講義でも研究室運営でも、「適切な穴」を「正しく」開けられる教員になりたい。その「適切な穴」から広い世界を見て成長する ・・・ そんな学生たちを育てたい。まだまだ自分には足りないところだらけだし、うまくいっていないことも多いかもしれないけれど。

・・・ こういうネタは、書きながら反省点ばかり増えてくるな、うん。。。

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