この映画・本、よかったす-旅行記も!

最近上映されて良かった映画、以前見て心に残った映画、感銘をうけた本の自分流感想を。たまには旅行・山行記や愚痴も。

『世界の果ての通学路』-スクールバスも自家用車の送迎も、電車もない何十キロの道を通学する子供たち

2014-04-22 23:19:36 | 最近見た映画
                         【 野生のキリンや象が生息するサバンナを駈け抜けるケニアのジャクソン兄弟 】


                   【 2014年4月21日 】    京都シネマ


 かつての日本でも、学校まで片道10キロくらいの山道を通ったという話を来たことはあるが、現代の日本では、親が自家用車で学校への送り迎えをするという話はあっても、10キロの山道を歩いて通学するなどという話は聞かない。

 この映画に出てくる4組の子供達は、皆それぞれ環境が異なるが、共通していることは『勉強をすることによって、より自分を豊かにしたい、家族と家庭を支えたい、世の中のために役に立ちたい』という願いを持っていることだ。



        
                                        

 



        






 この映画を撮ったパスカル・ブリッソン監督が、『登場する4人の子どもを通して、女子教育の問題、身体的な障害、貧困といったテーマも描きたかった。』と語っているように、環境は様々である。


            


 イスラムの世界では、一般的に《女子に学問は不要》であるとの恩讐があり、学校に通うこと自体が難しい。(『タリバン』が最たるもの。また、『少女は自転車に乗って』はサウジアラビアにおける女性に対する差別や制限がいかに大きいかを具体的に教えてくれた映画だ。)


                                                       


 貧困も大きな問題である。グローバル資本によるアフリカやその他のいわゆる《後進国》に対する略奪とも言うべき自然破壊も含めた《搾取》はすざましい。


              



 インドも中国と同じで、経済発展は進んでいるが、一部の都市部を除けば大部分の地方は発展から取り残されている。そんな中でも、家族の愛情と、村社会の弱者に対する暖かい環境が残されていることに、一瞬、安堵する。


                                                          



 この映画を観るもう一つの魅力は、通学路の周囲に広がる大自然だ。『ケニア-野生動物の姿が見えるサバンナ』、『アルゼンチン-パタゴニアの草原』、『モロッコ-アトラス山脈の雪を抱く山々』、『インド-ベンガルの自然のままの海と大地』。それら、無垢な子供らの瞳を映す、手つかずの大自然がすばらしい。

 

       『別の大陸、違う言語、宗教、生活環境の中で暮らす4人の子どもたちは、真っ直ぐな瞳で同じ思いを語る。

       「夢をかなえたいから」

       世界の果ての通学路から、希望に満ちた地球の今と未来が見えてくる。』

  パンフレットに書かれていたフレーズに、納得する。



                            



                        


     ○       ○       ○


 以前、『ファースト・ポジション』というドキュメンタリー映像:【バレエの登龍門となるコンクールに出場した世界の子供達の姿を描いたもの】を観た。様々な環境の中で輝く純粋な瞳と『自らの希望』『将来の夢』を自らの努力で得るんだというひたむきな姿勢は、今回の映画と共通のものを感じた。
 この映像も、ぜひ見ていただいたらと思う。


      『ファースト・ポジション』-マイブログへジャンプ





      『世界の果ての通学路』写真集(公式サイトより抜粋)
    




     
       『世界の果ての通学路』-公式サイト






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